みなさんは1日にどのくらいスマートフォンを使っていますか?メールもLINEもゲームも、そしてWeb検索もスマートフォンを使うことが増えていませんか?
ちなみに筆者の先週1週間のスマートフォン利用のレポート(iPhone:スクリーンタイムのレポートより)によれば、読書と調べもので15時間30分、SNSで4時間35分でした。
すでにみなさんも実感している通り、統計の上でもスマートフォンから情報を得る人が増えています。
スマートフォンの保有率は、既にパソコンを超えています。
これからはスマートフォンを中心にした集客・情報発信に、いかに早くシフトできるかが勝負です。
今回はスマートフォンを味方につけた集客力、情報発信力をアップさせる方法についてお伝えします。
【目次】
1.スマートフォンからの情報アクセスが増えている
2.増えてきたスマホアプリ ~ サードパーティーアプリと公式アプリ
3.店舗アプリの機能と効果 ~ プッシュ通知で既読率アップ!
4.店舗アプリを選ぶポイント
5.まとめ
1.スマートフォンからの情報アクセスが増えている
まず実際にどの程度スマートフォンが普及しているかを見てみましょう。
日本の世帯におけるスマホとパソコンの保有率の推移は次のようになっています。
総務省 平成30年度版、情報通信白書:「図表5-2-1-1 情報通信機器の世帯保有率の推移」
2011年はスマートフォンの保有率は3割にも満たない29.3%で、パソコンは74.4%ですが、その後スマートフォンがぐんぐん伸び、2017年についに逆転。スマートフォンが75.1%で、パソコンは72.5%になっています。
さらに利用率でも同様に、スマートフォンがパソコンを上回る結果となっています。
(出典)総務省「通信利用動向調査」
これらの統計結果から、現在はスマートフォンが“最も身近な情報端末”であるということがわかります。
2.増えてきたスマホアプリ ~ サードパーティーアプリと公式アプリ
スマートフォンの普及に伴って、この1~2年で急速にスマホアプリを持つ企業や店舗が増えました。
スマートフォン所有者であれば、誰でも一度はスマホアプリをダウンロードしたことがあるのではないでしょうか。店舗に限らず大手企業からも、続々と公式アプリが発表されています。スマートフォンの保有率が上がるにつれ、今後もホームページに加えてスマホアプリを持つ企業やお店が増えて行くことが予想されます。
ところで、スマホアプリというとまず何が思い浮かびますか?
ソーシャルゲームや、LINEなどのSNSアプリ、予約アプリやクーポンアプリ、店舗アプリと、様々な種類がありますよね。今までWebブラウザで提供されていた様々なサービスも、徐々にスマホアプリに代わってきています。
スマホアプリには大きく分けて、ポータルサイト系の「サードパーティアプリ」と「公式アプリ」の2種類があります。
例えばLINEやホットペッパービューティー、ぐるなび等は「サードパーティアプリ」になります。1つのアプリに複数の店舗や企業のスタンプやクーポンがまとめられているのが特徴です。
「公式アプリ」とは、一般的には企業やお店が公式に提供しているオリジナルのアプリを指します。もちろん、App StoreやGoogle Playのような公式マーケットからきちんと提供されていることが大前提です。
「サードパーティアプリ」と「公式アプリ」の大きな違いは、アプリユーザ(顧客)を誰が管理するか、という点です。
「サードパーティアプリ」の場合には、入り口となるポータルサイト提供者が顧客情報を管理します。ですから、“似たようなお店が近くにあります”などの情報がアプリ内に掲載されてしまい、価格勝負になってしまうこともあります。ポータルサイトのこのような機能は、上手に利用すれば、新規顧客を獲得するのに役立てることもできます。
「公式アプリ」の場合はダウンロードしてくれたユーザを自社・自店だけのお客様として管理できます。
新規集客にはサードパーティアプリが、既存顧客にリピートしてもらい、さらにロイヤルカスタマーになってもらうには公式アプリが向いているといえます。
3.店舗アプリの機能と効果 ~ プッシュ通知で既読率アップ!
