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昨今の学習塾は、経営が難しい現状にあります。なぜなら、少子化によって塾に通う生徒の募集が少なくなっているからです。
しかし、そのような状況でも成功している塾やスクールは多くあり、生き残れる要因としては、利益率の高さや利益を上げるための仕組みができていることが挙げられます。
そこで本記事では、学習塾やスクールなど、教育業界における理想の利益率や利益を上げるためのポイントについて解説します。
塾やスクール運営の存続に危機感を覚える方は、ぜひ参考にしてください。
【目次】
まずは、利益率について改めて理解しておきましょう。
利益率は企業の収益性を示すための指標です。一般的には、売上高に対する利益の割合を表します。
たとえば、ある会社の売上が100万円で、そのうち20万円が利益だった場合、利益率は20%です。しかし、利益にはさまざまな種類があり、それに応じて利益率も複数の種類が存在します。なかでも、企業の経営成績を示す主な利益には、「売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益」があります。
これらの利益が売上高に占める割合を、それぞれ対応する利益率と呼びます。
学習塾・スクール業界の理想の利益率を知るために、教育業界大手の利益率を参考にしてみましょう。業界動向サーチの『教育業界 利益率ランキング』では、以下の結果となりました。(上位20位)
企業名 | 利益率 |
ステップ | 18.4% |
すららネット | 16.7% |
幼児活動研究会 | 14.5% |
学究社 | 14.0% |
ビジネス・ブレークスルー | 10.0% |
ナガセ | 7.6% |
JPホールディングス | 7.3% |
昴 | 6.0% |
東京個別指導学院 | 5.5% |
スプリックス | 5.5% |
明光ネットワークジャパン | 4.9% |
早稲田アカデミー | 4.9% |
リソー教育 | 4.5% |
クリップコーポレーション | 3.4% |
レアジョブ | 3.3% |
成学社 | 3.3% |
ウィザス | 2.9% |
ジェイエスエス | 2.9% |
ベネッセHD 2.7% | 2.7% |
学研HD | 2.2% |
(引用元:教育業界 利益率ランキング(2022-2023年)-業界動向サーチ)
上記のランキングから頭の抜けている上位5位を外し、平均値を計算してみると、4.46%になります。このことから、教育業界の理想的な利益率は4%前後といえるでしょう。
上記で、教育業界の理想的な利益率は4%前後だとわかりました。しかし、実際に約4%の利益率を出せている学習塾やスクールは少ないです。むしろ、昨今の教育業界は厳しい位置にあります。
以下で、教育業界の利益率が低くなる原因について解説します
◆小規模学習塾は集客が難しくコストもかかる
小規模学習塾は、準備に多くの労力とコストがかかり、初期段階から経営が難しくなります。さらに、大規模な宣伝もできないために、大きな集客も見込めません。
フランチャイズの塾といった選択肢もありますが、ロイヤリティ支払いが必要で、利益が出ないと倒産のリスクがあります。
◆高い利益率を出せているのは個別指導or大手
大手や個別指導以外で高い利益率を出すのはとても難しいです。
大きな理由として、生徒の集客力が異なります。
大手塾は知名度や実績があるため、高い利益率を達成しているケースもあります。
また、個別指導は単価が高く人気があるため、比較的利益を出しやすい傾向です。
一方で、小規模や集団指導の場合は、単価が安く集客力も弱い傾向にあるために、利益率が低くなりやすいのです。
◆学習塾・スクールの増加による影響
学習塾やスクールの増加も、利益率を下げる一因といえます。塾やスクールが多くなればなるほど、生徒の奪い合いが起きてしまうからです。
とくに昨今は塾やスクールの個性化が進んでいます。そのため、人気の塾とそうでない塾で大きな差が生まれてしまいます。
その結果、人気が出にくい塾の利益率は下がってしまうのです。
ここまで、学習塾やスクールなど、教育業界の利益率の低い課題について解説してきました。
しかし、決して市場規模が縮小しているわけではありません。むしろ、規模は拡大しているのです。
つまり、新規参入の塾やスクールにおいてもチャンスの時期といえます。
以下で、市場規模が拡大している要因について解説します。
◆教育費の増加
教育業界の市場規模が拡大している理由の一つに、教育費の増加があります。
日本公庫総研レポート『教育産業で活躍する中小企業の経営戦略|2023年6月』の試算によると、一人あたりの教育費は、2018年が13.8万円だったのに対して、2022年には15.3万円にまで増えていることがわかりました。
さらに、参議院が、総務省の「家計調査」「人口推計」「住民基本台帳」のデータから子ども1人当たりの教育費を計算したところ、子どもの数は1970年から2017年にかけて約36%減少したのに対し、1人あたりの教育費は16倍になっていると明かしています。
背景としては、以下の2つが挙げられます。
