【業界研究】飲食業界のトレンド情報 〜2020年調査版〜 | 販促の大学で広告・マーケティング・経営を学ぶ

【業界研究】飲食業界のトレンド情報 〜2020年調査版〜

公開

ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。

 

今回は飲食業界の現状と今後の見通しについて、「販促の大学」を運営している地域新聞社に2020年4月に入社した新卒社員が調査しました。おすすめの販促方法もご紹介しますので、飲食業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。

 

【目次】
1.飲食業界とは
2.飲食業界の市場規模
3.市場動向
4.トップ企業
5.飲食業界の繁忙期と閑散期
6.広告が必要な時期
7.主な販促手段
8.求人が必要な時期
9.コロナウイルスによる業界の変化と今後
10.まとめ
 

 

飲食業界とは

飲食業界は文字通り食を提供するサービス業の総称です。一般にはレストランなどの外食産業をイメージしますが、実際は提供するスタイルによって「外食」「内食」「中食」の3つの業態があります。

 

「外食」はレストランや食堂などの家の外で食べるスタイル、「内食」は素材を購入し家で調理することを指します。また、「中食」は調理済みのものを持ち帰る、配達してもらうなどして、家で食べることを言い、「総菜」「デリバリー」「ケータリング」等が該当します。

 

飲食業界の市場規模

外食産業14カテゴリー138業態の国内市場規模は、2019年度、34兆2351億円となっています。2019年はインバウンド需要やテイクアウト・ファーストフード市場の伸びもあり、外食産業市場は拡大しました。

 

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、2019年度比16.5%減の28兆5,965億円が見込まれます。経営の指針を変えざるを得ない状況に追い込まれた店舗も多く、外食業界は中食業界へ参入することでなんとか対応するも、2020年3月の調査では、約80%の店舗が前年度に比べ売り上げが減ったと回答しています。

 

(出典:PRTIMES「新型コロナ影響により飲食店の8割が売上減。売上維持のために「テイクアウト」を開始・強化する店は半数以上」)

(参考:株式会社富士経済 外食産業マーケティング便覧2020

 

市場動向

飲食業界は特に競争が激しい業界です。市場規模は拡大し続けていますが、店舗数は年々減少しています。

 

飲食業界は参入企業間の競合が激化しているため、ブランド力や食材調達力などで優位なチェーンに需要が集約する傾向が見られます。一方、個人経営の単独店では、経営不振や後継者不足などにより閉店するケースも相次いでいます。人件費や材料費、流通費などのコストは年々増加して利益を圧迫、値上げを余儀なくされた店もあります。さらに今回の新型コロナウイルス感染症の影響で深刻なダメージを受けた店舗も少なくありません。

 

(出典:株式会社富士経済 外食産業マーケティング便覧2019

 

店は顧客獲得のためにさまざまな創意工夫を凝らしています。

 

海外へ展開をすることでより多くの顧客を獲得しようと考える企業や、M&Aを行って事業強化を行う企業も見られます。また、人手不足解消のためにロボットやAIなどを導入し、自動化する企業が増えています。新型コロナウイルス感染症の影響で、非接触型の接客に注目が集まっており、モバイルオーダーやキャッシュレス決済も含め、今後、ますます導入が加速しそうです。

 

今後の課題は
 ・コストの上昇をいかにして抑えるか
 ・値上げからくる顧客離れをどう防ぐか
 ・顧客離れが起きてしまったときに、どうやって客単価を上げていくか
 ・新型コロナウイルス感染症に対する柔軟な対応
の4つです。

 

(参考:業界動向SEARCH.com
 株式会社富士経済 外食産業マーケティング便覧2019
 ひと待ち結び「進化する飲食・小売店向け非接触型接客サービス」

トップ企業

企業名 売上高 (単位:億円)
ゼンショーホールディングス 6076
すかいらーくホールディングス 3663
日本マクドナルドホールディングス 2722
コロワイド 2443
吉野家ホールディングス 2023
スシローグローバルホールディングス 1748
サイゼリヤ 1540
プレナス 1539
トリドールホールディングス 1450
ロイヤルホールディングス 1377

(出典:「業界動向SEARCH.com」をもとに作成)

 

トップは「ココス」や「すき家」でおなじみのゼンショーホールディングスで、他を大きくリードしています。同社は、すき家の海外出店などにも積極的で、今後も業績を伸ばしていくことでしょう。

 

マクドナルドホールディングスは、増税によりメニューの3割を値上げするも、高価格帯商品の価格を据え置くことで、全店売上高を過去最高にしました。新型コロナウイルス感染症の影響で店内飲食を一時休止していましたが、持ち帰りや宅配の需要の売り上げを伸ばし、2020年6月中間連結決算では過去最高益となっています。今後も飲食業界におけるキーパーソンといえます。

 

(参考:業界動向SEARCH.com
 日経ビジネス「マクドナルド、全店売上高が過去最高に 増税逆手に消費者呼び込む」(神田 啓晴)
 読売新聞オンライン「マクドナルド、持ち帰り・宅配好調で店舗休止補う…営業最高益」

 

飲食業界の繁忙期と閑散期

◆繁忙期
飲食業界の繁忙期は12月、3月、4月。忘年会や歓送迎会などの時期に需要が高まり、繁忙期となります。

 

◆閑散期
閑散期は、主に2月です。

閑散期を表すワードとして「ニッパチ」という言葉があるくらい、2月と8月は一般的に購買意欲が下がると言われますが、8月は飲食業界のおよそ28%の企業が平均よりも売り上げを伸ばしています。ビアガーデンやエスニック料理、焼き肉、盆の行楽地の飲食店が売り上げを伸ばしていると推測されます

