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店舗を営んでいたり賃貸オフィスを利用していたりすると、家賃以外に水道光熱費などがかかります。とくに飲食店を営んでいる方の場合は、毎月の電気代やガス代に頭を悩まされている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、電気代・ガス代削減のポイントについて解説します。オフィスコスト削減にもつながりますので、飲食店以外の事業主の方も、ぜひ最後までご確認ください。
【目次】
飲食店の水道光熱費の相場について見てみましょう。
水道光熱費は飲食店の規模、形態、季節によって変動するため、売上に対する割合で考えることが一般的です。これを前提として、飲食店の水道光熱費の平均は売上の5%~8%と言われています。
長時間お湯を沸かしたり、ドリンクの提供が多かったりするような店舗は他の業態と比べて水道光熱費が高くなる傾向にあります。
賃貸オフィスの電気代は、オフィスの規模によって異なります。そのため、以下はあくまで一般的な相場の参考としてください。
オフィスの坪数 | 電気代相場 |
10坪前後 | 2万円前後 |
30坪前後 | 4万円前後 |
80坪前後 | 8万円前後 |
コールセンターのような受電設備があるオフィスでは、上記よりも電気代が高くなる傾向にあります。
店舗やオフィスにかかる電気代は、いくつかの工夫で削減できます。とくに電気代削減の効果を得やすい方法が、以下の5つです。
● デマンド値を下げる
● 力率を改善する
● 太陽光発電を導入する
● 照明や機器を切り替える
● 電力会社を見直す
「デマンド値」や「力率」については、初めて聞く言葉かもしれません。以下で具体的に解説します。
◆デマンド値を下げる
デマンド値とは、30分間に消費された電力の平均値を指します。電気料金の基本料金は、最大デマンド値によって決まります。ですから、最大デマンド値を下げることで、電気代の削減が可能となるのです。
具体的な方法として、デマンド監視装置(デマンドコントローラー)の導入が効果的です。デマンド監視装置は、電力使用状況をリアルタイムで監視し、設定値を超えそうな場合は空調設備などの電源を自動制御します。
これにより、デマンド値を下げて、電気代を削減できるのです。
◆力率を改善する
電力会社から供給される電力のうち、実際に使用される割合を示す「力率」を改善することで、電気代を削減できます。力率が低いと電力の損失が大きくなり、電気代も割高になってしまいますが、100%に近づけることで電力会社から割引が適用される場合があります。
具体的な改善方法として、コンデンサの設置が効果的ですが、設置場所や方法については専門知識が必要なため、電気主任技術者と相談しながら進めてください。
◆太陽光発電を導入する
将来的な電気代高騰に備える最も効果的な方法が、自社で電気を生み出すことです。太陽光発電を導入すれば、電気購入費用をゼロに近づけられます。
また、太陽光発電は、電気代の削減だけではなく、BCP対策や環境配慮としての側面もあります。さらに、中小企業経営強化税制などの優遇措置も利用可能で、導入時の負担も軽減できます。
◆照明や機器を切り替える
照明器具を蛍光灯からLEDに切り替えることで、消費電力を約34%削減できます。LEDは発光効率が高く、約40,000時間(約10年)という長寿命が特徴で、蛍光灯の3倍以上の使用が可能です。
さらに、人感センサーの導入や省エネ性能の高い機器へ切り替えることで電力消費を抑制できます。
◆電力会社を見直す
電力自由化により、安価な料金プランや基本料金なしのプランが選べるようになりました。現在では、さまざまな企業が電力業界に参入し、企業の用途に合わせたサービス展開を進めています。
もしどのような電力会社にすべきか悩んだら、電力料金の見積もり代理店を活用すると良いです。複数のプランを比較検討することで、最適な料金プランを見つけられます。
ガス代は、いくつかのアプローチで削減できます。たとえば、以下の5つです。
● 従業員への声掛けを徹底する
● ガス料金を見える化する
● 使用機器を見直す
● プランを再検討する
● 他社へ乗り換える
それぞれの方法でガス代を削減する方法について、以下で解説していきます。
◆従業員への声掛けを徹底する
まずおこなっておくべきなのが、従業員への声かけです。従業員一人ひとりの日常的な心がけで、ガス代を削減できます。
具体的には、以下のような行動を徹底すると良いでしょう。
● お湯の出しっぱなし防止
● 食器乾燥機の使用頻度を下げる
● ガスファンヒーターの小まめな電源オフ
従業員全員にコスト削減の目的と目標を明確に伝え、日々の意識付けを徹底することで、着実にガス代を削減できます。
◆ガス料金を見える化する
ガスの使用量とコストを数値やグラフで可視化し、従業員全員が確認できる場所に掲示しておきましょう。現状の無駄を具体的に把握でき、削減効果も数字として明確に確認できます。
