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コロナによる影響で大きな影響を受けた飲食業界で特に注目されていたのが、デリバリー・テイクアウトです。これをきっかけに、デリバリー・テイクアウトが注目され、現在でも人気があります。
しかし、コロナが収束した昨今でも、デリバリーやテイクアウトの需要は続いているのでしょうか?
今回は、調査レポートをもとに、現在のデリバリー・テイクアウトのトレンドについて解説します。
【目次】
2024年1月~12月のデリバリーの市場規模は7697億円でした。2023年と比べると、7.6%の減少です。
しかし、コロナ前と比べると現在でも成長していることがわかります。
下記は、2016年から2024年までのデリバリー市場規模の推移です。
年度 | デリバリー市場規模 |
2016年 | 3,770億円 |
2017年 | 3,857億円 |
2018年 | 4,084億円 |
2019年 | 4,183億円 |
2020年※日本国内で感染者が確認 | 6,271億円 |
2021年 | 7,878億円 |
2022年 | 7,740億円 |
2023年※5月8日に「5類感染症」へ移行 | 8,622億円 |
2024年 | 7,967億円 |
上記のように、2020年のコロナをきっかけにデリバリー市場は大きく成長しています。その後、現在に至るまで、若干の変動はあるものの、コロナ前と比べると市場規模は依然として高い水準を維持しています。
コロナ収束後も、デリバリーやテイクアウトの需要は続いています。その理由としては、下記の4つが考えられます。
● リモートワークの増加による食事環境の変化
● デリバリー・テイクアウトへの認知度の拡大
● デリバリー・テイクアウトのサービスの拡大
● デリバリー・テイクアウト業界の利便性の向上
具体的に、どのように需要が変化しているのか、以下で解説します。
◆リモートワークの増加による食事環境の変化
コロナをきっかけに、リモートワークによる働き方が増え、現在でもこの働き方は定着しています。
下記の調査データを参考にすると、2024年においても、リモートワークを続けている企業は多い傾向です。
年度/アンケート実施回数 | リモートワーク実施率 |
2020年/第1回 | 13.2% |
2020年/第2回 | 27.9% |
2020年/第3回 | 25.7% |
2020年/第4回 | 24.7% |
2021年/第5回 | 27.5% |
2022年/第6回 | 28.5% |
2022年/第7回 | 25.6% |
2023年/第8回 | 22.2% |
2024年/第9回 | 22.6% |
引用元:パーソル総合研究所
2022年と2024年を比較しても、その差はわずかです。
このリモートワークの増加と定着により、以前は会社の同僚と一緒にランチに行くことが当たり前だった食生活が、自宅で仕事をしながら手軽に注文できるデリバリーやテイクアウトへとシフトしているのです。
在宅勤務が一般的になったことで、デリバリーやテイクアウトは私たちの新しい食事スタイルとして根付いています。
◆デリバリー・テイクアウトへの認知度の拡大
コロナをきっかけに、デリバリー・テイクアウトの利便性が広く認知されたことも、需要が続く理由として挙げられます。
コロナ前の世の中におけるデリバリーやテイクアウトは「特別」「贅沢」というイメージが強くありました。そのため、現在のように頻繁に利用する人は少ない傾向でした。
しかし、コロナをきっかけにデリバリーやテイクアウトの利便性が認知され、「気軽なもの」というイメージへと変化していったのです。この「気軽さ」「利便性」が多く広まったために、今もなおデリバリー・テイクアウトを利用している人が多いのです。
◆デリバリー・テイクアウトのサービスの拡大
コロナをきっかけに、飲食業界の多くはデリバリーやテイクアウトにシフトしていきました。その結果、コロナ前と比べて利用者の選択肢が増えたために、需要が続いています。
コロナ以前は、デリバリーに対応していなかったレストランなども多くありましたが、現在ではほとんどの店舗がデリバリーに対応しています。
現在では、コロナ以前には考えられなかったUber Eatsによるカフェのドリンク1杯のデリバリーや、出前館のコンビニ商品デリバリーサービスも利用できます。
このようなデリバリーサービスの拡大が利便性を向上させ、その結果、現在の需要に繋がっているのです。
◆デリバリー・テイクアウト業界の利便性の向上
デリバリー・テイクアウトを利用するうえで、利便性が向上していることも需要が続いている理由として挙げられます。わかりやすい例として挙げられるのが「配達員のGPS」「置き配」などです。
これらの利便性向上の取り組みにより、これまでと比べて便利にデリバリー商品を受け取れるようになりました。従来よりも便利かつ安心してサービスを利用できるようになったために、需要が続いているのです。
