ノベルティグッズという言葉はよく耳にしますが、具体的にどんなものが思い浮かびますか。
「●●円以上購入で、ノベルティプレゼント♪」といううたい文句がアクセサリーショップや服飾店、雑貨店などでよく使われますが、実はこれは「プレミアム」と呼ばれる購入者への特典品です。
ノベルティグッズは、企業や店舗で使われる販促方法の1つで、企業名や自社サービス、自社ブランドが印刷されたアイテムなどを無償で配るもの。企業や商品、サービスの認知度の向上や商品の購入を促すことを目的としており、企業イメージをグッズに落とし込むことでブランディングにもつながります。
今回はこの、ブランディングを目的としたノベルティグッズで販促を成功させるコツについてご紹介します。
【目次】
1.なぜノベルティグッズを配布するのか
2.集客を意識したノベルティグッズ
3.もらってうれしい!もらってびっくり!のアイテム紹介
4.ノベルティグッズを活用した販促活動
5.地域新聞社のノベルティグッズ活用方法
6.まとめ
なぜノベルティグッズを配布するのか
皆さんに最も身近なノベルティグッズといえば、街中で配られるポケットティッシュではないでしょうか。あると便利なポケットティッシュは、値引クーポンや無料体験のチケットが入っていることもあるので、ついついもらってしまいますよね。
こういったノベルティグッズには、必ず会社名が入っているため、刷り込み効果が期待できるというのがメリットの1つでしょう。しかし、ただ作って配ればよいというわけではありません。満足のいく刷り込み効果を得るためには、需要度の高いノベルティグッズを用意する必要があります。
例えば、
ポケットティッシュを取り出す → 会社名の入ったパッケージを目にする
という動作は、風邪や花粉症の人はもちろん、食後に口を拭いたりこぼした飲み物を拭くとき、女性ならメイク直しをするとき、子どものよだれや汚れを拭きとるとき、ガムを吐き出すときになど、1日に何度も発生します。また、中身を使い終えるまでは手元に残ることでしょう。ポケットティッシュを取り出すたびに企業名やクーポン、広告のうたい文句が目に入りますので認知度向上が狙えます。つまり、ノベルティグッズをきっかけに、何かを購入する際に思い出してもらえる可能性が高まるのです。
このように、もらって役立つノベルティグッズを配布すれば、認知度が向上するだけではなく、お客様に喜ばれ、その企業に対して友好的な感情を持ってもらえることでしょう。
ちなみに、ポケットティッシュは使用頻度が高い上に、カバンがなくてもポケットに入り、カバンの中でもかさばらず、老若男女を問わず使ってもらえる実用性の高いアイテムです。それ以外にも、ボールペンやメモ帳、カレンダーなど、使用頻度が高くて受け取りやすく、日常的に活用できるアイテムがノベルティグッズ向きといえます。使用頻度の低いものや利用シーンが限られるものは、高い効果は見込めません。
また、制作するには当然コストがかかります。ノベルティグッズは無償で配布するものですので、売上につながらないようなアイテムを制作すると、ただ制作費がかかるだけで終わってしまいます。チラシや広告などと同じように宣伝効果を狙うものですので、きちんと集客を意識して制作するようにしましょう。
集客を意識したノベルティグッズ
さて、ブランディングを成功させるだけではなく、集客に結び付けるためにはどうしたらよいでしょうか。「制作費をかけたけど失敗」となってしまわないように、制作のポイントを2点にまとめてみました。
① ターゲット、目的を明確にする
・使用頻度の高いものは刷り込み効果が期待できる
(例)カレンダーやボールペンなど
・多くの人にPRしたい場合や比較的コストを抑えたい場合
(例)ポケットティッシュなど
・企業PRや企業理念の浸透が目的の場合は、捨てられる可能性の低いものや理念にあったものを
(例)マグネットやお年賀(五円玉)など
上記は一例です。目的とコストを考えて選ぶようにしましょう。また、ペルソナを作成して具体的なターゲットを想定するのも効果的です。
② もらってうれしいアイテムを選ぶ
BtoBとBtoCではターゲットが全く異なりますので、もらってうれしいアイテムも変わってきます。また、ターゲットの性別や年代によってもアイテムを使い分けるのがよいでしょう。あまり費用をかけられないからといって、すぐにインクが出なくなるボールペンや、すぐにはがれる付箋など、質の低いアイテムを選んでしまうと、企業の信用も下がってしまう可能性がありますので、やめましょう。
※ノベルティ制作の一例
・ポケットティッシュ
・タンブラー
・あぶらとり紙
・カイロ
・エコバッグ
・モバイルバッテリー
・カレンダー など
2020年7月よりレジ袋の有料化が義務付けられますので、これまでは持ち歩かなかった男性にも、エコバッグの需要が出てくるのではないでしょうか。
ちなみに、筆者は毎年12月になると飼いネコの検診で動物病院に行くのですが、時節柄いつもかわいい大きめのカレンダーをいただきます。月ごとに犬とネコの写真が交互に掲載されていて、とってもかわいいです。これをもらうために毎年行っているといってもいいかもしれません。
