ホームページをリニューアルしたいと考えている企業は少なくないでしょう。しかし、自社にWEB担当スタッフがいない場合、まず何をすればいいのかや、どこに依頼をすればいいのかが分からないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、ホームページをリニューアルする際に気を付けるべきことをまとめてみました。
【目次】
1.リニューアルの目的がぶれないようにすること
2.現状の課題を抽出しよう
3.リニューアルの目的に沿った制作会社を見つけること
4.まとめ
リニューアルの目的がぶれないようにすること
ホームページのリニューアルを考えるきっかけはいろいろあります。
ホームページをリニューアルしたいという方に理由を聞いてみると「スマホに対応していないから」「数年間同じデザインだったので一新したい」など、さまざまな意見が出ます。
しかし、一番重要なことは“なんのためにスマホに対応させるのか”“なんのためにデザインを一新するのか”です。
例えば、スマホ対応をしデザインも一新する場合の流れを考えてみます。
①新規のお客様を増やしたい
②ライバル店はスマホ対応のサイトを活用して、40代の主婦層を取り込んでいる
③自店のホームページはスマホに対応していない
④スマホに対応させデザインも一新しよう!
この場合、きっかけは①の“新規のお客様を増やしたい”という「販促目的」です。
当たり前のことを言うようですが、実はホームページをリニューアルする過程でこの部分がぶれてしまうことが非常に多いです。つまり、スマホ対応やデザイン変更が目的となってしまい、新規のお客様を増やすという当初の目的を忘れてしまうのです。
「販促目的」の視点でホームページのデザインを考えれば、「ターゲットは主婦なので、女性が心地よく感じる色味にしよう」「メインビジュアルは、ターゲットと同じ年代の女性の写真を使おう」など、より具体的にホームページの中身を考えていくことができます。
しかし、デザインを変えること自体が目的になってしまうと、「何となくこのデザインは好みじゃない」「社長が好きなデザインはこんな感じかな」など、戦略や具体性のない単なる担当者好みのホームページになり、お客様目線に欠けるものになってしまいます。
ホームページをリニューアルする際には、最初に目的をしっかりと定め、それを達成するためにはどうすればいいのかを常に考えるようにしましょう。
現状の課題を抽出しよう
リニューアルの目的が定まったら、次に現状の課題を抽出していきましょう。
もちろん、自社で課題を抽出することができないというときは、分析改善提案が得意な制作業者を見つけ、依頼してしまうのもいいでしょう。ですが、自社であらかじめ課題を予測しておくことも非常に大事です。よくあるケースをいくつかご紹介します。
◆新規集客が思うようにできていないホームページの場合
①お客様が必要としている情報が掲載されていない。
ホームページを見ても、商品やサービスの情報があまり掲載されておらず、「詳しい情報はお問い合わせください!」で済ませてしまっているパターンをよく見かけます。しかし、消費者はまさに商品やサービスの情報を得ようとホームページを訪れているのであり、問い合わせをするかどうかは、情報を十分に得た上で初めて決めるのです。
お客様目線に立ち、自分がお客様だったらどのような情報が欲しいか、どのような情報があったら興味を持つかを考え、現状のホームページにしっかりと掲載されているか見直してみましょう。
②アクセス数が足りていない
新規の集客が思うようにできていないホームページの場合、アクセス数が一番の課題になっていることが非常に多いです。Google AnalyticsやGoogle search consoleなどの分析ツールを利用すれば、現状のサイトにどれくらいのアクセス数があり、どんなワードで検索されているのかを把握することができます。これらの分析ツールを利用していない場合は、自社の検索順位などを調べて、WEB上の露出度を予測してみましょう。
例えば、柏市でマッサージ店を営んでいる場合、GoogleやYahoo!などで「柏市 マッサージ」と検索してみます。
「柏市 マッサージ」と調べる方は、近日中に柏市内のマッサージ店に行こうと思っている超見込み客です。そういう方に、自社のホームページを見てもらえるかどうかは、新規顧客を獲得できるかどうかに大きく関わってきます(任意の検索ワードで上位化を目指す施策をSEO対策(検索対策)といいます)。
自社のホームページが検索順位の上位にいればいるほど、その方が自社のホームページを訪れてくれる確率が高くなります。逆に、検索順位が11位以下の場合だと、自社のホームページを訪れてくれる確率は1%以下になります。
もちろん、いかに「〇〇(エリア名) 〇〇(ジャンル)」で上位化していても、調べる人が少ないニッチなワードだとあまり意味がありません。その場合、代わりにどういったワードで上位化させていくべきか、という戦略が必要になってきます。
③魅力的な写真がない
飲食店などのホームページの場合、魅力的な写真がない(少ない)のは致命的です。お客様の食欲をかき立てるような写真をより多く掲載するべきでしょう。