・子どもの将来に対する不安を解消したい保護者が増えている
・祖父母がサポートするケースが増えている
これらの状況から、教育業界の需要が高くなっていると考えられます。
◆教育への関心の高まり
世の中の教育や学習への関心の高まりも、市場規模拡大の要因といえます。
昨今のスクールは、多様化しており、子ども向け以外の市場も拡大している傾向にあるのです。
たとえば、リカレント教育やリスキリングなど、大人になってから資格を取得したりスキルを身につけたりする人が増えています。
そのため、少子化の影響を受けずに、教育業界の市場規模が拡大しているのです。
学習塾・スクール業界の利益をあげるには、以下3つのポイントを意識して改善しましょう。
・コスト改善
・集客方法の改善
・効率化
上記3つのポイントをおさえれば、利益は上がります。以下で具体的に解説しますので、参考にしてください。
◆コスト改善
利益をあげるためには、収益の増加とコストの削減のバランスを見直しましょう。
利益率を向上させるには、多角的なアプローチをしていく必要があります。
しかし、単純なコスト削減は質の低下を招く可能性があるため、慎重に進めてください。具体的には、以下の改善が効果的です。
・ニーズに合わせた価格設定
・人件費の見直し
・家賃や広告費などのバランスの見直し
経営状況を見ながらコストを見直し、利益を安定的に残せるようにしましょう。
◆集客方法の改善
学習塾やスクール経営において、集客活動は最重要事項と言っても過言ではありません。
しかし、昨今は質が高いというだけで集客できる時代ではありません。そのため、集客方法を検討する必要があります。
例えば、外部へのPR活動として、地域へのチラシ配布を行うのも効果的です。
学習塾やスクールに通う生徒さんのほとんどは近隣エリアにお住まいの方なので、ポスティングで知名度をあげることができます。
【学習塾、英会話、スポーツジム等のスクール業界】チラシ折込、ポスティングを成功させる3つのポイント~ちいき新聞活用の場合~
また、口コミにも注力してください。口コミは、最も効果的な集客方法です。
そのため、生徒の成績向上と保護者の満足度向上に取り組みましょう。
保護者とのコミュニケーションを強化し、信頼関係を築いていくことが効果的な集客への第一歩となります。
スクール(学習塾・習い事)の効果的な集客のポイントと閑散期対策をご紹介
◆効率化
経営を効率化させることで、リソース確保が容易になります。
とくに開業初期の塾は常にリソース不足に悩まされがちです。この状況を改善し、限られたリソースを最大限に活用することが、塾の利益をあげるために必要になります。
効率化の具体的な方法としては、以下2つの方法があります。
・塾専用システム
・RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
これらのツールを使用することで、教室運営に関する煩雑な日常業務を簡素化・自動化できます。
小規模な塾やスクールでは、ツールの導入を後回しにしがちですが、積極的に活用することで競争優位性を獲得できます。
【学習塾、英会話、スポーツジム等のスクール業界】デジタル・IT化に関するリアルな声 アンケート集計結果
塾やスクールの収入源は月謝です。そのため、利益率をあげるためには適切な月謝設定を行う必要があります。
しかし、高すぎれば生徒が集まらず、安すぎると経営が上手くいかなくなってしまうために、設定に悩まれる方もいるでしょう。そこで、月謝設定のコツについて解説します。
月謝設定の基本は、人件費率から算出します。
例えば、講師の時給が1,200円の場合、1時間あたりの売上目標は4,000円(1,200円÷0.3)となります。
この金額を基に、生徒数や授業回数を考慮して月謝を決定します。
例えば、1クラス4名で週2回の授業なら、単純計算で月謝は8,000円((4,000円÷4人)×8回)となります。
ただし、クラスの充足率を80~90%と見込んで調整していきましょう。
また、集団指導クラスの併設など、柔軟な運営方法も考慮すると良いです。
塾やスクールにおいて、集客は経営の要です。
どれだけカリキュラムが充実していても、集客ができなければ経営は成り立ちません。
ですから、集客のコツも理解しておくべきです。
とくに重要なポイントとしては以下の4つがあります。
ポイント | 具体的な施策 |
授業品質の向上 | ・生徒の心を掴む教育 ・わかりやすく通いやすい環境 |
塾環境の整備 | ・教室のデザインを工夫 ・授業を受けやすいレイアウト |
Webマーケティング | ・SNSの活用 ・ブログ・YouTubeによる情報発信 |
口コミ管理 | ・生徒や保護者による口コミを集める ・悪い口コミへの対策 |
それぞれを一つずつ徹底していけば、集客効果が高まります。
塾やスクールで利益率をあげるのは困難です。
とくに、教育業界の競争が激しくなっている昨今では、従来の方法では生き残れません。
そのため、今回の記事を参考にしながら、利益率の改善を図っていきましょう。
今回紹介した一つひとつの積み重ねが、安定した経営につながっていきます。
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