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健康意識が高まっている昨今では、フィットネス業界が注目されています。しかし、「需要はあるのに利益が低い」と悩んでいるジムオーナー様もいるのではないでしょうか。その問題点は、利益率や戦略にあるかもしれません。
そこで、本記事ではフィットネス業界の利益率や利益を上げるためのポイントについて解説します。現在フィットネスジムを経営している方も、これからフィットネス業界に参入する方も、ぜひ参考にしてください。
【目次】
日本では、フィットネス業界が盛り上がりを見せています。
これは、消費者の健康志向が上昇していることが理由だと考えられます。
しかし、コロナウイルスの影響により、一時は低迷状態に陥りました。
では、現在の動向はどのようになっているのか?まずはフィットネス業界の最新動向から確認していきましょう。
【業界研究】フィットネスジム業界のトレンド情報~2023年調査版~
◆フィットネス業界の市場規模
日本のフィットネス業界は、安定的に伸びています。
令和4年の市場規模は4,503億円だったのに対し、令和5年は4,886億円と、その増加率は8.5%です。
しかしながら、コロナ前のピーク時である平成31年の市場規模は4,939億円であったため、コロナ前のピークにはわずかに届いていません。
また、客単価についても例年より減少傾向にあります。令和4年では客単価が98,081円だったのに対して、令和5年では87,645円となっています。
今後も市場規模は伸びると予想はされますが、ピークに届いていない点や客単価が減少傾向にある点を加味すると、フィットネスクラブそれぞれの戦略が重要になってくるといえるでしょう。
※参考元:日本のフィットネス市場、令和5年は4,886億円 | Fitness Business
◆フィットネス業界の損益状況
上記で解説したように、フィットネス市場は伸びている業界ではあります。しかし、業績が悪化している企業もあります。
帝国データバンクによる『2022年度のフィットネス運営企業の損益状況調査』では、以下の結果となりました。
・2022年度の業績が赤字…33.3%
・2022年度の業績が減益…16.7%
・2022年度の業績が前期並み…8.3%
・2022年度の業績が増益…41.7%
半数の企業が増益している一方で、赤字や減益の企業も半数います。
参考元:「フィットネス」市場、復調 前年度比1割増へ 大手は10年で3千店超増 急増「chocoZAP」が存在感 | 株式会社帝国データバンクのプレスリリース
フィットネス業界の理想の利益率は、粗利益率をみるか営業利益率を見るかによって異なります。
フィットネス業界は仕入れなどの費用がかからないため、粗利利益率だけで見れば理想の数値は50%ほどになります。
しかし、管理費・家賃・人件費などを差し引いた営業利益率は5~7%が標準値といえるでしょう。
営業利益率の観点でいえば、最低でも5%はキープ、理想でいえば7%をキープしている状態が望ましいといえます。
フィットネス業界は、利益を上げやすい構造です。なぜなら、以下の特徴があるからです。
・市場規模が拡大している
・経営が安定しやすいビジネスモデル
・利益率が他業種と比べて高い
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
◆市場規模が拡大している
フィットネス業界の市場規模は着実に拡大しています。
日本の民間フィットネスクラブの市場規模は年間4000億円強、会員数は延べ400万人に達しています。
2013年から2018年の間には、フィットネスクラブの数が約4,200軒から約5,800軒に増加しました。
さらに、中高年の健康志向や若い世代の意識変化により、今後も需要拡大が見込まれ、フィットネス業界の収益性は高まると予想されます。
◆経営が安定しやすいビジネスモデル
フィットネス業界は経営が安定しやすいビジネスモデルを持っています。
主な理由は、会員費や利用料が収入の大部分を占め、毎月の売上が予測可能だからです。
例えば、月額1万円で100人の会員がいれば、月収100万円が見込めます。
これにより、将来の集客施策を立てやすく、安定した経営が可能になります。
ただし、新規会員の獲得と既存会員の継続率のバランスを保つことが重要です。
継続率を高めることで顧客生涯価値(LTV)を向上させ、より安定した収益構造を築けます。
◆利益率が他業種と比べて高い
フィットネス業界は他業種と比べて利益率が高い構造にあります。
その理由は、主な収入源である会費設定の自由度が高く、原価率が低いためです。
フィットネスクラブの平均粗利率は約50%、営業利益率は7%弱であり、非製造業の平均営業利益率4~5%を上回っています。
さらに、経費の主な項目は人件費、家賃、設備費に限られるため、コスト管理が比較的容易です。
これらの要因により、フィットネスジムは高い利益率を維持しやすい事業構造となっています。
フィットネスジムには、大きく2つの課題があります。
・スタッフの人材不足による顧客満足度の低下
・競合が多いことでの価格競争
これらの課題に向けた対策を考えなければ、フィットネス業界で生き残ることは難しいでしょう。
