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チラシやHPなどをデザインする際、配色のパターンによって相手に与える印象は大きく変わります。
配色の作用を理解しておけば、デザイナーでなくても表現力が上がり、販促効果を高めることができるでしょう。
色の効果の基本については、「色の持つイメージが与える心理的効果とは?チラシデザインの広告効果を高めよう!」で色相別に紹介させていただきました。
さまざまな研究によって報告されている色の持つイメージと心理的効果は、店舗の内装や広告デザイン、コーポレートカラー、商品のイメージ戦略、webサイトなどさまざまな場面で活用されています。
今回は色の組み合わせ、つまり「配色」によってどのような印象を与えるのかについて例を使いながらお伝えします。
【目次】
各色が持つイメージ
①信頼感のある配色
②女性向けのやわらかい配色
③キッズ向けのカラフルな配色
④素朴でナチュラルな配色
⑤落ち着いた和の配色
⑥男性向けのクールな配色
⑦シンプルでおしゃれな配色
⑧上品でフォーマルな配色
配色の番外編
販促に効果的な配色を選ぶためのポイント
配色を魅力的に見せるテクニック
まとめ
配色をお伝えする前に、それぞれの色が持つイメージの基本をおさらいしましょう。
それぞれの色相が連想させる印象は上記の通りです。
たとえば、青などの寒色系で鮮やかさを抑えた表現にすると、信頼感や誠実な印象を与えるので、士業や専門的なサービス業に向いているといえます。
緑やベージュといった落ち着いた色を使うと、ナチュラル感や安心感が演出できるので、オーガニック系商品や医療・介護系サービスにマッチするでしょう。
今回は、配色に注目し、「信頼感のある配色」「女性向けのやわらかい配色」「キッズ向けのカラフル配色」「素朴でナチュラルな配色」「落ち着いた和の配色」「男性向けのクールな配色」「シンプルでおしゃれな配色」「上品でフォーマルな配色」の8つの配色ポイントをお伝えします。
Point① ベースは明るい色
Point② 寒色系を使う
Point③ 鮮やかさを抑える
▼サンプルイメージ
ベースを白に近い色にすると、クリーンで誠実な印象を与えられます。
白は、純粋、神聖、清潔、無垢、明るい、平和、自由、善、潔白、未来などをイメージさせ、光によって明るくなった環境を表す色であることから、純粋で清潔な心理的イメージを与えることができます。
寒色系の色は冷静さや知性を感じさせ、青や紺などの濃い色は冷静沈着さや安定感をイメージさせます。
士業など高度な専門性が必要とされるようなビジネスで用いれば、信頼性を高める効果が期待できるでしょう。
緑は、自然な、安らぎ、落ち着き、癒やし、若さ、爽やか、新鮮、安全、平和、健康、公平、平凡などをイメージさせ、安らぎや安心感を与えます。
そのため、癒しを与えたり、興奮を抑えたりする心理的効果もあります。
青は、冷静、静か、知的、爽やか、信頼、自由、平和、誠実、などをイメージさせます。
グレーは、シックでソフトな色合いで落ち着きや控えめな印象を与えることができます。
Point① ベースは明るい色
Point② 淡い色を使う
Point③ アクセントは濃色
▼サンプルイメージ
ピンクは美容関連やファッションなど、女性向けの広告でよく使われる色ですが、彩度や明度によってイメージが変わる便利な色です。
一般的には、かわいい、やさしい、甘い、若い、幸せ、ロマンチックな、意地悪な、女らしい、優美なイメージがあり、刺激が少なく、かわいらしさや健康を連想させます。
花の甘い香りにピンクをイメージする人が多く、幸感を与えることもできます。
ショッキングピンクは元気で派手な印象に、淡いピンクを選ぶとふんわりやわらかい印象になります。
淡い色だけではなく、アクセントカラーには彩度の高い濃いめの色を使って引き締めます。
Point① たくさんの色を少しずつ散りばめる
Point② 鮮やかさをやや抑える
Point③ 背景や本文は単色で
▼サンプルイメージ
色を散りばめる時は、なるべくたくさんの色を少しずつ使います。