 

(参考:飲食店.COM「月別売り上げのアンケート調査から飲食店の繁忙期・閑散期が明らかに。閑散期の対策は?」)

 

広告が必要な時期

◆12月

忘年会やクリスマスなど、外、中、内食ともに一番忙しい時期

 

◆3月

歓送迎会の需要

 

◆その他新商品の売り出し時期に応じて広告を出す

繁忙期以外にも多くの売り出し時があるため、広告を出す時期を絞るのは難しいのですが、逆に言えば1年のうち、いつでもチャンスはある、ということです。

 

主な販促手段

販促の方法は多岐にわたります。フリーペーパーへの広告掲載やチラシ折込、ホームページなどさまざまなアプローチ方法があるので、ベストを見つけるのは結構難しいかもしれません。

 

◆折込広告
地域ビジネスである飲食と相性がよく、店の特徴も伝えやすいです。手に取る方は女性の割合が多いので、客層とマッチしていれば抜群の効果を発揮します。

 

◆LINE公式アカウント
普及率ゆえ、店舗の売り上げの大半を占めるリピーターに効果的に働きます。

 

◆グルメサイト・アプリ
掲載されている情報をもとにお店を決める人がいるほど、大きな影響力があります。

 

◆ダイレクトメール、ニュースレター
お客様へ定期的にお店の情報を届けることで、信頼関係を構築します。

 

この中でも特におすすめするのが、LINE公式アカウントやダイレクトメール、ニュースレターを活用したリピーター向けの販促です。飲食はほかの業界よりも1つの商品の単価が安く、新規顧客を呼び込むよりもリピーターに何度も来店してもらうほうがお店の利益としては増えるため、リピーターの囲い込みを考えるべきです。

 

求人が必要な時期

ピーク直前の11月ではなく、閑散期である2月と、3月の繁忙期を過ぎた後に求人を出すのがよいでしょう。

 

飲食の現場では他の業種よりも学生アルバイトが多いため、卒業・進学シーズンに合わせて募集をかけると効率が良いからです。この時期は就職や進学によって一気に人員が減ってしまう可能性が高く、また4月から進学・進級する学生は春休み中にバイトを決めてしまいます。先手を打って採用を進めていきましょう。

 

(参考:HRソリューションラボ「求人掲載の時期はいつ頃がいいの?」)

 

新型コロナウイルス感染症による業界の変化と今後

新型コロナウイルス感染症により飲食業界は大きく変わりました。特に影響が大きかったのが外食産業です。外出の自粛により外食業界は大打撃を受け、閉店に追い込まれた店もかなりの数にのぼります。

 

その中で外食業界が取り組んだのが、テイクアウトをはじめとする中食業界への参入です。ファミリーレストランがデリバリーサービスを始め、チェーン居酒屋がお弁当を売るなど、大きく業態や商品を変えることで生き残りを図りました。必要に迫られての路線変更は、予算や人員の関係で苦しんでいる企業がある一方、潜在顧客を発掘できた企業もありました。そういった企業は今後、通常営業に戻ったときにその潜在顧客を逃がさないようにデリバリー等の人員を確保しなければいけないため、求人を行う企業も増えると考えられます。

 

売上が減少する中で、店舗運営を継続するにはどうしたらいいのか、現在検討していることを複数回答で聞いたところ、2020年3月の調査では半数以上の52.7%の店舗が「テイクアウト販売を始める・強化する」と回答しました。中食業界は今後も飲食業界のカギになりそうです。

 

(出典:PRTIMES「新型コロナ影響により飲食店の8割が売上減。売上維持のために「テイクアウト」を開始・強化する店は半数以上」

 

政府による「Go To Eatキャンペーン事業」も始まりました。政府や地方自治体の支援策も十分に理解し、活用していきましょう。

 

(参考:PRTIMES「新型コロナ影響により飲食店の8割が売上減。売上維持のために「テイクアウト」を開始・強化する店は半数以上」
 農林水産省「Go To Eatキャンペーン事業」)

 

まとめ

飲食は、どんな時代にも絶対に需要あるビジネスであり、だからこそ他社との競争は激しく、困難です。このレポートが少しでも皆様の役に立てば幸いです。

 

その他の業界についてもご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてください。

 

【参考資料・出典情報(2020/10/16閲覧)】

・株式会社富士経済
 外食産業マーケティング便覧2020 https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=20079.pdf&nocache
 外食産業マーケティング便覧2019 https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=19091.pdf&nocache

・PRTIMES「新型コロナ影響により飲食店の8割が売上減。売上維持のために「テイクアウト」を開始・強化する店は半数以上」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000413.000001049.html

・業界動向SEARCH.com https://gyokai-search.com/3-gaisyoku.htm
・ひと待ち結び「進化する飲食・小売店向け非接触型接客サービス」 https://project.nikkeibp.co.jp/hitomachi/atcl/column/00001/00021/
・日経ビジネス「マクドナルド、全店売上高が過去最高に 増税逆手に消費者呼び込む」(神田 啓晴) https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00100/021400006/
・読売新聞オンライン「マクドナルド、持ち帰り・宅配好調で店舗休止補う…営業最高益」 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200813-OYT1T50005/
・飲食店.COM「月別売り上げのアンケート調査から飲食店の繁忙期・閑散期が明らかに。閑散期の対策は?」 https://www.inshokuten.com/research/magazine/article/2
・HRソリューションラボ「求人掲載の時期はいつ頃がいいの?」 https://minagine.jp/media/recruit/contents_20180522_0012/
・農林水産省「Go To Eatキャンペーン事業」 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/attach/pdf/hoseigoto-60.pdf

 

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