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店舗経営者や販売担当者なら決算期末になると検討したいのが決算セールです。
この機会を効果的に活用するには、決算セールを行う理由を明確にし、決算期の特性を把握しておくことが欠かせません。
今回は、決算セールを行うメリットとデメリットを紹介し、成果につなげるポイントを解説します。
【目次】
1.決算セールを行う3つのメリット
2.決算セールで注意すべき2つのデメリット
3.決算セールを効果的に活用するために意識すべきこと
4.まとめ
決算セールを行う際は、メリットをしっかり意識するとセールの効果を最大化できるでしょう。
ここでは3つのメリットを紹介します。
◆販促につながる
決算セールには、販促効果があります。
一般的に、決算セールは「余った在庫を処分する」という意味合いが強いものです。
消費者も同じ認識をしているのが普通で、商品を定価よりも割安で手に入れられるチャンスだと考えています。
普段から来店している顧客だけでなく、あまり店に足を運ばない潜在顧客にも訴求する効果が期待できるでしょう。
◆在庫が圧縮できる
決算セールには在庫を一掃できるという利点があります。
日用品や雑貨であれば在庫として保存しておき、翌決算期まで繰り越すことが可能ですが、賞味期限がある食料品やトレンドがある衣料品の場合は、繰り越しても収益化ができません。
売れ残った在庫を店舗が処分する場合は、管理や物流などにコストが発生してしまいます。
決算期末に在庫を商品として販売すれば、そのような処分にかかる費用を抑えられるほか、売上高として収益に組み入れることも可能です。
◆節税効果がある
決算セールには節税メリットもあります。
税法の仕組みで、まだ販売が実現していない在庫は売上原価ではなく利益として計算され、課税対象になってしまいます。
企業としては仕入れ代金を支払っており、なおかつ売上としてキャッシュが手元に入っていないのに税金を支払うのは負担でしょう。
しかし、多少値引きをしたとしても販売さえすれば、売上原価として計上できるので税負担を軽減できます。
決算セールにはメリットばかりでなく、デメリットもあります。
決算セールを実施するかどうかを検討する際は、悪影響にも注意しながら決めることが大切です。
◆セール狙いが習慣化する
決算セールなどのセールを頻繁に行うと、顧客がセール狙いになり、平常時の集客が難しくなる可能性があります。
店舗運営では、閑散期や繁忙期などで月々の収益に差はありますが、毎月一定の固定費は発生しているものです。
財務状況を良好に保つためには、少なくとも損益分岐点を超えるような収益が毎月発生していることが望ましいでしょう。
決算セールは集客の起爆剤にはなりますが、収益がセール頼みになってしまうのは好ましい店舗運営とはいえません。
◆利幅が薄くなる
利幅が薄くなってしまうことも決算セールのデメリットです。
決算セールでは在庫を売り切るために、かなり思い切った値下げに踏み切ることもあるでしょう。
時には仕入れ値ギリギリ、あるいは商品によっては原価割れするケースも考えられます。
目玉商品としてサプライズも必要ですが、過度な安売りは自らの首を絞める結果につながりかねません。
決算セールは「売れればそれでよい」という単純なものではありません。
先述したように、決算期中に在庫を処分すると税負担が軽減されますが、だからといって在庫処分ばかりを意識すると、割引待ちの顧客ばかりになり利益率の低い営業に陥る可能性があるのです。
決算セールを販促の起爆剤にするためには、在庫処分だけでなく、なんらかの仕掛けも行いましょう。
セール価格で商品・サービスを試してもらいリピート化につなげたり、セール品を呼び水として別商品と一緒に購入してもらうクロスセルを狙ったりする手法があります。
決算セールは販促の手段として定番ですが、一長一短の面もあります。
集客効果と財務効果の両方を意識しつつ、バランスよく戦略を立てることが大切です。
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