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ポジショニングとは、店のサービスがお客様に「どういう時に使えるものと思われているか」ということ。
それが売れる内容なのかどうかを確認することが、周辺の店舗やサービスとの競争で優位に立つために重要な要素です。
毎月とは言いませんが、年に2~4回は、自社のポジショニング戦略を行い、サービスの改善につなげてみてはいかがでしょうか。
【目次】
1.なぜポジションニングを確認する必要があるのか
2.ポジショニングとは「●●で□□といえば、あそこだよね」と思われること
3.多くの視点でポジションを確認しよう
4.まとめ
店のサービスがお客様にとって「どういう時に使えるものと思われているか」が、
ポジションニングの考えの基本です。
図①
上記図①を見ると、A店は「駅から近く、安くて気軽に飲めるお店」という認識を得ていることが分かります。
しかし、なぜわざわざポジショニングを確認する必要があるのでしょうか。
それは、「不要な競争を減らす」ためです。
商売をしていれば、必ずといっていいほど競争相手がいます。その際に相手の強みを把握せずに立ち向かえば、相手の方が強い土俵で戦うことが多くなるでしょう。
例えば図①を見ると、A店とB店は「駅から近く、安くて気軽に飲める」という点で、かなり近いポジションを争っています。
もちろんB店が勝てる場合もあると思いますが、A店はすでにその強みを生かして商売をしているので、戦うだけで時間と労力を大きく消費してしまいます。
できれば不要な競争は避けた方が、他の部分でのサービスの質向上にたくさんの時間と労力を費やすことができるので、お客様に喜んでいただく機会は増えます。
その点、C店はA店との争いを避けて「駅からは遠いけど、気軽に飲めるお店」を目指しているので、争いの少ないポジションで一人勝ちできる可能性が高いでしょう。
図①-2
やりたい!と考えていることをすでに行っているお店が近くにあれば、そこと争うことになります。しかし、すでにそのサービスで地域の生活者が喜んでいるのであれば、そこはそのお店に任せましょう。
その他に生活者が困っていることを見つけて、それを叶えてあげる方が、お店の周辺の人達に与えられる幸せは多くなるでしょう。
「戦わずして勝つ」は、商売にも必要な要素です。
不要な争いに力を注ぐのではなく、ポジショニングを確認しながら有益な共存を模索してみてみましょう。
図①で言えば「駅に一番近くて、気軽に飲めるのはA店だよね」ということになります。
E店は「駅から少し離れている、高めのお店」。
どこが一番いいかは、商圏範囲内の住民属性や需要によって変わってきます。
もちろん一番需要が多くて売れるポジションを確立することが成功の近道。
しかし、一番売れるところは、すでに他のお店に取られている場合が多いでしょう。
そこで、ポジショニングマップを作り、空いているポジションを探すことが重要です。
図①でいえば、「駅の近くで高級なお店」が空いてます。ターゲットが多そうであれば、お店のコンセプトを空いているポジションを基に変えてみてもいいでしょう。
図①-3
また、「3時のおやつは文明堂」、「朝専用コーヒー」のように、「●●といえばあれ!」と生活者の頭に刷り込むために、狙っているポジションに合わせたキャッチコピーを考えることが大切です。
ポジショニングを考える時、なにを基準に考えればいいか、悩むことが多いと思います。
ポジショニングの条件を考える時に重要なことは「たくさんの視点から確認すること」です。
図①の事例では「駅から近い」と「安くて気軽」の2条件でしたが、これ以外に「女性が喜ぶ」や「60歳代が喜ぶ」など、他の視点からもポジションのかぶりがないかを確認することが大切です。
繰り返しになりますが、ポジションニングを確認する理由は「不要な競争を減らすこと」です。
争わなくても成功するポジションを見つけて、お店のサービス改善に注力するためにも、見落としが無いようにたくさんの視点から確認するようにしましょう。
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