また、見える化することで従業員の節約意識が高まり、さらなる工夫へのモチベーションにもつながります。
◆使用機器を見直す
最新のガス機器や調理器具への切り替えで、大幅なガス代削減が可能となります。ガス機器の技術は年々進化しており、使用効率が格段に向上しているためです。
たとえば、最新型のガスファンヒーターや給湯器への交換、飲食店では熱効率の良いフライパンや寸胴鍋の導入などが効果的です。
導入時には初期費用が必要となりますが、使用効率の向上による光熱費の削減で、長期的には大きなコストメリットが得られます。
◆プランを再検討する
ガス会社が提供する各種割引プランを確認し、最適なものを選びましょう。昨今では、対象機器の設置による割引や、電気・インターネットとのセット契約による割引など、さまざまな料金プランが用意されています。
自社に合った料金プランに変更するだけでも、ガス代削減につながる可能性があります。
◆他社へ乗り換える
ガス小売全面自由化により、現在では都市ガスもプロパンガスも事業者を自由に選択できるようになりました。そのため、現在使用しているガス会社から他社へ乗り換える方法も、ガス代削減の一つの方法となります。
乗り換えを検討する際には、複数のガス会社から相見積もりを取得して比較検討しましょう。比較することで、自社に最適なプランが見つかります。ただし、地域によって都市ガス・プロパンガスの使用が指定されているため、その範囲内で最適な事業者を選ぶようにしてください。
2025年1月から3月にかけて、政府が「電気・ガス価格激変緩和対策事業」という電気代・ガス代の補助金制度を実施しています。これは、昨今の物価高の状況を支援するための施策です。
令和6年11月22日に「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」が閣議決定されました。この経済対策において「誰一人取り残されない形で、成長型経済へ移行することに道筋をつけるため、継続する物価高の中、様々な事情によって働けない方々を含め、厳しい状況に置かれている方々を対象とし、当面の支援措置を講じる」旨が掲げられ、具体的な施策の一つとして、物価高により厳しい状況にある生活者を支援するため、家庭の電力使用量の最も大きい時期である1月から3月の冬期の電気・ガス代を支援することとされました。
以下では、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の手続き、期間、上限などについて解説します。
◆電気・ガス価格激変緩和対策事業の対象や手続き方法
電気・ガス料金の支払いに関する補助制度は、一般家庭、小規模商店、法人が対象となり、特別な申請手続きは不要です。補助金が電力会社やガス会社に直接支給され、請求時に自動的に差し引かれる仕組みとなっているためです。
ただし、この補助を受けるには、契約している事業者が政府に申請をおこなっている必要があります。契約している事業者が申請をおこなってるかわからない場合は、経済産業省の採択事業者一覧で確認できます。
なお、特別高圧契約や年間ガス使用量1,000万㎥以上の大規模事業者は対象外です。
◆電気・ガス価格激変緩和対策事業の実施期間
「電気・ガス価格激変緩和対策事業」では、2025年1月から3月の使用分に対して、電気・ガス料金の値引き補助が実施されます。具体的には、2025年2月から4月の請求時に料金が値引きされ、電気料金の明細には「電気・ガス価格激変緩和対策事業」という項目が追加されます。
なお、2025年4月以降の支援継続については現時点で未定となっています。
◆電気・ガス価格激変緩和対策事業の補助金額
2025年の電気料金補助は、以下のとおりです。
一般家庭(低圧) | 法人(高圧) | |
2025年1月・2月 | 2.5円/1kWh | 1.3円/1kWh |
2025年3月 | 1.3円/1kWh | 0.7円/1kWh |
なお、補助金には使用量の上限がないため、電力使用量に関係なく一定の単価で値引きされます。
事業主にとって、電気代やガス代の固定費は大きなコストになります。しかし、飲食店などの店舗を運営する場合には、光熱費を削ることで顧客満足度を落としてしまう可能性もあります。
今回の記事で紹介した方法であれば、顧客満足度を落とさずに電気代・ガス代を削減できます。ただし、導入費用がかかるものもあるため、以下を参考にしてできることから始めていきましょう。
● 機器の導入費用の捻出が難しい場合…照明の切り替え・電力会社、ガス会社の切り替え、ガス料金の見える化、プランの再検討、従業員への声かけ
● 機器を導入する予算がある場合…デマンドコントローラーの導入、機器の導入・更新、太陽光発電の導入、コンデンサの設置(力率の改善)
一つひとつ見直していけば、今できることで電気代・ガス代を削減できます。
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