「AIDA」「AIDMA」とは?消費者心理の法則を広告に応用しよう!

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消費者の行動予測は販促に欠かせません。

行動予測とは、販売促進やマーケティングの場面において「購買決定プロセスごとに変化する消費者心理を理解し、各段階にフィットした施策をする」ために重要です。

 

とはいえ、時間に追われるマーケティング担当者が、顧客の心理状態や心理段階についてゼロからリサーチをする時間はありません。

そこで活用したいのが、消費者がどのような心理過程を経て商品・サービスを購入するかを説明したAIDA(アイーダ)の法則」や「AIDMA(アイドマ)の法則」といった、消費者行動モデルです。

 

どちらも1900年代前半からアメリカを中心にマーケティング業界で活用されてきた理論で、消費者行動モデルの古典的存在です。

これらのモデルにしたがえば、消費者が商品・サービスを認知してから購入に至るまでどのような心理的段階を経るのかが分かるため、より効果的な広告戦略につながります。

 

今回はAIDAの法則とAIDMAの法則の相違点を押さえつつ、両法則をどのように使えばマーケティングが成功するかについて、具体的な事例を基に考えてみましょう。

 

【目次】
1. AIDAの法則とは
2. AIDMAの法則とは
3. AIDMAとAIDAは「購買タイミング」で使い分ける
4. AIDAを使うタイミングと実践ポイント
5. AIDMAを使うタイミングと実践ポイント
6. マーケティング効果を高める分析方法
7. まとめ

 

AIDAの法則とは

アメリカのセント・エルモ・ルイスが提唱したAIDAの法則は、広告を見てから商品・サービスを買うまでの心理的な流れを説明する「消費行動の仮説」に関する最初のマーケティング理論です。

AIDAの法則では、消費者の心理は次の4つの段階で構成され、各段階でマーケティングの目標も変化していくべきだと考えます。

 

1.Attention(注意)

消費者が商品・サービスの存在を知らない段階です。

広告を見た消費者は「へえ、こんな新商品が発売されるんだ、知らなかったなあ」とぼんやりとした印象を抱くことはありますが、まだ商品に対する関心は薄い状態です。

 

(マーケティングの目標)

この段階では、できるだけ多くの消費者に商品・サービスの存在を知らせることに注力します。

したがってマーケティングでは、CM配信、プレスリリースの活用、商圏への定期的なチラシ配布などで、できるだけ多くの消費者に情報を伝達することがポイントになります。

 

 

2.Interest(興味、関心)

消費者はすでに商品・サービスを知っていて、「へぇ、ちょっといいかも」と関心を持ち始めた段階です。

 

(マーケティングの目標)

この段階の消費者は、商品・サービスが自分の好みやニーズに合致する可能性はあるものの、お金を払って購入すべきかどうかを決めかねている状態。

したがってマーケティングでは、商品・サービスが購入者に与えるメリットを詳しく説明し、購買意欲をさらにかきたてるような広告を展開することになります。

この段階では大規模な宣伝にコストをかけるのではなく、ターゲットとすべき顧客をある程度絞り込む必要があります。

 

 

3.Desire(欲求)

消費者は、商品やサービスが自分のニーズや好みに合致していることを認識しています。

広告を目にするたびに、「これ、ほしいなぁ」と考えている状態です。

 

(マーケティングの目標)

この段階の消費者は、「コスパ」の問題をクリアできるのならすぐにでも購入したいと考えている状態です。

したがってマーケティングでは、商品・サービスが購入者に与える価値をさらに詳細に説明するとともに、その価値が他社の商品では手に入れられないことや、自社商品のほうが他社商品よりも安く済むことなどを宣伝することになります。

 

 

4.Action(行動)
商品やサービスを購入したり、来店したりした段階です。

 

(マーケティングの目標)

この段階では広告の当初目標は達成しています。

したがってマーケティングでは、「来店しただけのユーザーに商品を購入してもらう」「はじめて商品を購入した新規顧客をリピーター化する」というように、顧客を育てるための次の販促活動が必要となります。

 

AIDMAの法則とは

アメリカのサミュエル・ローランド・ホールが提唱したAIDMAの法則も、AIDAの法則と同じく消費行動の仮説の一つです。

AIDMAの法則にしたがった場合、消費者の心理は次の5つの段階で構成されます。

 

1. Attention(注意)
2. Interest(興味、関心)
3. Desire(欲求)
4. Memory(記憶)
5. Action(行動)

 