原色ばかりだとチカチカしてしまいますが、鮮やかさを抑えると全体のトーンが落ち着いてまとまりやすいです。
明度や彩度の高い色を使う場合、背景や本文はカラフルにせずスッキリまとめると配色を引き立たせることができます。
一般に幼児は、彩度が高い純色を好む傾向にあります。
その中でも男の子は青や緑を好み、女の子は赤系の色を好みます。
男女共通で好まれる色としては、黄色、オレンジ色などがあげられます。
黄色は、明朗、希望、喜び、暖かさ、幸福、躍動、賑やか、幼稚、注意、軽率、騒がしいなどのイメージがあり、太陽の光や穀物の実りの色が黄色であることから、明るさ、普遍性、エネルギーを感じさせ、喜びや希望、幸福などポジティブな心理的効果を与えることができます。
オレンジ色は、暖かい、明るい、元気、健康的、かわいい、楽しい、親しみやすいイメージがあり、近年の調査で、色の中で最も暖かいと感じられる色はオレンジ色という結果が出ています。
赤よりも強さが薄れ、暖かみを感じさせるため、親しみやすさを与えることができます。
Point① 鮮やかさを抑える
Point② 曖昧な色を使う
Point③ 近い色を混在させる
▼サンプルイメージ
自然やエコがテーマであれば、白よりもベージュ、黒よりも焦げ茶色などを使ってみます。
はっきりしない素朴な色合い、自然界にあるような曖昧な中間色を取り入れます。
ややくすんだ色合いを選ぶとおしゃれに見えます。
医療、介護関連などで活用すれば、安心感を与える心理的効果が期待できるでしょう。
茶色は、自然な、落ち着いた、堅実な、古い、安心する、堅い、地味な、保守的な、マイルドな、渋い、おとなしいなどのイメージがあります。
茶色は植物を育む大地の色であるため、人間にとっても支えの色であるといわれています。
そのため、落ち着きや安心感、温もりを感じさせます。
Point① 鮮やかさを抑える
Point② グラデーションを使う
Point③ 濃い色で引き締める
▼サンプルイメージ
鮮やかさを抑えた褐色やベージュなどを使うと上品にまとまります。
同系色を用いて、色の変化がほんのりわかる程度のグラデーションにすると、和の落ち着きが醸し出されて品を演出できるでしょう。
濃い色を使うと全体が引き締まります。
Point① ベースはモノクロ
Point② 色数は少なく
Point③ 濃淡はハッキリ
▼サンプルイメージ
使う色を3~4色に抑えるとセンスよくまとまります。
色の濃さがはっきり分かれていると、メリハリの利いたクールなイメージになるでしょう。
モノクロで格好よく仕上げることも効果的ですし、白とブルー系を使うと爽やかで魅力的になります。
特にブランド品や電子機器、スポーツ、趣味といった商品の場合は、男性らしさを表す配色として好まれるでしょう。
Point① 色数は少なく
Point② ベースは中間色で
Point③ アクセントは派手色に
▼サンプルイメージ
色数を少なくする事で、色の情報が削ぎ落とされ、言葉や形などの内容をよりシンプルに伝える事ができます。
ベースカラーには鮮やかさを抑えた中間色を使うと、ナチュラルでおしゃれなイメージになります。
Point① 鮮やかさを抑える
Point② 色数は少なく
Point③ グラデーションを使う
▼サンプルイメージ
主張しない色を使う事で、控えめで真面目な印象が残ります。
文字色は読みやすさを重視した黒がオススメ。
うすくグラデーションをかけると高級感が増します。
アクセントカラーも色を絞ると落ち着いた雰囲気を保てます。
ホテルやレストラン、ハイグレード商品など、高級感やエレガントさを演出したい場合に適した配色です。
ここでは、「人目を引くが注意が必要な配色」を2つご紹介します。
「黄色と黒」
とても目立つ組み合わせなので、特に目を引きたい時に役立ちます。
ただし、立ち入り禁止の表示にも用いられるように警戒色でもあるため、ネガティブな印象を与えないよう使い方には気をつけましょう。
「赤と黄色」
とても目を引く色です。
「大特価」や「セール」などに使うとパッと目を引きます。
「赤」「黒」「黄色」は、メッセージを目立たせる効果的な組み合わせで、実際に小売店の店先やテレビCM、ECサイトなどでも頻繁に使われています。
