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ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。
今回は葬儀業界の現状と今後の見通しについて、「販促の大学」を運営している地域新聞社に2020年4月に入社した新卒社員が調査しました。おすすめの販促方法もご紹介しますので、葬儀業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。
葬儀あるいは葬式とは、人の死を弔うために行われる祭儀、葬制の一部です。故人のためだけでなく、残された人々が人の死を心の中で受け止めるのを援助する儀式でもあります。
葬儀業界とは、一般的に人が亡くなった際に葬儀を行い、火葬から寺社供養までのプロセスに関わる企業で構成されています。個別のサービス、商品を扱う企業が多数存在し、葬儀社が中心となってそれらの企業を取りまとめ、顧客へサービスを提供しています。葬儀は亡くなった方の住居の近くにある葬儀社を利用することが一般的です。また利用者の利便性のため、飲食物や生花、霊柩車、骨壺など多様な商材を取り扱います。
葬儀という特色上、失敗の許されない高度なサービスが要求され、迅速に葬儀を遂行しながら、遺族のケアやアフターサポートにも気を配る必要があります。従業員教育が極めて重要な業界と言えるでしょう。
(参考:経営ナレッジ 葬儀業界)
◆一般葬儀
昔から執り行われている、文字通り一般的な葬儀の形です。遺族・親族だけにとどまらず、友人、職場関係者、近隣住民など、幅広い人に参列してもらいます。
◆社葬・合同葬
会社代表者などが亡くなったときや、社員が殉職した際などに会社主体で行う葬儀のことです。遺族と共同で執り行う際や複数の会社が施主となる時には「合同葬」と呼びます。
◆家族葬
近年の高齢化社会や核家族化が進むにつれて増加傾向にある葬儀の形です。家族葬という名前ではありますが、家族だけではなく親族をはじめ故人と親しかった友人などが参列する場合もあります。
◆密葬
家族葬と同様、遺族など近親者を中心に執り行う葬儀です。しかし、こちらは周囲に死去したことを伏せて行います。社葬・合同葬のように、後日「本葬」を正式に執り行うことが前提とされているものを指して密葬と言います。
◆一日葬
本来、葬儀は通夜・葬儀告別式の2つは日程を分けて行うものです。しかし、このうち通夜の儀式を簡略化または行わない形で、葬儀・告別式に比重を置いて行うものが一日葬になります。
◆直葬
通夜や葬儀、告別式を行わず、火葬だけで終える葬儀です。
(参考:公益社)
(出典:矢野経済研究所 葬祭ビジネス市場に関する調査を実施(2019年)より作成)
現在の日本では人口の約3割が高齢であり、今後もさらに少子高齢化が進むことが予想されています。死亡者数も団塊の世代の高齢化に伴い、増加傾向にあり、葬儀業者の数も増加する見込みです。
しかし、近年は生活スタイルの多様化や地域コミュニティーの希薄化などにより葬儀の形も多様化し、葬儀単価の下落や葬儀の簡素化といった現象が起きています。今後、収益の上昇率は鈍化すると考えられます。
要因としては以下のことが考えられます。
◆葬儀の小規模化
数年前はホールを貸し切っての葬儀が一般的でしたが、現在は、ホールを小分けに区切って小規模な葬儀が増えています。
◆死亡者・遺族の高齢化、少子化による親族の減少
死亡者は定年を迎えて数十年たった人が多く、社会的なつながりがない人が増えています。また、遺族が高齢者である場合も多く、少子化による親族の減少もあり、参列者数は減少傾向にあります。
◆事前契約
死に対するタブー意識が薄らいできており、葬儀の事前相談が非常に多くなってきています。事業者側も、顧客の囲い込みが可能となるため、力を入れています。
◆IT化した葬儀仲介業社
葬儀業界はIT化が遅れている業種の1つであると言われていましたが、自前の会館を持たず、インターネット上のポータルサイト等で集客し葬儀社に紹介する、といった葬儀仲介事業者も増えてきています。
◆競争環境の激化
高齢化に伴い成長産業としての認識が高くなり、競争環境は厳しさを増しています。同業者による積極的な新規施設の出店に加え、異業種からの新規参入が相次ぎ、価格競争が激しくなっています。業界参入への障壁の低さも影響しています。
このように葬儀への意識が変わりゆく中で、新型コロナウイルス感染症の流行が拡大しました。「三密」を避けるために、少人数、会食なし、火葬のみなど、各社が対策を講じており、葬儀の在り方そのものを見直す機会が訪れています。今後、死亡者数は2040年にピークを迎えると予想されるため、それを踏まえ業界の再編を視野に入れる必要があるでしょう。
