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ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。
今回はリフォーム業界の現状と今後の見通しについて、「販促の大学」を運営している地域新聞社に2021年4月に入社した新卒社員とマーケティング部が調査しました。おすすめの販促方法もご紹介しますので、リフォーム業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。
【目次】
1.リフォーム業界とは
2.市場規模
3.市場動向
4.住宅・リフォーム業界のシェア
5.繁忙期と閑散期
6.販促方法
7.顧客別販促方法
8.不足している情報
9.新型コロナウイルスによる業界の変化と今後について
10.まとめ
11.関連資料
リフォーム業界とは「住宅の改築や改修工事を行う業界」のことをいいます。つまり既にある住宅に手を加えて工事するという業界です。
リフォーム業界は住宅を「直す」または「変更する」ことに特化しています。建築後の不動産に手を加えるという点でいうと、不動産業界よりも建設業界に近い位置付けといえます。
リフォーム業界の市場規模は2020年では6兆5,333億円(前年比0.03%減)となっています。新型コロナウイルスの流行によって多くの業界が縮小を余儀なくされている中で、リフォーム業界の市場規模は前年と比べてほぼ横ばいになっています。
(引用:株式会社矢野経済研究所 住宅リフォーム市場に関する調査を実施 ~ 2021年第1四半期 ~)
理由として、コロナ禍でレジャーや旅行の支出が減ったこと、それによって「おうち時間」が増えたため住空間への支出が増えたということが考えられます。
2021年の市場規模は約6.4兆~6.7兆円で推移すると予測されています。社会環境の変化により、新しい生活様式としてリモートワークなどによる在宅時間が増えることから住宅投資の増が見込まれています。
一方で、ワクチン接種の普及などで新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せれば、レジャーや旅行の支出が増え、リフォーム市場は低迷するという予測もあります。
(参考:株式会社矢野経済研究所 住宅リフォーム市場に関する調査を実施 ~ 2021年第1四半期 ~)
企業名 | 売上高 (単位:億円) |
大和ハウス工業 | 41267 |
積水ハウス | 24516 |
旭化成 | 21060 |
住友林業 | 11289 |
積水化学工業 | 10565 |
長谷工コーポレーション | 8094 |
スターツコーポレーション | 1989 |
ヒノキヤグループ | 1163 |
朝日放送グループホールディングス | 783 |
大末建設 | 564 |
住宅・リフォーム業界の売上高ランキングを見てみると、大手ハウスメーカーが上位を占めていることが分かります。
大手ハウスメーカーは、住宅を販売した数年後、住居が劣化したタイミングでリフォームを提案して、サービスを提供しています。つまり、住宅を販売するタイミングで将来のリフォーム見込みのお客様と出会うことができ、リピーターを増やすことに成功しているのです。住宅販売企業がリフォームを請け負うことで、企業側は安定した収益が見込めます。
また近年、リフォーム業界では異業種からの参入が増えています。例えばヤマダ電機やエディオンなどの家電量販店、Amazonや楽天、Yahoo!などの大手ECサイトの参画、またアパレル業界と不動産会社がタッグを組んでそれぞれの武器を活かしながらリフォームを手掛ける、などです。これにより、リフォーム業界における競争は年々厳しさを増しています。
取り扱っている商品によって異なりますが、基本的に繁忙期は11月~3月末です。年内・年度内に完成させたい、きれいな状態にして新年・新年度を迎えたい、という心理が働くため、年末や年度末に依頼が集中するためです。もちろん、地域の属性によるものや、台風などの自然災害によって急激に忙しくなることもあります。
閑散期は4月~9月頃です。梅雨の時期や暑い真夏、台風などで天候が不安定な時期の工事は予定通り進まないことが多いためです。
ただ、消費者の立場から考えると「繁忙期」ではなく「閑散期」にリフォームをするべきといえます。繁忙期には打ち合わせの時間があまりとれなかったり、良い職人さんに出会えなかったりと、消費者にとって不利な点が多くなることが考えられるからです。
リフォーム業界の販促方法として、以前は折込チラシやDM、看板などが主流でした。しかし、現在ではWEBで集客を行うことがメインになりつつあり、スマートフォンの普及により、手軽に調べられるようになったからです。WEBといっても、自社のホームページやリスティング広告など、その種類はいろいろです。
その他に、企業のショールームやカタログ、知人からの紹介など、消費者が情報収集するための方法は数多く存在しています。最近では消費者とリフォーム業界をつなげるホームプロやミツモア、ちいき新聞のお手伝いシリーズなどといったマッチングサービスの需要も高まっています。
さまざまな販促方法がある中で
「必要としているお客様に必要な情報を届ける」
ということが重要になってきます。つまりターゲットの目に届くようにするということです。それには現状のお客様の傾向からターゲットになりうる属性の軸を定め、ターゲットに合わせた販促を考えることが重要です。例えば
・子どもが独立し、長年住んでいた住居のリノベーションを考えている世代
・老後にむけて、住居バリアフリー化を考えている年代
・住居の老朽化が進み、大ごとになる前にリフォームを考えているが、なかなか踏み出せないでいる消費者
このように、ターゲットを定めたらそこに届きやすい販促方法を考えることが大変重要です。どのような販促方法が適しているのか、次の項で説明します。
外壁塗装やトイレ、キッチンなど、リフォーム業界で扱っている商品は多岐にわたります。また、お客様によってニーズもそれぞれ異なります。今すぐ必要としている人、考えてはいるけどまだ何もしていない人など、緊急度も異なります。