ただし、これらを多用すると、強烈すぎるために不快感につながることがあります。
過剰な文言やあおるような表現などと組み合わせると、マイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
「赤」「黒」「黄色」を販促で活用するのは、なるべくここぞというタイミングで、ポジティブなメッセージを伝える場合に限るべきでしょう。
ここまで定番の配色パターンとその配色が与える印象を紹介してきました。
販促チラシなどで色を使う際は、これらの配色の中から最適なものを選ぶことが大切です。
ここでは配色の選び方を紹介します。
◆商品・サービスに合う配色を選ぶ
まずは、自社の商品やサービスに合う配色を選ぶことが重要です。
配色は、信頼感や落ち着いた印象を与えるものや、やわらかさや賑やかな印象を与えるものなど、正反対の効果を持つものがあります。
その配色がどれほど優れているパターンであっても、商品やサービスに合わない組み合わせであれば、効果的な印象を与えることができず、逆効果になってしまう可能性もあるでしょう。
例えば、男性向けのクールな印象を与えたいのに、ベースを明るく淡い色にしてアクセントに濃い色を用いれば、やわらかい優しい印象になってしまいます。
販促で配色の力を最大限生かすためには、こういったポイントに注意して、コンセプトやターゲット顧客層が好む配色にする必要があるのです。
◆使用する配色を統一する
あらゆる場面で使用する配色を統一させることも大切です。
販促において、配色は商品・サービスのコンセプトと配色がマッチしており、なおかつ顧客にとってそのブランドや店舗の雰囲気がイメージしやすかったり連想しやすかったりすると効果を発揮します。
しかし、実際にはチラシとホームページの担当者が別々で、それぞれの配色が統一されていないケースや、販促の担当者が変わったためこれまでと現在の配色が異なるケースなどもあるでしょう。
これではせっかく決定した配色のイメージをターゲット層の記憶に定着させることができず、効果が薄れてしまいます。
配色は、ホームページ、チラシ、看板、店舗インテリアなどあらゆる場面でできる限り統一するのが有効です。
配色を選んだ後は、それをもとにデザインをすることになりますが、いくつか活用できるテクニックがあります。
配色をロゴやチラシ、ホームページなどのデザインに活用する際は「70:25:5の法則」を知っておくと便利です。
これは、ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの割合を表したもので、この比率でデザインを作成するとバランスがよく見えるとされています。
配色を使ってチラシやホームページなどをデザインする際は意識してみましょう。
また、決定した配色で何か物足りなさを感じた場合は、色を調整してみることも有効です。
例えば、明るさや鮮やかといったトーンを変化させるだけでも印象は大きく変わります。
配色を決める時は、「どういう印象を持たせたいのか」を明確にすることが重要です。
基本的なコンセプトが決まったら、配色はメインカラー1つとサブカラーを2つまで、計3つ以内で考えるようにしましょう。
配色の基本カラーを決めたら、会社全体のカラーを統一することにも挑戦しましょう。
例えば、ビジネスの世界では会社ロゴ、広告、カタログ、ホームページなどさまざまな表現物があります。
それらを統一された配色でまとめると、「こういう会社です」という印象をアピールすることができるため、より販促を強化することができるでしょう。
チラシのデザインで悩んでいるのなら、色彩について心理的効果の視点から解説したこちらの記事もオススメです。
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どう印象づけるか、どう見せるかが決まったら、上記の配色見本を参考にして、まずは基本カラーを決めることから始めてみてはいかがでしょうか。
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