【業界研究】不動産業界のトレンド情報 〜2024年調査版〜

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ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。
今回は不動産業界の現状と今後の見通しについて、調査しました。
おすすめの販促方法もご紹介しますので、不動産業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。

【目次】

  1. 不動産業界とは
  2. 不動産業界の市場規模
  3. 不動産業界の動向
  4. 不動産業界のトップ企業
  5. 不動産業界【今後の展望】
  6. 不動産業界の繁忙期と閑散期
  7. 不動産業界の広告が必要な時期
  8. 不動産業界で求人が必要な時期
  9. 不動産業界におすすめの販促手段
  10. 不動産広告のルール
  11. まとめ

不動産業界とは

不動産業界とは、土地や建物などの不動産に関する業務を扱う業界のこと。
マンションや一戸建ての売買・賃貸、商業施設などに関わるビジネスが不動産業界にあたります。 

この記事では、主にマンションや一戸建ての売買・賃貸における不動産業界のトレンド情報を解説しましょう。

不動産業界の市場規模

不動産業界の市場規模としては、下記グラフのように、2012年度から売上高が上昇傾向にあります。

 

出典:財務総合政策研究所 財政金融統計月報ダウンロード(法人企業統計年報特集)2011年度~2021年度データを参考に作成

 

2021年度の市場規模は、直近10年間で最も高い485,822億円となっており、他の市場と比較しても大きな業界といえるでしょう。

 

 

 

不動産業界の動向

業界規模 16.5兆円
伸び率 -2.9%
利益率 +4.0%

(出典:業界動向 不動産業界

 

上記の業界動向によると、伸び率は若干の低下を示している一方、不動産価格指数は順調に上昇しています。

では、20082023年にかけての不動産価格指数の推移をご覧ください。

 

(画像出典)国土交通省不動産価格指数

 

金融緩和政策などが影響して上昇し続けている不動産価格ですが、特にマンションの価格指数が大きく伸びているとわかります。

 

次に、首都圏の新築市場と中古市場の価格推移について解説しましょう。

2021年(首都圏平均価格) 2022年(首都圏平均価格)
新築一戸建て住宅 4,107万円 4,523万円
新築マンションの一戸 5,952万円 6,341万円
中古一戸建て住宅 3,556万円 3,919万円
中古マンションの一戸 3,715万円 4,087万円

(出典:三菱UFJ不動産販売「一戸建て住宅・価格と戸数の動向~中古・新築マンション・一戸建て住宅データ白書 2022」)

 

2022年の首都圏における新築市場では、一戸建て住宅の一戸平均価格が4,523万円となりました。

この数値は、2021年の4,107万円と比べて約10%上昇しており、2015年以来の最高額です。

ちなみに、2022年の首都圏における新築マンションの一戸平均価格は6,341万円であり、前年からは6.5%上昇しています。

 

一方、2022年の首都圏における中古市場では、一戸建て住宅一戸平均価格が3,919万円という結果に。

前年と比べて10%近く大きく上昇し、同じく2022年の中古マンション一戸平均価格も4,087万円で10%上昇しています。

 

首都圏の中古住宅市場では、一戸建てだけでなくマンション価格も大きく上昇しており、中古住宅の需要が新築よりも高まっていることがわかります。

持ち家派 賃貸派
Q.持ち家派か賃貸派か? 74.5% 50.2%

(出典:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」

 

また、不動産業界の動向として、持ち家派が多いということも挙げられます。 

公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が2020年に行った「現在の住まいに関係なく、持ち家派か賃貸派か?」というアンケートでは、持ち家派が74.5%、賃貸派が25.5%という結果が出ました。 

持ち家派の理由としては、「家賃を払い続けることが無駄に思えるから」というのが50.2%で最多を占めている一方、賃貸派は「税金が大変だから」という理由が37.1%と最も多く答えられています。 

持ち家派が依然として高い割合を占めていますが、税金に対して懸念を示している賃貸派が増えていくことも考えられるため、今後の状況を注視していく必要があるでしょう。 

(参考:三菱UFJ不動産販売「一戸建て住宅・価格と戸数の動向~中古・新築マンション・一戸建て住宅データ白書 2022

 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」

不動産業界のトップ企業

2022年の不動産業界売上高ランキング上位5社を見てみましょう。

企業名 売上高 (単位:円)
三井不動産 2兆1,008億7,000万
三菱地所 1兆3,494億8,900万
東急不動産ホールディングス 9,890億4,900万
オープンハウスグループ 9,526億8,600万
住友不動産 9,394億3,000万

(出典:リビンマガジンBiz「不動産業界売上高ランキング2023年」をもとに作成 )

不動産業界【今後の展望】

不動産業界の今後の展望としては、「環境への取り組み」と「建築DX」が注目ポイントといえるでしょう。

 

では、それぞれのポイントについて解説します。

 

◆環境への取り組み

住宅の購入を検討する消費者の中には、「環境に考慮しているか」を意識している方も増えてきました。

環境への意識が高まる時代で注目されているのが「ネット・ゼロ・エネルギー住宅」です。

 

ネット・ゼロ・エネルギー住宅とは、家庭で消費する電力よりも多くの電力を自家発電する住宅のこと。

エネルギー価格が高騰したとしても光熱費を安く抑えることができるうえ、台風や地震などの災害時でも太陽光発電などにより電力確保ができるといったメリットがあるのです。

 