ご覧のとおり、AIDMAの法則は、AIDAの法則に「Memory(記憶)」を加えただけです。

AIDAの法則にMemory(記憶)が加えられたのは社会情勢が関係しています。

AIDMAの法則が提唱された1920年代は、ネットはもちろん電話さえほとんど普及していなかったため、広告を目にした消費者がすぐに注文することは難しい時代でした。

そのため、広告の目標は「いかに消費者の脳裏に商品・サービスを強く印象づけるか」に主眼が置かれました。

 

言葉を駆使して購買意欲をかきたてる「キャッチコピー」の技術が発達したのもこの頃です。

テレビCMのような派手な宣伝ができないため、文章やキャッチコピーだけで消費者の心をつかむことが求められました。

 

(マーケティングの目標)

テレビやネットが普及した現代でも、消費者に商品・サービスを強く印象づける(記憶させる)ために広告を打ち続けることは当然有用です。

商品やサービスの記憶が強くなるほど、接触効果によって選ばれる可能性が上がるからです。

Memory(記憶)段階の消費者は、「そういえばこの前見た広告の商品、良かったな」というように、広告の内容をはっきりと覚えています。

そのため、商品をゼロから説明する広告は不要です。

 

とはいえ、いまだ購入にはいたっていない状態ですから、最後に背中を押すダメ押しの広告が必要となります。

「在庫僅少」を通知するチラシ、期間限定の割引特典を紹介するダイレクトメールなど、消費者の購買意欲を後押しする販促活動を行いましょう。

 

※テレビやネットなどのマスメディアが発達した現代には、それにふさわしい消費者行動の仮説があります。

2000年代に日本で生まれたマーケティング理論「AISAS」や「Dual AISAS」について知りたい方は、「知ってて当たり前?AISASとは?購買行動モデルを意識して売上を伸ばそう」も参照してください。

 

AIDMAとAIDAは「購買タイミング」で使い分ける

広告のキャッチコピーなどを考える時、まずは「いつ」消費者に買ってもらいたいのかを考える必要があります。

AIDA とAIDMAも、「買ってもらうタイミング」で使い分けましょう。

 

1.AIDA = 今、買ってもらう(来店してもらう)

2.AIDMA =必要な時に買ってもらう(来店してもらう)

 

買い物画像

 

AIDAを使うタイミングと実践ポイント

AIDAは、生鮮食品や大量仕入れした日用品、モデルチェンジ間近で在庫を早く処分してしまいたい、決算期直前の特売品など、商品を短期間で売り切る必要がある場合に威力を発揮します。
AIDAを使って「今、買ってもらう」ためには、広告で次の2つが実践できているかを意識しましょう。

 

 

1.消費者ベネフィット(商品を買うことによって得られる利益)が一瞬で伝わるか

消費者が「今すぐ買う」という積極的な行動に出るためには、強い動機が欠かせません。

動機の一つとなるのが、商品を買うことで非常に大きな利益が得られるということ。

広告では、消費者ベネフィットを具体的にわかりやすく、しかも一瞬で伝わるようにしましょう。

 

 

2.クロージングコピー(短期間のセール、大幅割引など)があるか

期間限定の特典(クロージングコピー)は消費者の行動を大きく左右します。

生鮮食品や日用品のように単価が安い場合は、大幅な割引ができないため、特典適用の期間を短くすることで消費者の関心を引きます。

単価が高い場合は、割引によって購買意欲を強く刺激できるので、原価率や競合商品価格と相談しながら、大胆な割引を設定すると効果が上がります。

AIDMAを使うタイミングと実践ポイント

冠婚葬祭、引っ越し、事故による入院・治療、住宅購入など、買うタイミングが予想できない商品・サービスの場合、AIDAを使って「今、買ってもらう」ための広告を打っても効果は上がりません。

AIDMAを使って「必要な時に買ってもらう」ためには、次の2つが実践できているかを意識しましょう。

 

 

1.思い出してもらえる印象的なコピーを使っているか

引っ越し件数は年度の初め前後に集中します。

進学や入社、年度末の辞令による転勤などで、3月下旬から4月上旬にかけて日本中で民族大移動が発生します。

とはいえ、引っ越し業者選びはそのずっと前から始まっています。

 

進学や入社が確定している場合は、前年の12月あたりから業者選びを始める人もいるでしょう。

引っ越し業者は競合他社の数も多いため、プラン内容も似たり寄ったりになりがちです。

そこで威力を発揮するのが「シンプルで記憶に残るコピー」です。

日本通運さんのCMで流れる「引っ越しは日通」というキャッチコピーなどはその典型です。

 

 

