【業界研究】不動産業界のトレンド情報 〜2020年調査版〜

公開

ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。

 

今回は不動産業界の現状と今後の見通しについて、「販促の大学」を運営している地域新聞社に2020年4月に入社した新卒社員が調査しました。おすすめの販促方法もご紹介しますので、不動産業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。

 

【目次】
1.不動産業界の市場規模
2.業界の動向
3.トップ企業
4.不動産業界の繁忙期と閑散期
5.広告が必要な時期
6.求人が必要な時期
7.おすすめの販促手段
8.不動産広告のルール
9.まとめ

 

【無料DL資料】折込チラシをまく「最適なエリア」の策定方法

【業界研究】不動産業界のトレンド情報 〜2024年調査版〜

不動産業界の市場規模

2018年度の不動産業界の市場規模は、46兆5,363億円となっています。
 
 

業界の動向

 

  市場規模 136業界内順位
業界規模 14.7兆円 24位
伸び率 +8.1% 19位
利益率 +6.1% 26位

(出典:業界動向 不動産業界

 

オリンピック終了後は住宅価格が暴落するなどといった話もありますが、そのようなことはないでしょう。過去に行われたシドニーとロンドンのオリンピック終了後の住宅価格推移を見てみると、上昇していることが分かります。

 

(画像出典) 2020年の不動産市況の見通し-消費税増税、オリンピック前後の不動産市場 2020年3月18日

 

首都圏では、2019年の新築分譲マンションの価格は過去最高水準までに上りましたが、販売戸数は減少しています。

 

一方、利便性や経済面に優れた中古マンションや戸建て住宅は、存在感を増してきました。不動産業界は消費税増税前の駆け込み需要もあり、好調に売り上げを伸ばしました。その反動による売り上げ減も一時的なものとみられるため、今後も堅実に売上を伸ばしていくのではないかと思われます。特に都心では賃貸オフィスを中心に好況が続くと見られています。

 

公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が2017年に行った「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」では、現在の住まいに関係なく持ち家派か賃貸派かというアンケートでは、持ち家派が84.9%、賃貸派が15.1%という結果になりました。現在の住宅に対する満足度を測るアンケートでは、持ち家派は平均73.0点、賃貸派は平均65.2点という結果になりました。これらのアンケート結果からも、持ち家の需要の高さが分かります。しかし、賃貸でも満足度は6割を超えているので、継続して賃貸の需要も高いと言えるでしょう。

 

2020年現在、新型コロナウイルス感染症の終息時期が見通せない中で、消費マインドへの影響が懸念されています。今後の状況を注視していく必要があります。

(参考:2020年の不動産市況の見通し-消費税増税、オリンピック前後の不動産市場 2020年3月18日

 景気・業界の動向 建設・不動産業界 ※2020年7月末

 公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」

トップ企業

2019年の不動産業界売上高ランキング上位5社を見てみましょう。

企業名 売上高 (単位:円)
三井不動産 1兆8,611億
飯田グループホールディングス 1兆3,449億
住友不動産 1兆132億
東急不動産ホールディングス 9,018億8,400万
野村不動産ホールディングス 6,685億1,000万

 

(出典: strainer「2019年 不動産業 売上高 ランキング」をもとに作成 )

不動産業界の繁忙期と閑散期

◆繁忙期
主に1~3月が繁忙期です。
入学や卒業、就職が重なるため、3~4月は不動産業界にとって1年で1番忙しい時期です。また、9~10月は多くの企業で人事異動による転勤があり、部屋探しをする人が増えます。

 

◆閑散期
繁忙期以外の4~12月はおおむね閑散期と言えます。
しかし、9月には会社内の異動や、6月には結婚の時期となるため、比較的多くの来店が見込まれます。

 

(画像出典) LIFULL HOME'S「引越しの繁忙期・閑散期はいつ?費用を抑えるための時期の考え方

広告が必要な時期

◆マンション・戸建て販売

・4~5月 ゴールデンウィーク展示フェア

・8月 お盆需要

・9月 シルバーウィーク展示フェア

・12~1月 年末年始需要

 

◆賃貸

・8月 9月転勤者需要

・1~3月 新生活向けのプロモーション

 

繁忙期前の1~3月は新生活の準備が必要になるので、11月頃から販促を始められるように計画を立てておきましょう。

(参考:YAHOO!JAPAN広告 業界別販促カレンダー~不動産業界2016年度~

求人が必要な時期

不動産業界の繁忙期である1〜3月は顧客対応に追われ、採用に費やす時間も少なくなってしまいます。

 

ですので、繁忙期に備えた人材を確保するために4〜10月に求人広告を出す必要があると言えるでしょう。

 

おすすめの販促手段

不動産は大きな買い物ですので、消費者の信頼を得るためにはホームページを使った販促は欠かせません。

 

賃貸物件では、最新情報の発信に、ホームページは有効です。

 