このように、環境に考慮した住宅のニーズに対して、どのように応えていけるかが注目のポイントといえるでしょう。

 

◆建築DX

建築DXとは、建築業界にデジタル技術を取り入れて変革をもたらすことです。

例えば、AIによって建設現場の画像を分析し、進捗管理をしたり、安全性を判定したりといったことが可能です。

 

AIやクラウド、ドローンなどを活用すれば、建築の生産性向上や人手不足の解消などが期待できます。

不動産業界に上手く建設DXを取り入れることで、盛り上がりを支える一手になるかもしれません。

不動産業界の繁忙期と閑散期

こちらからは、不動産業界の繁忙期と閑散期はいつ頃なのかを解説します。

 

◆繁忙期

主に13月が繁忙期です。

入学や卒業、就職が重なるため、3~4月は不動産業界にとって1年で1番忙しい時期です。また、910月は多くの企業で人事異動による転勤があり、部屋探しをする人が増えます。

 

◆閑散期

繁忙期以外の412月はおおむね閑散期と言えます。

しかし、9月には会社内の異動や、6月には結婚の時期となるため、比較的多くの来店が見込まれます。

 

(画像出典) LIFULL HOME'S「引越しの繁忙期・閑散期はいつ?費用を抑えるための時期の考え方

不動産業界の広告が必要な時期

不動産業界に欠かせない広告。

期待通りの効果を出すためにも、こちらでご紹介する必要な時期をチェックしておきましょう。

 

◆マンション・戸建て販売

45月 ゴールデンウィーク展示フェア

8月 お盆需要

9月 シルバーウィーク展示フェア

121月 年末年始需要

 

◆賃貸

8月 9月転勤者需要

13月 新生活向けのプロモーション

 

繁忙期前の13月は新生活の準備が必要になるので、11月頃から販促を始められるように計画を立てておきましょう。

(参考:YAHOOJAPAN広告 業界別販促カレンダー~不動産業界2016年度~)

不動産業界で求人が必要な時期

不動産業界の繁忙期である13月は顧客対応に追われ、採用に費やす時間も少なくなってしまいます。

 

ですので、繁忙期に備えた人材を確保するために410月に求人広告を出す必要があると言えるでしょう。

不動産業界におすすめの販促手段

不動産は大きな買い物ですので、消費者の信頼を得るためにはホームページを使った販促は欠かせません。

 

賃貸物件では、最新情報の発信に、ホームページは有効です。

 

また、新築マンションの販売においては、紙媒体+WEBの販促手段を使い、まずチラシやDM送付で周知し、その後の対策としてホームページで情報発信という形も効果的でしょう。

 

不動産広告のルール

不動産広告には2つの大きな法律上の規制があります。

 

1.宅建業法による規制

(1)誇大広告の禁止 事実とは明らかに異なる表示をすること、実際より著しく優良である、など誤認させる表示の禁止

(2)広告開始時期の制限 建物の建築工事が完了する前に、その物件の販売広告を掲載する場合、広告を開始するのに制限がある

(3)取引態様の明示

 

2.不動産の表示に関する公正競争規約

 物件の所在地や面積、交通の利便性、また各施設までの距離や所要時間などについて表示基準を守る必要がある

(参考:不動産会社のミカタ「不動産広告のルール」

 

まとめ

持ち家需要の高さやオリンピックによる市場の拡大に伴い、不動産業界は今後も成長が見込まれています。

 

販促において、Webは信頼を得るためにも必須となるでしょう。用途に応じてチラシ折込やDM送付をプラスするとさらに有効です。

千葉県や茨城県でチラシの配布を考えている場合は、フリーペーパー「ちいき新聞」へのチラシ折込サービスをご検討ください。

A4サイズで12.9円(税別)とお得な配布が可能なうえ、ポスティングエリアを細分化して「〇〇駅から徒歩圏内」といったように配布エリアを設定できます。

不動産業界の集客でお悩みの方は、お気軽に地域新聞社へご相談ください。

 

加えて、新築マンション、中古物件、戸建て住宅など、販売対象によってターゲット層は大きく変化します。したがって、それぞれのターゲット層に適した販促を用いることも重要になるでしょう。

 

【参考資料・出典情報(2020/5/11閲覧)】

LIFULL HOME'S引越しの繁忙期・閑散期はいつ?費用を抑えるための時期の考え方 2018127日(高野 友樹) 」

YAHOOJAPAN広告 業界別販促カレンダー~不動産業界2016年度~ 201769 

・不動産会社のミカタ「不動産広告のルール2020423日(西口 和史)

 

【参考資料・出典情報(2020/9/7閲覧)】 

・帝国データバンク 景気・業界の動向 ※20207月末 

 

【参考資料・出典情報(2023/12/24閲覧)】 

・財務総合政策研究所 財政金融統計月報ダウンロード(法人企業統計年報特集)2011年度~2021年度データ 

・業界動向 不動産業界 

・国土交通省 不動産価格指数

・三菱UFJ不動産販売「一戸建て住宅・価格と戸数の動向~中古・新築マンション・一戸建て住宅データ白書 2022

・公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査

・リビンマガジンBiz不動産業界売上高ランキング2023」 

 
 

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