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中小企業のブランド戦略・パート4
自社の独自性や優位性「ポジショニングについて」 - 2018年8月22日 - 中小企業のブランド戦略・パート3 - 2018年6月20日
- 中小企業のブランド戦略・パート3 - 2018年6月20日
中小企業だからこそ狭く深く
ポジショニングとは簡単に言うと“「ペルソナ」(見込み客)の心の中の立ち位置”ということになります。
あなたのブランド(商品・サービス・会社)はペルソナの心の中でどのような位置を占めるのか?をビジュアル化したものがポジショニングマップとなるのです。
私の経験になりますが、市場を全般的に網羅したポジションだけでは自社の価値は明確にならないものです。
立地一つとっても、ペルソナが駅から30分以上歩くような立地に居住していて、なおかつ通勤も車での移動が頻繁であればどうでしょうか?駅から遠いというのは一見、悪条件と捉えられがちですが、そもそもペルソナの心の中に好立地という軸は薄いものです。
もちろんその時々の使い勝手を考慮すれば可能ですが、小さな会社や地域密着となればなるほど、よりペルソナの内部考察からポジショニングを見ておくのが重要なことだとお分かりいただけるのではないかと思います。
ポジショニングマップも一つではなく、様々なペルソナの視点を考えてつくっておくことも重要です。顧客ニーズや提供できる価値でポイントを多く把握しておく必要があります。価値にも機能的価値(製品そのものが提供する価値)と情緒的価値(それ以外の感情で感じる価値)があります。
他にも製品の使い方や買い方なども考慮すると、様々な条件でのポジショニングが存在することが分かります。
また、自社のポジションだけではなく競合がどのポジションを占めているかを明確にし、仮に同じポジションにいる場合はどこで差別化がなされているか?(するべきか?)も考察しておくと良いでしょう。軸の条件を変えてみるのもオススメです。同時にこの条件だと独自性が取れない、ということを理解しておくことも今後の戦略を構築するヒントにつながります。
ポジショニングで明確になったペルソナの、心の中の立ち位置は文章化しましょう。
「在り方が決まったか?」
「方向性が示せているか?」
「価値が最大化していく可能性を感じるか?」
「力を束ねられると思うか?」
などを客観的にチェックしてみてください。
例)
スターバックス:サードプレイス
ポルシェ:壊れないプレステージスポーツカー
Afternoon Tea:日常のなかのこころのゆとりを大切にしています
ブランド戦略とは未来に向けてのものであり、これからの経営をどのような戦略で行っていくかをコンセプトとして整理しておくと、ブランドの浸透の基準として役立ちます。そして優れたコンセプトは社外だけでなく社内の求心力としても働きます。意識するべきは「誰に、何を、どのように」の視点が反映されているか、ブランドとしてのビジョンに沿ったものになっているか、です。今一度、自社のブランドのコンセプトをチェックしてみましょう。
ブランディングは積もるところ記憶のマネジメントです。ペルソナにどう思われたいか?を心の中に築く事で、より選ばれやすくなるのです。作ったコンセプトを基に刺激を設計していきましょう。
刺激の一つであるブランド要素は9つ。
・ネーミング
・ロゴ
・キャッチコピー
・キャラクター
・色
・パッケージ
・ジングル(音)
・匂い
・ドメイン
全てを作る必要はありませんが、それらがブランドイメージを心の中に作るために必要な最少単位の要素になります。
ブランディングの際にいきなり刺激の設計から入ってしまう方もいますが、私はオススメをしていません。ブランドにはある種の「意味」を含むものが望ましいと考えているからです。コンセプトを明確にしてから刺激設計をするように心掛けてみてください。
チェックするポイント
・コンセプトからの一貫性は?
・コンセプトの意図が伝わるものになっているか?
・継続的に使えるように意味が表現されているか?
独自性がペルソナの心の中でこちらの意図した記憶になるように設計していきましょう。
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