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近年、美容業界は市場規模や出店数が緩やかに拡大・増加している一方、サービスが多様化し、競争が激化しているなど変化の最中にあります。
美容業界の経営者や店舗運営の担当者は、業界の現状を知って将来に備えることが大切です。
本記事では美容業界の現在のトレンドと、今後の展望を考えます。
【目次】
1.美容業界の現在のトレンド
2.美容業界の今後の動向
3.まとめ
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(参考記事)
美容業界の市場規模は緩やかに拡大しているものの、サービスの多様化などさまざまな変化があります。
ここでは美容業界のトレンドを紹介します。
◆市場規模は緩やかに拡大
美容業界の市場規模はわずかながら拡大傾向にあります。
厚生労働省の資料によると、2005年から2015年の10年間はカットやパーマネントなどへの支出額はやや減少傾向でしたが、それを補うようにセットやヘアカラーといった「その他の理美容代」は増えており、市場規模は1.1兆円から1.3兆円へと拡大しました。
厚生労働省:美容業の実態と経営改善の方策
◆出店数は増加
美容室の店舗数も増加傾向です。
厚労省の資料では、2014年時点では「美容所」の数は23万店台でしたが、2018年には25万店を超えており、市場規模の拡大とともに店舗数も増加傾向なのがわかります。
同じ期間にホテル・旅館、公衆浴場、クリーニング業などの事業所数は減少しており、美容業界とは対照的です。
また、出店数に加えて美容師の免許取得件数も近年微増傾向にあります。
2000年代半ばのピーク時よりは落ち込んでいるものの、2011年から2015年までは底堅く1.7万人から1.9万人程度で推移してきました。
厚生労働省:生活衛生関係
◆サービスは多様化
美容業界は近年サービスや運営方法が多様化しています。
最も顕著なのがネット予約です。
現在は予約サイトや店舗情報検索サイトが充実しており、美容室経営においてインターネットの活用は重要な要素になりつつあります。
また、出張カットやシェアサロンといった新しいサービスも生まれている状況です。
出張カットは、高齢者など美容室に出向けない人のもとに美容師が訪問する方法で、介護が必要な人でも利用できるとして注目されています。
シェアサロンは、店舗を持たない美容師が別の店舗を一時的に借りることで、新しい営業の形として活用されています。
ここまで、現在の美容業界の状況を解説してきましたが、今後はどのような展開が予想されるのでしょうか。
ここからは2つのポイントを紹介します。
◆競争の激化
美容業界の競争は今後さらに厳しくなっていくことが予想されます。
先述の通り美容業界の市場規模は緩やかに拡大傾向ですが、同時に店舗数も増加している状況です。
今後、人口が減っていく中で、市場のパイの取り合いがますます厳しくなることが想定されます。
市場規模の内訳を見ても、カットやパーマネントといったこれまで主力だったサービスへの支出額は減っており、代わりにセットやヘアカラーといったサービスが増えている状況です。
このように顧客のニーズが多様化していく中で選ばれ続けるには、競合店との差別化を図っていかざるを得ないでしょう。
◆二極化傾向の加速
今後は二極化が加速していく可能性もあります。
美容業界の特性として挙げられるのは小規模事業者の多さです。
厚労省の調査では、美容業のうち個人経営が88.7%、従業者数3人以下の事業者が72.9%という結果でした。
顧客が求めるサービスが変化しニーズが多様化していく中で、小規模な事業者がそれらに対応することは簡単ではありません。
美容室が生き残っていくためには、小規模のまま何らかのサービスに特化して勝負するか、あるいは他店と合併・提携して規模を大きくし、多様なサービスを提供するか、のどちらかが必要となるでしょう。
美容業界は、市場規模が緩やかに拡大し店舗数も増加傾向にある中、顧客が求めるサービスは多様化しつつあります。また、ネットの活用や出張カット、シェアサロンといった動きも生まれている状況です。
このような中で生き残るためには、特定サービスへの専門化か、経営体力の拡大が必要で、今後はこの二極化に進む可能性があります。
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