また、新築マンションの販売においては、紙媒体+WEBの販促手段を使い、まずチラシやDM送付で周知し、その後の対策としてホームページで情報発信という形も効果的でしょう。

 

不動産広告のルール

不動産広告には2つの大きな法律上の規制があります。

1.宅建業法による規制
(1)誇大広告の禁止 事実とは明らかに異なる表示をすること、実際より著しく優良である、など誤認させる表示の禁止
(2)広告開始時期の制限 建物の建築工事が完了する前に、その物件の販売広告を掲載する場合、広告を開始するのに制限がある
(3)取引態様の明示

 

2.不動産の表示に関する公正競争規約
 物件の所在地や面積、交通の利便性、また各施設までの距離や所要時間などについて表示基準を守る必要がある

 

(参考:不動産会社のミカタ「不動産広告のルール」

まとめ

持ち家需要の高さやオリンピックによる市場の拡大に伴い、不動産業界は今後も成長が見込まれています。

 

販促において、Webは信頼を得るためにも必須となるでしょう。用途に応じてチラシ折込やDM送付をプラスするとさらに有効です。また、新築マンション、中古物件、戸建て住宅など、販売対象によってターゲット層は大きく変化します。したがって、それぞれのターゲット層に適した販促を用いることも重要になります。

 

その他の業界についてもご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてください。

 

【参考資料・出典情報(2020/5/11閲覧)】

・財務総合政策研究所 財政金融統計月報ダウンロード(法人企業統計年報特集)2009年度~2018年度データ https://www.mof.go.jp/pri/publication/zaikin_geppo/hyou07.htm
・業界動向 不動産業界 https://gyokai-search.com/3-hudosan.htm
・公益社団法人全日本不動産協会 埼玉県本部

 2020年の不動産市況の見通し-消費税増税、オリンピック前後の不動産市場 2020年3月18日(吉野 薫) https://saitama.zennichi.or.jp/column/special-202003/

・公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」 

https://www.zentaku.or.jp/wp-content/uploads/2016/08/2017%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88_%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8-1.pdf

・strainer「2019年 不動産業 売上高 ランキング」 https://strainer.jp/categories/12

・ LIFULL HOME'S「引越しの繁忙期・閑散期はいつ?費用を抑えるための時期の考え方 2018年12月7日(高野 友樹) https://www.homes.co.jp/cont/money/money_00181/

・YAHOO!JAPAN広告 業界別販促カレンダー~不動産業界2016年度~ 2017年6月9日 https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/pdf_calendar.html

・不動産会社のミカタ「不動産広告のルール」2020年4月23日(西口 和史)https://f-mikata.jp/rule/

【参考資料・出典情報(2020/9/7閲覧)】

・帝国データバンク 景気・業界の動向 ※2020年7月末 https://www.tdb.co.jp/report/industry/kenchiku.html

 

≪活用事例付き≫
リフォーム業界におすすめ!消費者に信頼感を与える記事広告で集客効果を上げる方法

 

【PR】【ちいき新聞】2020年11月6日住まいコンセプト号「暮らしは変わった?みんなのおうち事情」

 
 

■おすすめの関連コラム

  1. 【業界研究】飲食店のデリバリー・テイクアウトのトレンド情報~2025年調査版~

    コロナによる影響で大きな影響を受けた飲食業界で特に注目されていたのが、デリバリー・テイクアウトで...
  2. 【業界研究】外壁塗装業界のトレンド情報 〜2024年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は外壁塗...
  3. 【業界研究】求人業界のトレンド情報 〜2024年調査版〜

    ビジネスで最適な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は各業界の求...
  4. 【業界研究】プログラミングスクール業界のトレンド情報 〜2024年調査版〜

    IT化が加速している現代では、プログラミングの知識は一般的なものになってきています。 多くの社...
  5. 【業界研究】介護業界のトレンド情報 〜2024年調査版〜

    高齢化に伴い注目され続けている「介護業界」。 参入を考えている方は、現在の動向や将来性について...
  6. 【業界研究】リフォーム業界のトレンド情報 〜2024年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回はリフォ...
  7. 【業界研究】不動産業界のトレンド情報 〜2024年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は不動産業界...
  8. 【業界研究】フィットネスジム業界のトレンド情報~2023年調査版~

    ユーザーの健康促進や体力作りをサポートする「フィットネスジム業界」。 参入してみたはいいも...
  9. 【業界研究】葬儀業界のトレンド情報 〜2023年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は葬儀業...
  10. 【業界研究】整骨業界のトレンド情報 〜2023年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は整骨業...
  11. 【業界研究】リフォーム業界のトレンド情報~2021年調査版~

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回はリフォーム業界...
  12. 【業界研究】飲食業界のトレンド情報~2021年調査版~

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は飲食業界の現状...
  13. 【業界研究】学習塾業界のトレンド情報~2023年調査版~

