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ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。
今回は整骨業界の現状と今後の見通しについて、「販促の大学」を運営している地域新聞社が調査しました。
おすすめの販促方法もご紹介しますので、整骨業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。
【目次】
「整骨」は「接骨」「ほねつぎ」ともいい、江戸時代から伝わる専門の知識と手技を使って打撲・脱臼などを改善する“医療類似行為”です。
整骨業に従事するためには、柔道整復師という国家資格が必要になります。
同様に国家資格が必要となる医療類似行為には、あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅうがあります。
※「整骨」と似たものに「整体」があります。整体は体を支える骨盤や背骨を整え、骨のずれなどを矯正することによって筋肉のこりや疲労をほぐし、体全体のバランスを整えます。公的な資格は必要ありません。
(参考:せのお整体矯正院)
整骨院、療術、マッサージ業者2,090社のうち、2016年度から2018年度まで3期連続で収入高が判明した1,888社の2018年度の収入高合計は、前年度比4.8%増の2038億4800万円となっています。
新規出店での増収や高齢者を中心にリピータを確保できた業者が多くみられたことが追い風となっています(図1)。
(図1)
また、増収となった企業は356社(構成比17.8%)であったのに対し、減収は248社(同12.4%)、横ばいは1393社(同69.8%)となり、「横ばい」が全体の7割を占めています(図2)。
(図2)
出典:帝国データバンク「整骨院・療術・マッサージ業者の経営実態調査」をもとに作成
業歴別では「10〜30年未満」が946社(構成比45.3%)で最多です。「業歴10年未満」と合わせると全体の約8割となることから、開院してから比較的年数の浅い整骨院、療術、マッサージ業者が多いことが分かります。(図3)
(図3)
従業員数別では「10人未満」が1,702社(構成比82%)となり、小規模業者が全体の8割を占めています。一方「100人以上」は28社(構成比1%)にとどまっています。(図4)
(図4)
また、2019年(1月〜10月)の倒産件数は78件と、2000年以降で最多の2018年に迫るペースで推移していて、中でも負債「1,000万円〜5,000万円」の小規模業者の倒産が目立っています(図5)。
業歴が比較的浅い整骨院、療術、マッサージ業者が多いことからも、新しく開院した業者が消費者に選ばれ淘汰されていくことが読み取れます。
(図5)
出典:帝国データバンク「整骨院・療術・マッサージ業者の経営実態調査」をもとに作成
◆繁忙期
整骨業界の繁忙期は、6月〜7月、9月〜11月です (気温が落ち着いた時期) 。
しかし、各院が実施するイベントや気候の状況、販促効果の影響による集客も変動があり、明確ではありません。
◆閑散期
閑散期は、2月と8月です。これは多くの業種とも共通していますが、最も寒い時期と暑い時期は、売上も最も落ち込むと言われています。
12月は年末年始休暇に向けた集客準備と、閑散期に入る前の集客準備のため、この時期に広告を出すことをおすすめします。
また、冬季は服装が厚着で動きにくく、寒さで筋肉も思うように動かなくなるため、転倒事故が増える季節です。
特に高齢者は、救急搬送される日常生活の事故の8割が「ころぶ」事故です(図6)。
高齢者の転倒や骨折は要介護につながることもあるため、怪我防止を目的とした来店促進もおすすめです。
(図6)
出典:東京消防庁「救急搬送データから見る高齢者の事故」をもとに作成
繁忙期の6月〜7月と9月〜11月に対応するために事前に求人広告を出し、人手を確保しておく必要があります。
また柔道整復師を目指す専門学校生は、主に11月~2月に就職活動を行うため、それに合わせた求人活動も有効です。新規で優秀な人材を確保するために、院の特長や採用条件などをしっかりアピールしましょう。
ただし、業界の動向でもふれたとおり、全従業員の人数が10人未満の院が8割を占めていることから、頻繁には求人活動をしていないことも推測されます。
日頃から自社のホームページで院の特長をしっかりアピールしつつ、必要に応じて求人広告や媒体で募集をかけると効果的です。
主な販促手段として、Web媒体の場合は、ホームページ、ブログ、SNSなどがあります。
また、紙媒体の場合は、ポスティング、フリーペーパーへの広告掲載などが挙げられます。
整骨院は主に30代~50代の利用者が多く、また女性が男性の利用者を上回る結果となっています(図7)。
主婦層をターゲットとしているフリーペーパーや折込広告のメリットを利用し、Web媒体も活用して同業者との差別化を図ることで、地域のターゲットに根差した販促活動を行っていきましょう。
(図7)
出典:J-Net21「中小企業ビジネス支援サイト」をもとに作成
「整骨」は、“医療類似行為”であり“医業”ではないということを踏まえた上で、以下の5つの「広告NG表現例」を紹介します。
① 誇大広告… 「ガンが治る」「最高の技術」といった表現
② 経歴・出身校の名称を載せる… 医療類似行為の法律違反
③ 具体的な施術内容やその効果を広告に掲載… 法律で禁止
④ 「治療」「治る」という表現… 医業と誤認されるおそれがあるため
⑤ 医薬品・医療器具を扱っていると捉えるような表現… 健康食品や健康器具と表現する
(参考:あきばれホームページ作成大学)
整骨院は、医療類似行為であり、厳しい広告ルールがあります。
正しい知識を学んだ上で、ルールを守りながら広告作りをしましょう。
また、整骨院ごとに繁忙期や客層が異なるため、繁忙期前の早い段階でイベントの準備をしたり、客層に合わせた販促手段を考えたりすることをおすすめします。
皆さんも在宅ワークで凝り固まった身体をほぐすため、整骨に行ってみてはいかがでしょうか?
その他の業界についてもご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてください。
【参考資料・出典情報(2023/6/28閲覧)】
・せのお整体矯正院 http://www.senoh-seitai.com/comparison.html
・帝国データバンク 整骨院・療術・マッサージ業者の経営実態調査 https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p191102.pdf
・東京消防庁 救急搬送データから見る高齢者の事故 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/201509/kkhansoudeta.html
・J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/service/cons-osteopath.html
・あきばれホームページ作成大学 https://www.akibare-hp.jp/kouza/seitai_out-koukoku/
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