集客や情報発信の手段として「メルマガ」を活用している企業やお店は多いですが、メルマガは未開封のまま忘れ去られたり、迷惑メールフォルダに直行していたり、そもそもフィルタリングされて届いていないというケースもあります。
ここでは公式アプリの一例として、店舗アプリの機能と効果をご紹介します。
店舗アプリには3つの必須機能があります。これらはほぼ全ての店舗アプリに標準的に搭載されている機能です。
◆プッシュ通知
アプリからの通知機能です。
◆スタンプ
紙で作られたお店のスタンプカードと同様に、来店回数や利用金額に応じてアプリ内でポイントを集めていく機能です。
◆クーポン
ポイントやキャンペーンなどの割引クーポンがアプリ内で管理され、状況に応じて各々のアプリに配信されます。
なかでも「プッシュ通知」はスマホアプリからダイレクトに情報を発信する仕組みで、メルマガよりもさらに情報発信力、集客力の強化に役立ちます。「プッシュ通知」はお知らせしたい時に、お知らせしたいことを、お知らせしたい人へ瞬時に配信できます。通知を受け取った人はスマートフォンの画面がOFFになっていても、つい画面を見てしまいます。これだけでもお客様にお知らせを見ていただく機会を格段にアップさせることができます。すぐに気づかなかった場合でも、アイコン上にバッジ(アプリアイコンの右上につく数字)をつけてくれるので他のアプリからの通知と区別でき、情報が埋もれてしまうことがありません。
実際に、メルマガの開封率が5%だったのお店が「プッシュ通知」を取り入れたことで開封率が8倍の40%にもなったお店もあります。「プッシュ通知」はスマホアプリでしか実現できない最新のコミュニケーション手段です。スマートフォンが主流の今だからこそ、取り入れて欲しい手段です。
4.店舗アプリを選ぶポイント
巷には様々な種類の店舗アプリがあり、機能も価格もさまざま。その多くが月額料金制のアプリサービスに契約する仕組みです。
どのような店舗アプリを選択するのが良いのでしょうか?そのポイントを紹介します。
◆顧客管理機能が充実しているか
ポータルサイト経由で導入するサードパーティ系アプリの場合、全ての顧客に対する一斉配信しかできない仕組みになっている場合が多いです。これでは顧客ごとに細やかなサービスを行いたいと思っても限界があります。そのため顧客情報を確認できることはもちろん、顧客情報はどれだけ細部まで管理できるのか、グループ分けしてサービスを行えるのか、一斉はもちろん個別でも情報配信を行えるのか、といったことが大切。そうした機能があると、きめ細やかな顧客サービスを行うことができます。
アプリを利用する場合は、会員情報を自分の店舗だけで管理したいのか、それともポータルサイトが管理していて問題ないのかを選択する必要があります。
◆情報配信や通知運用の自動化
顧客管理が細かくなることによって、運用の手間がかかりすぎてしまうようでは問題です。BOTやAIが搭載されていて、作業や運用を簡略化したり自動化したりできることが重要です。
例えば誕生日の1ヵ月前に誕生日クーポンを発行したり、前回来店日から2ヵ月経過した顧客に自動で来店を促す投稿をしたり、20代女性向けに七夕キャンペーンの案内を通知したり。。。一度自動化設定をしてしまえば、手間をかけずに魅力的なリピーター獲得活動を繰り返し行うことができます。また、他店に浮気していそうな常連さんには、ピンポイントでクーポンを発行するのも良いですね。
◆オリジナルデザインのアイコンや画面背景
アプリをインストールすると、スマートフォンのホーム画面にアイコンが設置されますが、このアイコンがお店のオリジナルであると、顧客にとっての身近なお店、いきつけのお店であることを日ごろからアピールしてくれる広告塔になります。このアイコンはお店のオリジナルであるべきですし、普段から使っているロゴを使用するのが効果的です。オリジナルではないデザインのアイコンを選ぶと身近なイメージが薄らいでしまいますし、ポータルサイトのアイコン経由ではさらに効果も薄れてしまいます。
アプリを開くと様々な機能画面が現れますが、この画面の背景やアイキャッチ画像でもお店のオリジナル性をアピールできるかどうかお店の印象を左右するポイントとなります。例えばお店の外観や内観、フラグシップオブジェなどが、画面枠やアイキャッチ、クーポンなどに利用されていたら、強く印象に残るでしょう。スタンプカードに押印されるスタンプがロゴマークなのも効果的です。
◆プッシュ通知は直接通知か間接通知か
プッシュ通知が店舗アプリの標準機能であることは既に述べましたが、これには直接通知と間接通知の2種類があります。
【直接通知】
画面が待機中であれ使用中であれ、プッシュ通知の表示をオンにしていれば、プッシュ通知画面枠が上部に表示されます。その内容は通知画面枠をクリックすれば見ることができ、ホーム画面アイコンからも確認することができます。表示されるプッシュ通知画面枠内にはお店の名前だけが表示され、ホーム画面のオリジナルアイコンに新規通知数を表示します。
【間接通知】
ポータルサイト経由で契約するサードパーティアプリの場合、プッシュ通知枠にはポータルサイト名が表示され、ホーム画面からはポータルアプリ経由で通知内容を確認します。新規通知数はポータルアプリにまとめられて表示されます。
新規顧客を獲得するには間接通知でも良いのですが、リピーター顧客を獲得するには直接通知が効果的です。
◆料金体系に注意しよう
価格項目には、開発費用・初期費用・月額費用・オプション費用があります。ほとんどの場合既に開発済みのシステムを活用するので、開発費用はかかりません。まずは初期費用と月額費用で比較することになりますが、それにはきちんと運用するための費用がどのくらいになるのかを把握する必要があります。まず見極める必要があるのは、標準価格でほとんどの機能が使えるのか、それともまともに運用するためにはオプション費用が発生するのか、ということです。
スマートフォンのOSは、iOSとAndroidの2種類です。公式アプリを使用するためには、初めにApp Store(iOS)かGoogle Play(Android)からインストールする必要があります。両方のOSに対応していなければ運用には耐えられないでしょうが、標準ではApp Store非対応で、対応させるにはオプション料金が発生する場合があります。これはApp Storeの公式アプリ認定のハードルがかなり高く、ノウハウと費用が必要になるためです。iOS対応をオプションにすることで標準価格を下げ、認定却下リスクの低下を狙っています。
また、標準ではプッシュ通知数に制限がある場合があります。投稿や広告制限がかかるのを我慢して運用するか、オプション料金を払って制限を外すかの選択が必要です。
5.まとめ
スマートフォン普及の波は、今後もまだ当分は止まらないでしょう。
最新の統計情報によると70歳代以上の所持率がやや低い傾向にありますが、20歳代から60歳代までまんべんなくスマートフォンを日常的に使っています。10代の普及率も伸びており、幅広い世代に向けてスマートフォンを活用した集客、情報発信が効果を見込めるようになりました。
ホームページが企業やお店の顔となったように、スマホアプリがあって当たり前、アプリで集客・情報発信をする時代は、もうすでにやってきています。