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は学習塾業界...
  14. 【業界研究】葬儀業界のトレンド情報 〜2020年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は葬儀業界の現状...
  15. 【業界研究】飲食業界のトレンド情報 〜2022年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 そこで今回は...
  16. 【業界研究】美容(美容院)業界のトレンド情報 〜2022年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は美容(美容院)...
  17. 【業界研究】整骨業界のトレンド情報 〜2020年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は整骨業界の現状...
  18. 【業界研究】外壁塗装業界のトレンド情報 〜2020年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は外壁塗装業界の...
  19. 【業界研究】リフォーム業界のトレンド情報 〜2020年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回はリフォーム業界...
  20. 【業界研究】飲食業界のトレンド情報 〜2019年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は飲食業界の現状...
  21. 【業界研究】医療業界のトレンド情報 〜2019年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は医療業界の現状...
  22. 【業界研究】リフォーム業界のトレンド情報 〜2019年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回はリフォーム業界...
  23. 【業界研究】飲食業界のトレンド情報
    〜2018年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は飲食業界の現状...
  24. 【業界研究】不動産業界のトレンド情報
    ~2018年調査版~

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は不動産業界...
  25. 【業界研究】求人業界のトレンド情報
    〜2018年調査版〜

    ビジネスで最適な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は各業界の求...
  26. 【業界研究】美容理容業界のトレンド情報
    ~2018年調査版~

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 今回は美容理容業...
  27. 【業界研究】学習塾業界のトレンド情報
    〜2018年調査版〜

    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は学習塾業界の現...

PAGE NAVI

続きを読む
記事を検索
メルマガ登録者数1万以上 セミナー情報をいち早くお届け
ご提案無料 ウィズコロナ時代に合わせて販促の「見直し」してみませんか?まずはお問い合わせください。
  • 今すぐできる!店舗型ビジネス向けのホームページによる…
    レストランや美容室などの店舗型ビジネスもWEB集客の時代! 店舗型ビジネスの経営者の中には「ホームページ集客なんて無理!」とはなから思い込んでいる方がいます。 立地が重要といわれる店舗型ビジネスですが、昨今では「ホームページ集客で成功して、繁盛店になった!」という例もたくさんあります。 今回は、そんな店舗型ビジネスに奮闘している経営者様向けに、WEB集客の基本についてお話しします。 ※この記事の内容は、基本的にはどの業種でも有効ですので、他業界業種の方もぜひ参考にしてください。
  • カスタマージャーニーとは?新モデル「ORACAS(オ…
    近年カスタマージャーニーの視点が、店舗や企業の販促で注目されてきていますので、経営者や販促担当者は、耳にしたことがあると思います。 一方、カスタマージャーニーは抽象的で、具体的にどのように販促に活かしていけばよいのか、分かりにくい点もあるでしょう。 そこで今回は、カスタマージャーニーの概要とともに、カスタマージャーニーの考え方を実践する販促方法のひとつとして、新モデルORACAS(オラカス)に基づく販促計画を紹介します。 この記事を読むことで、現在の消費者行動に合った販促のヒントを得ことができるはずです。
  • いざという時のために知っておきたい、大規模災害時の中…
    今回は大規模な災害が発生した時に、被災した中小企業に対してどのような支援策が講ぜられるのかについてまとめてみます。前回の記事「災害に備える~中小企業強靭化法について~」では、経営持続力強化についての新しい動きをレポートしました。それは、転ばぬ先のつえとして・事業を営んでいる土地でどのような重大災害が発生する可能性が高いかを調査・その災害が発生した時に自らの事業にどのような影響が生じるかを予測・必要な対策をあらかじめ講ずる場合は国が一定の支援を行うという内容でした。これは、東日本大震災をはじめとする昨今の災害が多発する傾向とその被災状況を踏まえて制定された、新しい予防保全の制度です。今回解説するのは、いったん重大な災害が発生し被害が発生した場合に、国が講ずる支援策についてです。実際に重大な災害に遭遇して、自らに大きな被害が発生すると、その対応に追われ、どのような支援が国や自治体から得られるのかを調べる余裕がなくなることが予想されます。普段から制度の枠組みを把握し、必要な連絡先などを整理しておかれるとよいと思います。
  • スクール業界の正しい原価率や利益率を知る!料金設定の…
    スクール業界の月謝は、自由に設定できます。しかし、自由に設定できるからこそ、設定した月謝で思うように利益が上がらなかったり集客ができなかったりするケースもあるでしょう。 そこで本記事では、スクール業界の料金設定方法について解説します。原価率や利益率の求め方も解説しますので、料金設定の基本を見直していきましょう。
  • GISって何? 地理情報を経営に活かすコツ
    小売店などを経営していれば、誰もが考えるマーケティング戦略。今はFacebookやTwitter、Googleアドセンス等を用いたWeb広告が主流になりつつありますが、どの地域にターゲティングするかを正確に分析することで、費用対効果の高い戦略を練ることができます。また、新規出店エリアの選定においても、大事になってくるのが各地域における複合情報。今回は、地域を分析する上で役立つツール【GIS】について説明いたします。
PAGE TOP