今後のデリバリー・テイクアウト業界では、デジタル技術の導入がネックとなりそうです。実際に現在でも、デジタル技術を導入しているケースが見られます。
以下で「テイクアウト」「デリバリー」「キッチンカー」などに活用されているデジタル技術について解説します。
◆テイクアウトの業務効率化・利便性向上
テイクアウトサービスでは、デジタル技術を活用して飲食店の業務効率化と消費者の利便性向上を実現しています。
代表例として、『Blue Star Burger』では、スマートフォンアプリを使った完全非対面のサービスを導入しています。消費者がアプリで注文・決済をおこない、商品完成時に通知を受け取り、指定の棚から受け取るシステムです。この仕組みにより、店舗側は人件費を抑えながら調理に専念でき、消費者は事前注文と待ち時間の有効活用が可能となっています。
◆デリバリーの配送業務効率化
デリバリー業界では、デジタル技術を活用して配達業務の効率化を実現しています。
従来の出前では、店舗が配達員の確保や配車管理などをすべて自前で行う必要がありました。しかし、デリバリープラットフォームを利用すれば、店舗は商品を配達員に渡すだけで配達サービスを提供できるのです。
また消費者側も、プラットフォームを通じて多様な店舗のメニューを検索でき、配達状況をリアルタイムで確認できるというメリットがあります。
◆キッチンカーのプラットフォーム活用
テイクアウトの一つの形として、キッチンカーのデジタル技術活用にも触れておきます。
キッチンカーでは、デジタル技術を活用して出店場所の確保を効率化しています。従来の移動販売では、店舗が個別に場所を探して交渉する必要がありましたが、出店スペースのマッチングサービスにより、この手間が大幅に削減されました。
たとえば『SHOP STOP』というプラットフォームでは、全国500箇所以上の出店場所を検索でき、料金体系も歩合制で統一されているため、キッチンカーの運営がしやすくなっています。
また消費者も、ウェブサイトで近隣の出店情報を一括確認できるため、好みの店舗やメニューを簡単に見つけられるようになりました。
今後の飲食業界では、フードロス問題についても考えておく必要がありそうです。ある調査では、利用者の多くがフードロスに対して意識が高まっているという傾向がみられました。
以下で、実際に調査結果を紹介しながら解説していきます。
◆フードロスに対する意識
『株式会社Kuradashi』の調査によると、多くの方が飲食店で食べ残しをしないように気を付けていることが明らかになりました。実際の調査結果として「飲食店で食べ残しをしないために気を付けていることはありますか?当てはまるものを1つお選びください」の回答結果を以下にまとめます。
食べきれる量だけ注文する | 74.4% |
残さないように食べ切る | 20.9% |
特に気を付けていない | 2.5% |
持ち帰り用ドギーバック | 2.2% |
引用元:株式会社クラダシ
さらに、「飲食店での食べ残しを減らすために、お店に持ち帰り用のBOXが用意されていたらあなたは使いたいと思いますか?」という質問については、「無料であれば使いたい」との回答が52.0%、「有料でも使いたい」との回答が28.8%です。
これらのフードロスに対する意識から予想できるのが、デリバリーやテイクアウトの需要の増加です。なぜなら、デリバリーやテイクアウトであれば、食べ残しをしても残しておきやすいからです。
今以上にフードロスへの意識が高まっていくことで、さらにデリバリーやテイクアウトの市場は増加していくでしょう。
飲食店やお弁当メーカーは、環境にやさしい容器や包装材への切り替えを進めています。これは、世界的に環境保護への関心が高まり、企業も環境への取り組みを積極的におこなう必要が出てきたためです。
たとえば、リサイクル素材を使った容器や植物由来の材料を使用した容器、プラスチックの代わりに紙で作られた容器など、環境に配慮した新しい製品が次々と生まれています。
また、一部のメーカーでは使用済みの容器を店頭で回収し、再利用する取り組みも始めています。
デリバリー・テイクアウト業界においては、これらの取り組みも推進していくべきでしょう。
デリバリー・テイクアウト業界は、コロナ禍をきっかけに大きく成長し、2024年も市場規模は7967億円と高水準を維持しています。この背景には、リモートワークの定着による食事環境の変化、サービスの利便性向上、選択肢の拡大があります。
今後の注目点は、スマートフォンアプリを活用した業務効率化や、環境配慮型の容器開発、フードロス削減への取り組みです。
デジタル技術の活用と環境への配慮が、業界の持続的な発展のポイントとなるでしょう。
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