つまり、これも立派な「広告」になるわけですから、チラシの制作や通常の広告と同じように、お客様目線に立って考えることが集客の一番の近道といえるでしょう。
もらってうれしい!もらってびっくり!のアイテム紹介
筆者がBtoB向けの展示会やセミナーでもらってうれしかったアイテムや、おもしろいノベルティグッズについて、私個人の感想とともに紹介します。
・ペットボトル飲料
企業名やサービスのロゴが入ったラベルが付いていました。飲み終わらなければ持って帰れるので、とても良かったです。ラベルもとってもおしゃれで、外で飲むのも恥ずかしくなかったです。
・キャラメルキャンディー
食べ物をもらったは初めてだったので、会社に戻った後皆に見せて回りました。口の中がさみしいときに食べようと、会社のデスクに潜ませました。
・ティーパックのお茶
こちらも社内でいつでも飲めるので、デスクに潜ませました。
・バジル栽培キット
デスクに置けるかなり小さめのキットです。毎日水をあげて、日に当てるとすくすく育ちます。珍しいものをもらったのでかなり印象に残っています。
・質のよいボールペン
「●●社のノベルティボールペンは書きやすい!」と同僚と意気投合。とっても書きやすいので使用頻度が高いです。
・モバイルバッテリー
ゴリゴリで派手な企業ロゴが入っていたのですが、もらって困るものではないので、ありがたくいただきました。ペンケースに入る小さめのサイズだったので、持ち歩きに便利でした。
・ペン型消臭剤
「なんだろう?」という、インパクトがありました。気軽に持ち歩きができ、気になるときにさっと使用できるので便利でした。
・分厚い書類が挟めるクリップ
書類の分類に使っています。かなり大きいクリップで、かわいい自社のキャラクター付き。すぐに書類を見つけられるので、よく取り出すものに使っています。
このように、展示会やセミナーで配布するなら仕事中に使用できるものがよいですね。私の場合ほとんどオフィスに置いて使っているので、どの企業もブランディングや認知度向上に成功していると思います。
ノベルティを活用した販促活動
いわゆる「プロ野球チップス」の社長バージョンだと思ってもらえれば間違いはありません。プロ野球チップスと同じように、パッケージにはレジェンドたちの写真と企業ロゴが掲載され、誰が出るかわからない社長カードも、おまけとして付いてきます。
当社の社員も、ノベルティグッズとして
株式会社ESSPRIDEで取り扱っている社長チップスをもらったようで、いつもデスクの上に飾っています。同僚やたまに来る他部署の社員からも「これなに?」とよく聞かれており、社内でも話題になっています。
また、「社長チップスをもらった!」という珍しい経験は「誰かに言いたくなる」そうで、もらった本人が「見てみて~」と周囲に見せびらかせており、口コミで社内での認知度は右肩上がり。
しかも、何度も周囲に伝えているうちにもらった当人は、社長チップスについて脳内ザイアンスが働き、何度もその商品を思い出し親しみを持ち始める、ということもおきています。その話題を聞いた人たちも、社名はわからなくとも、「社長チップスを作ってる会社」と思い出すので、さらなる脳内ザイアンスが働き、マインドシェアが高まっていっています。
もらったら人に言いたくなるという話題性があり、口コミで広げやすいアイテム。この「社長チップス」は、ばっちり認知向上やブランディングに成功しているノベルティグッズだといえます。
地域新聞社のノベルティグッズ活用方法
当「販促の大学」を運営している
地域新聞社のノベルティグッズ活用方法についてご紹介します。当社も年に2~3種類のノベルティグッズを作成し、お客様にお渡ししています。
毎年、年末にはカレンダーを作成します。カレンダーは閲覧頻度が高く、しかも1年を通して使用されるものなので、高い刷り込み効果が期待できます。
当社では社内のデザイナーにデザインをしてもらっていますので、毎年違うカレンダーを用意できます。季節に合った販促のキーワードを、月ごとに小ネタとして取り入れています。
また、新年のあいさつとしてお年賀ノベルティグッズも作成しました。これは、お客様の商売繁盛を祈願したノベルティグッズで、「ご縁があるように」と五円玉が入っています。かなりインパクトがあるアイテムの1つです。
この五円玉は、鎌倉市にある銭洗弁財天宇賀福神社や成田市にある成田山新勝寺などで祈祷してもらったもので、「金運上昇」のご利益があるといわれています。
※「成田山新勝寺」にて
※藤沢市「銭洗白龍王」にて
このノベルティグッズは刷り込み効果が目的ではなく、企業理念である「人の役に立つ」の実践であり、企業理念のPRに近いものです。企業の特徴を持たせることで、よりノベルティグッズとしての効果を発揮します。
まとめ
ノベルティグッズはやみくもに作ればいいというものではなく、目的によってアイテムを変える必要があります。アイテムによっては費用が変動することもありますので、目的に応じてタイミングよく費用投資をしていきましょう。