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店舗周辺の歩行者を集客する際に、とても大きな威力を発揮する「チンドン屋」という手法をご存知でしょうか?
太鼓などの楽器を鳴らしながらお店のチラシを配り歩く、とても賑やかな販促方法。
江戸末期に始まったといわれていますが、ネットが普及した現代だからこそ、人による「リアル」な販促手法が人々の注目を集める可能性は高いといえます。
珍しさが人を呼ぶ、温かい販促手法をご紹介いたします。
【目次】
1.チンドン屋とは、どのような販促手法?
2.チンドン屋の歴史は?
3.今だからこそ熱いチンドン屋を使ってみませんか?
4.まとめ
チンドン屋とは、主に江戸時代風の着物や衣装を身にまとい、チンドン太鼓と呼ばれる楽器などを演奏しながらお店の宣伝をしてまわるという販促手法です。
楽器の演奏をし、「●●店のキャンペーンやっているよー」と声を掛けながらお店周辺を練り歩くことで、ご近所や通行人の注目を大きく集めることができます。
また、華美な衣装でチラシ配りをすることで、チラシを受け取ってもらえる確率が大幅に上がるというメリットもあります。
なにより、楽しげな様子が「なにをやってるのかな?」という興味を引き、お店やキャンペーンに、大きな注目を集められる点がチンドン屋の強みでしょう。
写真より動画の方がイメージをつかみやすいと思いますので、まずはこちらの動画をご覧ください!
チンドン屋の始まりは諸説ありますが、江戸後期に始まったといわれています。
その当時から商品やお店の集客、また寄席の客引きのために、演奏しながら街を宣伝して回っていたそうです。
明治時代に入ると、文明開化の象徴的な食べ物として明治天皇も献上されたの木村屋のアンパンをチンドン屋が広めるなど、商品宣伝やオープン告知に使われるようになりました。
その後明治末から大正にかけて、新聞・雑誌などの広告やネオンサインの登場により、一時的にチンドン屋は衰退しましたが、昭和の戦後復興の中でその人気がまた復活しました。
太平洋戦争後は大規模な広告展開が困難な状況となり、また、少人数・小規模のチンドン屋の営業形態と、陽気な音楽や派手な衣装が求められたという時代の空気にマッチしたからだといわれています。
1960年代半ばからはテレビの発展と共に「チンドン屋は古い」とされて、またしばらく衰退期を迎えることになりました。
しかし、当時子どもだった50代以上の人々にとっては、近所のお店のオープンキャンペーンをチンドン屋が陽気に宣伝している姿を見ているので、懐かしい思い出として残っていることが多いのです。
また、2000年代から、若い世代の人がチンドン屋業界にたくさん集まるという流れが起きはじめ、その賑やな雰囲気を求めて、広告用途だけでなく、結婚式、町おこしイベントなどにも使われるようになってきました。
現在でもチンドン屋が街を歩けば、ご年配の方に懐かしんでもらえるだけでなく、お子さんたちがその列に並んでお店までついていくというホッコリする現象が起きるので、温かみのある集客手法として、キャンペーンや周年祭などに使われています。
全盛期と比べてチンドン屋さんの数が減った分、珍しさから注目度は高まっています。
お店の周年祭、商品キャンペーン、イベント開催時など、賑やかな音楽と共にチラシを配ることで、大きな効果が期待できる時代になりました。
歴史で述べたように2017年現在50歳以上の人にとって、懐かしい想いでとして刻まれているチンドン屋。
子供のころに演奏しているチンドン屋の列の後ろについていきながら、一緒に「○○店のキャンペーンやってるよー!」という声を上げていたという想いでを語る人もいます。
その珍しさと賑やかさだけではなく、高齢者にとっては幼少期の思い出を引き出すことで、お店の注目度を高めます。
また、時代が変わっても小さなお子さんからの注目度はとても高いので、子供に興味を持ってもらうことで、家族全員をお店へ来店させるということができる点もチンドン屋の魅力でしょう。
お店周辺の住宅街を演奏しながら練り歩いてもらうと、玄関や窓から「なんだなんだ?」「懐かしいねぇ」という声と共に、多くの見学者が集まります。
玄関先で小さな子供が親の代わりにチラシを受け取ってくれることもあり、ホッコリした笑顔を生むことがあります。
人と人のつながりを求められる現在だからこそ、心温まる素敵な販促手法と言えるでしょう。
特に、ご近所からの店舗集客が必要なときにとても効果的な、チンドン屋。
いつもと違う販促手法で、笑顔を届けながら集客したいときに利用してみてはいかがでしょうか?
●おまけ
全日本チンドンコンクールというイベントが、毎年富山県で行われています。ご興味がある方はぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
全日本チンドン屋コンクールの詳細はこちら
http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/cin/top.html
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