飲食店のホームページに限らず、写真は非常に重要な要素です。スマホからWEBサイトへのアクセスは、今やPCを超えているといわれてます。これまで以上にスマートフォンを意識した写真選択が必要です。
例えば、PCに比べるとどうしてもスマホの画面は小さくなります。以前は1枚の画像でいろいろな情報が得られる写真が良いとされてきましたが、そのような画像をスマホで見ると、小さくてごちゃごちゃとした見づらいものと感じてしまいます。魅力的に見せたいものを1点に絞り、インスタグラムなどでよく使われるスクエア型(正方形)の写真を使用すると、よりユーザーに好まれるスマホサイトにすることができます。
もちろんスマホを意識するといっても、撮影までスマホで行うことはなるべく避けましょう。いかにスマホのカメラ性能が向上したといっても、店内などの室内撮影や商品撮影となると、見劣りしてしまうことが多いです。
日常のブログ更新程度であれば、むしろ積極的にスマホを活用すべきですが、ホームページではカメラマンを使った宣材写真を使うようにしましょう。
◆採用がうまくいっていない企業のホームページの場合
近年は、Indeedやタウンワークなどの求人専門のWEBサービスを活用している企業がほとんどではないでしょうか。これらを利用すると、サービスサイトの中に企業のアピールページを作ることができたり、動画が掲載できたりと、さまざまなフォローを受けることができます。
しかし、求人専門のWEBサービスを使った求職者の実に86.9%が、実際の企業ホームページも訪問するというデータがあります(出典:総合求人情報サービスを行うディップ株式会社が発表したDip Reportによる)。つまり、求職者は求人サイトでは得られない企業の姿を知ろうと、ホームページにもやってきます。
ホームページが何年も更新されていない古臭いものであれば、その企業が成長していないという印象を与えてしまいます。また、ホームページにスタッフや社員の写真が少ないと安心感がなく、冷たい企業だと思われてしまいます。それに対して、キャリア設計の話や先輩社員の声・インタビューなどが豊富に掲載されている企業は、入社後に社員を大事にしてくれそうなう印象を与えます。
特に、正社員採用の場合などは、自分の生活や将来に大きく関わる選択になりますので、求職者もより慎重に企業をチェックします。採用がなかなかうまくいかないという企業は、自社のホームページに載っている情報を改めて見直してみましょう。
「一回来てもらえれば雰囲気がわかるよ!」という企業もありますが、今は求職者が数ある企業の中から働き先を選ぶ時代です。一回来てもらえる企業になるためにも、ホームページにはしっかりと情報を載せる必要があります。
リニューアルの目的に沿った制作会社を見つけること
リニューアルの目的を定め、課題を抽出したら、ホームページ制作会社を探しましょう。ホームページ制作会社と一口に言っても、それぞれに得意なこと不得意なことがあります。
例えば、
「最先端のデザインやアニメーションを作らせたらピカイチだけど、SEO対策(検索対策)や中小企業の地域戦略には弱い」
とか、
「どんなところよりも格安で作れるのがウリだけど、文章・写真はすべて依頼主が用意する必要があり、掲載できる情報にも限りがある」
などです。
もともと知名度が高い全国的なブランドであれば、「〇〇(エリア)×ジャンル(〇〇)」などで検索される必要はなく、最先端のデザインで話題になれればいいという場合もあります。また、新規の集客をする必要がなく、本当に“あればいい”程度のホームページでよければ、費用をかけず格安のホームページ制作会社に頼むべきです。どこの制作会社に頼むかは目的と課題で大きく変わります。
では、どうすればリニューアルの目的と課題にあった制作会社を見つけることができるのでしょうか。やはり、いろいろな制作会社の話を聞いた上で、信頼できそうだと感じたところに頼むのが一番ですが、WEBの知識がほとんどなく判断できない!という方は、提案に具体性がある制作会社をおススメします。
提案に具体性があるというのは、例えば以下のようなことです。
例①
× SEO対策もしますよ!
〇 検索のボリュームと地域性を考慮して「〇〇市 マッサージ」でSEO対策をしましょう!
例②
× 必要な内容はあらかた掲載できます!
〇 店内の雰囲気がすごくいいので、フォトギャラリーのページを作りましょう。若い人の中には電話をするのが苦手という人も多くいるので、お問い合わせフォームも設置しましょう。
目的や課題に対して、こういった施策をこんな狙いでやっていきましょう、という具体的な提案ができる制作会社は失敗が少ないと思います。逆に、専門的な言葉ばかりを並べて、結局何が狙いなのか分からないけど、なんだかすごそう…といった制作会社は避けたほうがいいです。
せっかく課題を抽出しても、それを解決してくれるところに依頼をしなければ元も子もありません。リニューアルの目的に沿った制作会社を見つけましょう。
まとめ
ホームページのリニューアルを行う際は、目的と課題を明確にし、それに沿った制作会社を探すことで失敗する確率を減らし、事業を後押ししてくれる強力なホームページにすることができます。
上手に活用すれば、24時間365日営業してくれるのがホームページです。本記事を参考にぜひリニューアルを成功させてください。