マーケティングの世界では「潜在層」「顕在層」といった考え方があります。お客様がどこに属するかで、アプローチの仕方は変わっていきます。
(引用:中小企業担当者が知っておくべきデジタルマーケティングの基礎)
上の図は、購入に近づくに従って人数が少なくなっていくことを逆三角形で表しています。以下、リフォーム業界での顕在層、準顕在層、潜在層のお客様におすすめの販促手段を紹介します。
◆顕在層 「商品を知っており、ニーズもある層。競合他社の商品を含め検討段階にいる、購入に最も近い顧客」
この層にはホームページによる販促が有効です。ホームページは一度にたくさんの情報を届けられる他、より具体的なサービスをアピールできます。また、お客様のペースで見ていただけます。ホームページ中で工事の事例が紹介されていれば説得力も増し、なお良いと思います。
◆準顕在層 「ニーズはあるものの自社製品が検討に入っていない顧客」
この層におすすめの販促手段はチラシや記事広告です。家屋の劣化が気になってはいるが、リフォームの知識がなく、どのような会社があるかも分からないというお客様にとって、紙媒体は検討のきっかけづくりとなるからです。また記事広告で「リフォーム業者の選び方」など、お客様の気になるであろう情報をお客様目線で書くことで、ためらっている人の背中を押してあげることができます。
◆潜在層 「商品のことを知らず、ニーズがあるかも不明な層」
顕在層、準顕在層のお客様は比較的短時間で受注につながる可能性があります。しかし、潜在層へのアプローチも忘れてはなりません。潜在層は顕在層に比べて圧倒的に人数が多く、全体のパイが大きい分、競争があっても一定の成果が期待できるからです。潜在層をいかに顕在層に変えていくかが重要です。
おすすめの販促手段は、看板を立てたり、地域情報紙などに定期的に広告を出したりすることです。これらの「刷り込み効果」によって会社の名前がお客様の記憶に刻まれ、必要になったときに思い出してもらえる可能性が高くなります。
リフォームを検討する上で、消費者が不足していると感じている情報は以下の通りです。
(引用:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会 「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査 第11回調査報告書 平成31年2月」)
・リフォームにかかる費用の目安や積算基準
・ 工事の依頼先選びの目安や基準
・自分のイメージに近い具体的なリフォーム事例
戸建て・マンションともに、これらの情報が不足していると感じている人が多いことが分かります。
また、マンションでは「自分のイメージに近い具体的なリフォーム事例の情報」が不足している、戸建てでは「老朽度を診断・検査する専門家に関する情報」が不足している、と感じている人がそれぞれ増加傾向となっています(グラフ内赤丸参照)。住まいの建て方によって求められている情報が違い、変化してきていることがうかがえます。
リフォームは頻繁に行うものではないため、消費者は依頼する企業を選ぶことに慎重になっていることが予想されます。必要な情報を簡潔に伝えることが重要です。
リフォーム業界にも新型コロナウイルスの影響はありました。ただ、さまざまな業界で市場規模が大きく減少した中、リフォーム業界では「新しい生活様式」で住居環境を整える需要が高まり、市場規模が大きく減少することはありませんでした。
2015年頃の国土交通省の住生活基本計画では、2020年には市場規模を7.2兆まで拡大することを目標としていました。しかし、新型コロナウイルスの流行で見直しがあり「新しい住生活基本計画」が発表されました。現在の市場規模は6.5兆円ですから、リフォーム業界も影響は受けています。
また、世の中は「非接触型」が主流となり、さまざまな場面でリモート化が進みましたが、工事をリモートで行うことはなかなか厳しい状況といえます。現場で感染者がでてしまうと、お客様にも迷惑をかけることになってしまいますから、できる限り感染リスクを抑える必要があります。リフォーム業界もウェブを使った打ち合わせや、またリモートで現場見学会を行うなど、業務のリモート化を進めていくことも、今後必要になってくるのではないでしょうか。
リモートで打ち合わせを行うことは中小企業にもメリットがあると考えられます。なぜなら、時間と費用を考えたとき、オンラインの方が効率よく集客できるからです。もちろん対面での商談は信頼を獲得しやすく、継続すれば成果が上がる可能性は高まります。しかし、オンライン集客や打ち合わせのリモート化によって移動時間が短縮できれば、打ち合わせに時間をかけられるようになります。
コロナ禍によって営業方法は刻々と変化しているのです。
(参考:DAKAKIT北山「リフォーム業界のオンライン集客と非対面営業の可能性と展望|住宅リフォーム経営コンシェルジュ」(2020/9/24))
リフォーム業界2021年調査版はいかがでしたでしょうか。
業界のトレンド・消費者の行動を知ることで、商売繁盛につながるきっかけになればと思います。
その他の業界についてもご紹介していますので、参考にしてみてください。
・株式会社矢野経済研究所 住宅リフォーム市場に関する調査を実施 ~ 2021年第1四半期 ~
・Suik 住宅・リフォーム業界のランキングと概況
・「進む異業種からのリフォーム・リノベ参入」TATERU
・「リフォームをする際には「繁忙期」に気をつけよう! 繁忙期の注意点は?」池田建築株式会社
・中小企業担当者が知っておくべきデジタルマーケティングの基礎
・「潜在層と顕在層の違いとは?潜在層に効果的なWEB広告とその手法を解説(2021/4/21)」
・一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会 「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査 第11回調査報告書 平成31年2月」
・DAKAKIT北山「リフォーム業界のオンライン集客と非対面営業の可能性と展望|住宅リフォーム経営コンシェルジュ」(2020/9/24)
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