以下では、これらの課題が生まれる要因について解説しますので、対策を検討する際の参考にしてください。
◆スタッフの人材不足による顧客満足度の低下
フィットネスジムの利益が上がらない要因の一つに、人材不足が関係しています。
インストラクターやスタッフが不足すると、サービスの質が低下し、顧客満足度が下がります。
その結果、会員数の減少や離脱を招く可能性があるのです。
また、十分な人員が確保できないと、運営における効率も低下し、スタッフ一人あたりの負担が増加してしまい、労働環境の悪化を招くリスクもあります。
◆競合が多いことでの価格競争
フィットネスジムの利益が上がらない課題として、競合の多さによる価格競争も影響しています。
周辺に多くのジムが存在する場合、顧客獲得を目的とした価格引き下げ競争が激化し、利益率が低下する可能性があります。
とくに昨今のフィットネスジムは、安さを売りにしているケースが多く見受けられます。
価格競争により低価格を求める顧客が増える一方で、サービスの質を維持しながらコストを抑えるのが難しくなり、収益の安定は困難になります。
フィットネス業界で利益を上げるためには、多角的な観点からアプローチしなければなりません。
単に集客に力を入れるだけでは、利益は上がりません。
以下で利益を上げるためのポイントを解説しますので、参考にしてください。
◆まずは売上構造を理解する
フィットネス業界で利益を上げるには、まず売上構造を理解することが重要です。
フィットネスジムの売上は「客数(会員数)× 客単価 × 契約継続率」で構成されています。
この構造を理解することで、ジムの課題がどこにあるかを特定できます。
例えば、契約継続率が低い場合、新規会員獲得に力を入れても効果は限定的です。
顧客満足度を高めるためのきめ細かなサービスを提供する方法が望ましいでしょう。
このように、売上構造を把握し、適切な施策を講じることで、効率的に利益を上げられます。
◆価格の見直しで客単価を上げる
フィットネス業界で利益を上げるには、既存メニューの価格見直しを行ってみましょう。
客単価のアップは、会員数の増加よりも利益に直結するからです。
例えば、月額費の適切な値上げや高付加価値サービスの導入により、一人当たりの売上を増やせます。
ただし、むやみな値上げは解約率上昇のリスクがあるため、慎重に分析を行ってから実施しましょう。
◆オプションメニューの追加
フィットネスジムの利益を上げるために、基本会費以外の売上も作っていきましょう。
そのためには、オプションメニューの追加が有効的です。
例えば、ロッカー利用、プロテインサービス、タオル・ウエアレンタルなどが考えられます。
さらに、オリジナルグッズの店頭販売も効果的です。
Tシャツやタオル、プロテインシェーカーなどのオリジナル商品を提供することで、ブランド価値向上と売上増加が期待できます。
既存顧客の客単価を上げるだけでは利益をあげられない場合には、新規顧客を獲得していかなければなりません。
以下で、新規顧客獲得の主な方法について解説します。
パーソナルトレーニングジムの集客のポイントとは?成功例をご紹介
◆チラシのポスティング
店舗近郊へのチラシポスティングは、新規会員獲得に効果的な方法といえます。
地域に密着した宣伝ができるからです。
さらに、初月無料券などの特典を付与すれば来店率を高められます。
とくに地域密着型のフィットネスジムにとって、紙チラシは高い費用対効果を持つ宣伝手段です。
【学習塾、英会話、スポーツジム等のスクール業界】チラシ折込、ポスティングを成功させる3つのポイント~ちいき新聞活用の場合~
◆Webの活用
現代の集客において、Webの活用は必要不可欠です。
低コストで広範囲に情報発信できるため、成功すれば多くの集客効果が見込めます。
具体的な方法として、リスティング広告、SNS発信、Googleビジネスプロフィールの活用があります。
それぞれの使い分けは、以下のとおりです。
・リスティング広告…「地域名 フィットネスジム」などのキーワードで広告を出稿
・SNS…魅力的なコンテンツを発信して知名度を拡大
・Googleビジネスプロフィール…ジムの基本情報や口コミを掲載し、地域検索での有効性を高める
これらのWeb戦略を組み合わせることで、効率的に新規会員を獲得し、ジムの利益向上につなげていけます。
◆利便性の向上
新規会員を獲得するために、ジムの利便性向上も検討しましょう。
昨今のフィットネスジムでは、「手軽に通える」といった点が注目されやすいからです。
たとえば、オンライン予約システムやスマホアプリの導入が考えられます。
これにより、顧客は簡単に予約やトレーニング管理ができるようになります。
その他にも、24時間営業や無人受付の導入も良いでしょう。
これらの利便性の向上は、顧客満足度を上げ、新規会員の獲得と既存会員の継続につながります。
フィットネス業界は、元から利益を上げやすい構造であるため、他業種と比べれば利益を上げるのは容易といえます。
しかし、昨今では、競合他社が多いためにレッドオーシャンに近い業界ともいえるでしょう。
この環境化で生き残るためには、各フィットネスジムの集客や顧客満足度にフォーカスした工夫が必要です。
ぜひ、今回の記事を参考にしながら、様々な施策を検討してください。
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