法人営業における「BANT情報」をうまく活用して成約率を高める方法(実践活用編)

公開

前回の記事でB to B 営業(法人営業)における営業ヒアリングフレームワーク「BANT情報」についてお話ししました。

では、実際BANT情報を上手く活用するにはどうすればいいのか。

今回は、具体的な実践方法についてお伝えします。

 

前回記事「法人営業における「BANT情報」をうまく活用して成約率を高める方法」

 

【目次】

1.そもそもBANT情報とは?

2.BANT情報はどのように活用すればいい?

3.まとめ

そもそもBANT情報とは?

まず営業する際に最初に確認しておきたい「BANT情報」についておさらいします。

 

①Budget(予算)
自社の提供するサービス・製品を購入するための予算をもっているかどうか。
具体的にはこちらの提示する見積金額を相手がしっかりと確保できるか、また確保できる時期(タイミング)はいつかを把握します。
発注の決裁権(決定権)があっても、そもそも予算がない、取れない場合はサービス・製品の購入や導入の見込みは低いといえます。

 

②Authority(決裁権)
営業では決裁権をもつ相手にアプローチすることが重要といわれています。
誰が決裁権を握っているのかを把握し、その相手にピンポイントでアプローチをかけることで成功率が上がります。
もし担当者が興味・関心を持っても、決裁権が無ければ、結局は決裁権のある上司に再度営業することになり非効率です。

 

③Needs(ニーズ)
相手の要望やニーズが企業としてのものであるかどうかを判断します。
担当者が個人的に興味・関心を抱いたとしても、企業自体にニーズがなければ、アプローチをかけてもその場で成約することは難しく、最悪の場合、徒労に終わってしまいます。

 

④Timeframe(導入時期)
サービスや製品の購入・導入時期が具体的に決まっているかどうかを確認します。
決裁権のある担当者と商談を行い、予算も十分に取れていて企業としてニーズがあったとしても、競合のサービス・製品を購入・導入済み、またはその担当者自体が他の案件で忙しいなどの理由で導入時期を把握できない場合は、発注の時期が見えず成約に時間がかかる可能性があります。

BANT情報はどのように活用すればいい?

以下、BANT情報を活用する際の注意点です。

 

1.初回ですべてを把握できなくても構わない
「BANT情報」は主にお客様へのヒアリングから得ますが、必ずしもお客様が最初からすべてを話してくれるとは限りません。また担当者が会社の状況をすべて把握していない可能性もあります。
そのため、初回から「BANT情報」をすべて正確に把握できなくても構いません。
ただしその場合、不明確な部分は、ある程度予測してカバーするようにしましょう。

 

2.BANT情報は定期的にアップデートする
お客様の状況は日々変化します。
最初はなかった予算も、何かしらのきっかけで確保できるようになったり、決裁権者が変更になったりすることだってあります。
最新の情報を入手するためにも、お客様へのヒアリングは定期的に実施しましょう。
前回聞き出せなかった情報も、後日、再度ヒアリングすることで手に入るかもしれません。

 

 

「BANT情報」を営業ヒアリングの際にしっかりと把握し、管理、定期的にアップデートすることで、営業全体の受注率は向上します。
私の経験上、最初は興味・関心がなくても、継続的にお客様との関係を維持していれば、“その時”が来たとき受注にいたることは多々あります。
“その時”とは、「BANT情報」の欠けていた要素が満たされたときです。
法人営業では非常に有効な情報ですので、その意味をよく理解して是非ご活用下さい。

まとめ

・BANT情報とは「Budget(予算)」、「Authority(決裁権)」、「Needs(ニーズ)」、「Timeframe(導入時期)」の4つを表す。

 

・BANT情報は初回のヒアリング時にすべてを聞き出せなくても構わない。そのときは、話の断片から現状を予測する。

 

・BANT情報は常に最新版にアップデートすることが大事。そのためにも、お客様に定期的にヒアリングすることを忘れずに。

セミナー情報 セミナー情報

 
 

The following two tabs change content below.
株式会社ベストエフォートマーケティング 代表取締役。 東京理科大学大学院卒業後、外資系企業にてマーケティング職、国内・海外営業職に従事。2011年4月に株式会社ベストエフォートマーケティング代表取締役就任。 “WEBを起点としてビジネスを発展させる”をキーワードに、WEB製作、WEBマーケティング、営業コストを抑えて売り上げを上げていく効率的なマーケティング手法、 営業手法などを提案。海外のグローバル企業、上場企業、中小企業、ベンチャー企業等500社以上の企業の営業マーケティング支援実績。 ホームページ : https://besteffortmarketing.co.jp/ Facebook : https://www.facebook.com/yushukanemura

■おすすめの関連コラム

  1. 業界別トレンド情報と販売促進・集客のポイント

    新型コロナウイルス感染症の影響で人々の生活が大きく変わり、各業界に大きな影響がありました。 し...
  2. ウィズコロナ時代!販促の見直しポイントとは?

    新型コロナ感染症の影響によりマーケットもお客様の意識も大きく変わりました。 企業の広報担当者・...
  3. 自動車業界の方必見!自動車業界の課題と解決方法とは!?