(参考:業界動向「葬儀業界」、矢野経済研究所 葬祭ビジネス市場に関する調査を実施(2019年)、
経済産業省 平成24年度特定サービス産業実態調査利活用サービス促進のためのデータ作成とサービス産業動向把握のための調査)
企業名 | 売上高 (単位:億円) |
燦ホールディングス | 212 |
ティア | 127 |
平安レイサービス | 83 |
サンライフHD | 83 |
こころネット | 60 |
ニチリョク | 17 |
(出典:業界動向「葬儀業界」)
(出典:厚生労働省 人口動態統計速報)
◆繁忙期
葬儀業界の繁忙期は12月~2月です。日本人の月別死亡数のグラフを見ていただくとわかるように、12月と1月が極端に多くなっています。冬場は屋内外の温度差が大きく、体に大きな負担がかかるためと思われます。
◆閑散期
閑散期は、暖かい6月~9月です。閑散期は繁忙期の逆で、死亡者の少ない夏場が閑散期になります。
消費者に潜在的に葬儀場を認知させることが重要との観点から、1年を通しての広告掲載が有効であると考えます。
しかし、前述の通り死亡数は冬場に増加する傾向があるため、9月頃から広告掲載し始めるのがよいでしょう。
前述の通り、葬儀業界の繁忙期は冬場の12月~2月です。この時期に対応するため、事前に求人広告を出して人手を確保しておく必要があります。また、葬儀という特色上、失敗の許されない高度なサービスが要求されるため、従業員教育の時間確保も重要です。
したがって、繁忙期前の6月~9月に募集するのが効果的であると考えられます。
おすすめの販促手段は、記事広告、ディスプレイ広告、中吊り広告、チラシ折込、ホームページなどです。
記事広告は、相談例などを載せることで信頼性を高めることができます。ディスプレイ広告は、潜在顧客に認知させるための広告です。チラシ広告は、葬儀の流れやモデルケースなど、多くの情報を掲載することができます。ホームページを活用する際はSEO対策を行い、検索で上位表示させることによって、信頼性や検索率も上がっていきます。
また、下記のグラフを見ると「近くだったから」という理由で葬儀社を選んでいます。地元の人にどれだけ認知されているかが重要であることがよく分かります。
(出典:集客を身近にするキャククル)
これまで葬儀広告は不謹慎という風潮があり、葬儀業界は受動的な経営を求められていました。しかし、これからは情報を積極的に公開し、信頼性を高めるためにも広告を掲載するといったアクティブな姿勢が求められています。近年は、多くの葬儀業者が終活などの相談会を行い、顕在顧客を見込み顧客として獲得していく傾向があります。
葬祭業界の繁忙期は冬場ですが、人の死は突発的であることが多いので、日頃から潜在顧客を増やしていくことが重要です。よって、看板広告を出したり、イベントを企画しそのチラシを配ったりすることなどを定期的に行い続けることが大切です。
その他の業界についてもご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてください。
【参考資料・出典情報(2020/12/21閲覧)】
・経営ナレッジ 葬儀業界 https://www.ycg-advisory.jp/industry/service/funeral/
・公益社 https://www.koekisha.co.jp/chiebukuro/oyakudachi-syurui/
・業界動向「葬儀業界」 https://gyokai-search.com/3-sougi.html
・矢野経済研究所 葬祭ビジネス市場に関する調査を実施(2019年)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2221
・経済産業省 平成24年度特定サービス産業実態調査利活用サービス促進のためのデータ作成とサービス産業動向把握のための調査https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/topics/kenkyuShiryo/hokokusho/pdf/h24kanmatsusankousiryou.pdf
・厚生労働省 人口動態統計速報 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2020/dl/202001.pdf
・集客を身近にするキャククル https://www.shopowner-support.net/attracting_customers/ceremony/funeral/
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