2.消費者が必要なときに詳しい情報を得られるオウンドメディアがあるか

自社商品の存在を消費者に記憶してもらったとしても、肝心なのは商品の中身です。

商品の中身で勝負するには、まず「商品情報へ容易にアクセスできる」ということが何よりも重要です。

商品情報が不足する商品は、たとえその存在がどんなに記憶に残っていても、ほとんど選ばれることはないからです。

 

引っ越しの見積もりを申し込んできた消費者のように、すでに見込顧客に昇格しているなら問題はありません。

しかし、そういった具体的なアクションを起こしていない潜在的な顧客の場合、企業から直接アプローチすることはできません。

そういった潜在顧客を見込顧客に育てるには、必要な時に詳しい商品情報をすぐに得られるようにオウンドメディア対策を踏まえた広告が必要です。

 

オウンドメディア対策としては、次のような例があります。

 

・チラシに公式サイトのURLを掲載する
・公式サイトはスマホでストレスなく閲覧できるようレスポンシブデザインにする。
・チラシ上のQRコードでスマホから公式サイトにアクセスできるようにする
・YouTubeの公式アカウントに引っ越しの具体的な内容や注意点を説明する動画をアップする
・ツイッターの公式アカウントに引っ越し業者選びのポイントを紹介して拡散する

 

このようにオウンドメディア周りを整備することで、消費者が必要な時に詳しい商品情報をすぐに得られるようになり、消費者が他社商品と比較検討する際のアドバンテージとなります。

マーケティング効果を高める分析方法

AIDAやAIDMAにはそれぞれ段階がありますが、その段階に応じた顧客の動向を分析してみましょう。

 

ここまで、AIDAやAIDMAの法則によると顧客が商品・サービスの購入(Action)に至るまでには、認知、興味、記憶、欲求といった段階を経ると説明してきました。

もちろん、突発的に購入するような法則崩れのケースもゼロではありませんが、基本的には上記のようなプロセスを辿るのが一般的です。

逆説的に見ると、商品・サービスが売れない、顧客が獲得できない場合は、これらの段階のうち、どこかに問題があるのだと考えられます。

 

ここでマーケティングを成功させるために大切なのは、段階ごとの顧客の動向を知ることです。

AIDAとAIDMAのうち、どの段階の顧客が多いのか、顧客が次の段階に移行する割合はどの程度なのかが分かれば、具体的な課題が見えてくるでしょう。

 

例えば、「広告を出しているが、注目度に欠け認知獲得に失敗している」、「興味は引きつけているが、欲しいと思わせる魅力を打ち出せていない」、「欲しい、知っているという状態だが、最後の押しができていない」など、さまざまな問題を突き止められる可能性があります。

 

もし認知に失敗しているなら先述したようなキャッチーなフレーズを検討すると良いでしょうし、購入の直前で迷っている顧客が多いなら、魅力的なクロージングコピーを盛り込んだ広告が効果的かもしれません。

 

このように、法則に沿って顧客の状態や動向を分析すれば、成約を妨げている要因や自社のマーケティングの弱点が分かります。

その結果、効果的な対策も可能になり、広告のパフォーマンスを高めることができるのです。

 

分析するためには、アンケート調査や顧客からの問い合わせ、WEBサイトのアクセス状況など、さまざまな方法が考えられます。

「広告効果が伸び悩んでいる」と感じた時は、ぜひ実施してみましょう。

まとめ

広告の内容を考える前に、その商品を購入するタイミングを見極めましょう。

 

「今、買ってもらいたい」ならAIDAの法則を活用します。

すぐに行動してもらえるように、「期間限定」「数量限定」「○○%OFF」などのクロージングコピーで、今すぐに動いた方がいい「理由」を伝えましょう。

「必要な時に買ってもらいたい」ならAIDMAの法則を活用します。

「この町でサービスAなら○○だよね。」と思ってもらえるように、シンプルで一貫したメッセージを繰り返し商圏内の生活者に届けましょう。

広告を見なくても御社の商品を検索してもらえる状態まで、自社商品を「記憶」してもらうのが理想です。

 

その上で、広告効果が出ないと感じた時には、AIDAやAIDAMAの段階に沿って顧客の動向を分析してみましょう。

段階ごとの課題が発見できるので、今後の広告効果を高められるはずです。

 

 
 

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川上辰夫
株式会社地域新聞社マーケティング部 「販促の大学」の企画責任者。 2011年に入社し、広告の営業として千葉県柏市内を担当。 2015年に発足した広告効果プロジェクトを通して、社内の広告力提案向上のための社員向け勉強会を企画。そのプロジェクトでの経験を生かし、「販促の大学」の立ち上げを行った。

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