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中小企業のブランド戦略・パート4
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- 中小企業のブランド戦略・パート3 - 2018年6月20日
皆さんが消費者の立場に立った時、同じような会社やお店、商品・サービスがいくつもあって、その中からどれか一つをを選ぶのに苦労した・・・そんな経験はありませんか?値段もあまり変わらないような場合は、特に悩みますよね?
今回は、消費者に選ばれるためには、どのような方向性で企業努力をすれば良いのかについて書いてみます。
【目次】
1.価値は大きく分けて2つに分類できます。
2.複雑化している顧客ニーズ
3.コンセプトを明確にする。
消費者によって「何に価値を置くか」は様々であり、単純に類型化できるものではないのですが、大きく分けて2つに分類することができるでしょう。
・掃除機:吸引力
・時計:正確な時間を知る
・財布:お金を持ち歩く
機能的価値とは上記に書いた通り、商品・サービスそのものが提供する価値であり、その機能を取り除いてしまうと、商品・サービスとして成り立たなくなってしまう価値のことです(吸引しない掃除機は掃除機として成り立たない)。
・掃除機の色やデザイン
・時計のデザインやブランドの持つ優越感
・財布のデザインやブランドの持つ優越感
情緒的価値とは、機能や品質ではなく、デザインなどの商品・サービスに付加されている情報や、商品・サービスの機能以外の価値のことです(掃除機ならば色やデザインなど)。
皆さんは何に価値を置いて商品・サービスを選んでいるのでしょうか?
あのお店の雰囲気が好き、あの服の色やデザインは私に似合う、素敵、期待できそうなど、皆さんのお客さまはどんなことに反応して価値を感じているのでしょうか?
消費者の立場になって整理してみると、自社の価値づくりのヒントが見えてくるかもしれません。
現代のようにモノも情報も溢れている成熟社会の場合、商品・サービスを機能的価値のみで差別化することは難しいです。機能的価値をしっかりと磨きつつ、どのような情緒的価値を消費者・顧客に提供できるかが、ブランドの価値を大きく左右します。
また、価値とは「消費者・顧客にとっての価値」なので、機能的価値にせよ、情緒的価値にせよ、消費者・顧客の「ニーズ」と、どのように結びつけるのかが、とても重要になります。
皆さんの会社やお店の商品・サービスは、誰のどのような「ニーズ」と結びつくのでしょうか?
ブランディングのお手伝いをしていると、複雑化しているニーズに合わせて、あれもこれもと求めてしまい、結果的に曖昧なブランドになってしまうことも少なくありません。これはブランド構築の際に一番陥りやすい罠です。
ニーズが複雑なのであれば、ブランドコンセプトをより明確にすることが大切になります。伸びている会社やお店はコンセプトも明確ですし、やることや行動も明確です。同時にコンセプトに沿って「やらないこと」も明確になっています。
例えば、ディズニーランドには託児所がありません。そこには「ご家族の皆さんで夢と魔法の国をお楽しみください」という強いメッセージが込められています。安易に、様々なニーズを満たそうとすると、本来のブランドの良さがぼやけて輪郭がはっきりせず、結果としてその価値を毀損してしまう恐れもあります。
ブランドコンセプトは会社やお店の商品・サービスにとっての大きな求心力になります。まずは、「誰に」「何を」「どのように」を設計してみましょう。コンセプトが明確になると行動もシンプルになり、より高いパフォーマンスが期待できるようになります。
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