    自動車業界は「CASE」という用語に象徴されるように、大きな変化の渦中にあり、多くの課題も存在し...
  4. 自動車業界の方必見!自動車業界のトレンドと今後の動向に迫る!

    自動車業界には「CASE」をはじめさまざまな変化が起きています。 自動車業界はメーカーだけでな...
  5. 【withコロナ】テイクアウト・デリバリーを活用して選ばれる店になる!

    withコロナの影響で、店内での飲食が避けられるようになったため、飲食店の活路としてデリバリーや...
  6. 飲食店の敵、閑散期の「ニッパチ」を乗り切る集客方法とは?

    飲食業界に限った話ではありませんが、2月と8月は「ニッパチ」と呼ばれ、他の月と比べると客足が落ち...
  7. 住宅・不動産・リフォーム業界の方必見!販売促進や集客方法をまとめてご紹介

    住宅・不動産・リフォーム業界は、商品・サービスが高額であり、ライバル企業が多いということもあるの...
  8. ゴールデンウイーク対策!集客にオススメのイベントやサービスをご紹介

    ゴールデンウイークは多くの店舗にとって売上を伸ばすチャンスです。集客に向けて、イベントなどに力を...
  9. 新規顧客獲得にも! 飲食店で導入できる宅配・デリバリーサービスのメリット

    飲食店の宅配・デリバリー市場は拡大を続けており、後押しするように店舗の出前をサポートするデリバリ...
  10. 暑すぎて客足が遠のく…客足を増やす3つの対策とは!?

    猛暑は暑さ対策の商品・サービスにとっては追い風になる一方、暑すぎると人々は外出を控えるので、一部...
  11. 商談イメージ

    ビジネスパーソンは“見た目”“見え方”などの第一印象が重要です。

    ビジネスを展開していく上で、ビジネスパーソンが“見た目”“見え方”を意識するのは非常に重要なこと...
  12. 営業 契約のイメージ画像

    B to Bビジネスにおけるマーケティングと営業の役割の違いについて

    皆さんに改めてお聞きしますが、そもそも“マーケティング”とはいったいどのようなものでしょうか? ...
  13. “メリット”と“ベネフィット”の違いを理解して
    訴求力のあるセールストークをつくりましょう。

    セールスをする際、商品・サービスの“メリット”だけでなく、お客様にとっての“ベネフィット”をきち...
  14. 法人営業における「BANT情報」をうまく活用して成約率を高める方法

    法人営業、すなわちB to B営業における案件についての営業ヒアリングフレームワークとして「BA...

PAGE NAVI

続きを読む
記事を検索
メルマガ登録者数1万以上 セミナー情報をいち早くお届け
ご提案無料 ウィズコロナ時代に合わせて販促の「見直し」してみませんか?まずはお問い合わせください。
  • インボイス制度に対応しないとどうなるのか?違反した場…
    インボイス制度の導入が、2023年10月1日に迫っています。 個人事業主や企業はインボイス制度対応のための準備をすすめる必要があります。 そこで今回は、インボイス制度の概要と、対応しないとどうなるのか、違反した場合の罰則、注意が必要な禁止行為、禁止事項などを解説します。 この記事を読むことで、インボイス制度で注意すべき点を確認できるはずです。
  • 商談イメージ
    ビジネスパーソンは“見た目”“見え方”などの第一印象…
    ビジネスを展開していく上で、ビジネスパーソンが“見た目”“見え方”を意識するのは非常に重要なことです。 特に、初対面の印象は重要であり、それによって後の成約率も変わってきます。 しかしながら、ビジネスパーソンの中には、初対面での印象を意識せずにお客様との初商談を迎えるなど、事前準備を疎かにする方もいます。 今回は第一印象の重要性と、印象を良くする方法についてご説明します。
  • カスタマージャーニーとは?新モデル「ORACAS(オ…
    近年カスタマージャーニーの視点が、店舗や企業の販促で注目されてきていますので、経営者や販促担当者は、耳にしたことがあると思います。 一方、カスタマージャーニーは抽象的で、具体的にどのように販促に活かしていけばよいのか、分かりにくい点もあるでしょう。 そこで今回は、カスタマージャーニーの概要とともに、カスタマージャーニーの考え方を実践する販促方法のひとつとして、新モデルORACAS(オラカス)に基づく販促計画を紹介します。 この記事を読むことで、現在の消費者行動に合った販促のヒントを得ことができるはずです。
  • 【業界研究】外壁塗装業界のトレンド情報 〜2020年…
    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は外壁塗装業界の現状と今後の見通しについて、「販促の大学」を運営している地域新聞社に2020年4月に入社した新卒社員が調査しました。おすすめの販促方法もご紹介しますので、外壁塗装業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。
  • 【業界研究】医療業界のトレンド情報 〜2019年調査…
    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。今回は医療業界の現状と今後の見通しについて、地域新聞社のマーケティング部と、同社2019年4月入社の新卒社員が共同で調査しました。おすすめの販促方法もご紹介しますので、医療業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。
PAGE TOP