金村 勇秀(詳しいプロフィールを見る)
金村 勇秀の最新記事 (記事一覧を見る)
- 飲食店におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)について考える! - 2021年2月12日
- 自動車業界の方必見!自動車業界の課題と解決方法とは!? - 2021年2月2日
- 自動車業界の方必見!自動車業界のトレンドと今後の動向に迫る! - 2021年1月26日
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、経済発展と社会的課題の解決の両立を目指す考え方です。
近年、SDGsに対する注目が高まっており、一人一人が意識と行動の変化を求められているものの、まだ一般的には十分に理解されているとはいえません。しかしながら、すでに大企業ばかりではなく中小企業においてもSDGsの考え方を目標とした、ビジネスの取り組みの成功事例が数多く出てきています。また、日常生活においても広告やマスコミなどを通じてSDGsが取り上げられているところを目にするでしょう。
そこで今回はSDGsの意味や背景を解説し、企業がSDGsに関するビジネスを推進するメリットや、大企業や中小企業の取り組み成功事例を紹介します。
【目次】
1. SDGsとは?意味や背景
2. SDGsに取り組むメリット
3. SDGsに取り組む大企業の事例
4. SDGsに取り組む中小企業の事例
5. まとめ
SDGsとは、経済発展と社会的課題の解決を両立させることを目指す目標です。
ここではその意味や、近年注目されている背景を紹介します。
◆SDGsの意味
SDGsは17のゴールと169のターゲットで構成された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す目標群です。17のゴールには貧困、飢餓、健康・福祉、教育、ジェンダー、水・トイレ、クリーンエネルギー、働きがい・経済成長、産業・技術革新、不平等、まちづくり、つくる責任・つかう責任、気候変動、海の豊かさ、陸の豊かさ、平和と公正、パートナーシップがあります。
◆SDGsが注目される背景
SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された国際的な目標です。
2000年、極度の貧困と飢餓への対策、致命的な病気予防などを軸とした「MDGs」(ミレニアム開発目標)が採択されましたが、SDGsはその後継として策定されました。
SDGsは、単に政治的なスローガンではなく、生活や経済活動をより良くするとの考えから国際的に注目が高まっているのです。
つまり、SDGsはグローバルな視点で世界中の人々が望むべき未来の実現に向けて必要なもので、世界中で求められているものなのです。
また、SDGsはグローバルで求められる巨大なニーズであり、企業にとって新たな市場を生む大きなビジネスチャンスでもあります。
企業がSDGsへの取り組みを推進することは、社内的な意義だけでなく、対外的にもプラスの効果があります。
ここでは3つのメリットを紹介します。
◆ブランド価値が向上する
SDGsに取り組めば、ブランド価値が高まる効果が期待できます。
SDGsに注目する消費者は日本国内でも増えつつあり、環境保護をはじめ社会的なテーマに取り組んでいる企業を応援する意識は高まっています。SDGsに取り組む姿勢をアピールすれば、そのような意識の高い消費者を取り込むことにつながります。
また、ブランド価値が高まることで、人材採用にもプラスの影響を与える可能性もあるでしょう。
◆事業をスムーズに展開できる
SDGsに取り組むことで、事業展開の点でも好影響が得られる可能性があります。
近年は行政、経済界、金融界、消費者などさまざまな立場でSDGsを意識する動きが広がっており、例えば市場では「SDGs関連銘柄」と呼ばれるものまで現れている状況です。SDGsに取り組んでいると、消費者だけでなく投資家や取引先、行政機関に対しても好印象を与え、ビジネスを展開しやすくなります。
◆新しいビジネスチャンスを創出する
SDGsの17のゴールに関連するビジネスの市場規模は巨大であり、アイデア次第で新しいビジネスチャンスを創出する機会となっています。
SDGsへの取り組みはすぐに始めることができます。
そこで役に立つのが、SDGsに着手している事例を知ることです。
ここではSDGsに積極的に取り組んできた大手2社のケースを紹介します。
◆花王
消費財メーカーの花王は、原材料の調達から製品製造、流通、そして消費者のもとでの使用や廃棄までの一連のプロセスにわたり持続可能性を意識しています。
さらに、花王は学校に教材を配布して環境保護を呼びかけたり、ホームページで数値実績を公表したりするなど、対外的な情報発信にも積極的です。
◆大和ハウスグループ
大手ハウスメーカーの大和ハウスグループは、二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目的に、「エネルギー“ゼロ”の住宅・建築・街づくり」を掲げています。
例えば、住宅や建物間でエネルギーを融通したり、太陽光発電所を住宅間でシェアしたりすることで、エネルギー効率を高めるビジョンも構想中です。
SDGsが創出する新たなビジネスチャンスは、大企業だけでなく中小企業にとっても魅力的です。中小企業はスピーディーに事業展開できるため、多くの中小企業が取り組み、成功を手にしています。
ここではSDGsに積極的に取り組んできた中小企業2社のケースを紹介します。
◆ウミトロン株式会社
ウミトロン株式会社は、水産漁業に関するSDGsに着目したベンチャー企業です。同社はSDGsのいくつかの目標にまたがる水産資源の活用において重要な解決策となる水産養殖に注目し、グローバルにビジネスを展開しています。
従来人間の手作業で行われていた水産養殖の作業にITテクノロジーを活用して、ビジネスを拡大しています。例えば餌やりなどは見守り管理システムを活用して遠隔操作を可能にしました。
◆みなとく株式会社
みなとく株式会社は、SDGsの中でも食品ロスの問題に注目した食品ロス対策アプリ「No Food Loss」を開発し運用しています。
世界では飢餓に苦しんでいる国がある一方で、日本ではコンビニや外食産業などで食品ロスが継続して発生しています。「No Food Loss」は、食品ロスや余剰在庫に困った事業者から、まだ食べることができるのに廃棄されてしまう食品を取得し、クーポン形式でお得な価格で提供するアプリです。
環境や教育などの社会的なテーマは、社会や経済活動を支える基盤の一つです。
消費者側も企業側も、立場を問わず一人一人が達成に向けた行動を取ることで、よりよい社会の実現につながっていきます。
ビジネスにおいて、SDGsは非常に魅力的な市場です。大企業・中小企業を問わず、誰でも大きな成功をつかむ可能性があります。
今回はSDGsに積極的に取り組む企業事例を紹介しましたが、SDGsは少しの心掛けから始めることが可能です。
企業が新しく取り組む際は、まず日常的な業務や職場環境を見つめ直し、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
Copyright © 販促の大学で広告・マーケティング・経営を学ぶ All rights reserved.
powered by 地域新聞社