駅商圏分析センターシリーズ。今回はJR津田沼駅周辺の分析です。
駅舎は習志野市ですが、ホームの一部が船橋市にまたがっている面白い構造。ですから、船橋市民の利用も多い駅です。
JR津田沼駅の他に、徒歩約4分で新京成線津田沼駅、同約15分で京成線京成津田沼駅も利用可。快速停車駅でもあり、ラッシュ時には東京メトロ東西線直通電車も乗り入れ、東京方面や新宿方面への移動はとても便利です。
駅南側は再開発により、利便性がますます高まっています。
1日の平均乗車客数は104,073人 (2017年)。2000年から2017年で見てみると、若干減少しているもののほぼ横ばいです(105,205人⇒104,073人)。
【目次】
1.円商圏
2.居住人口・人口増減率
3.世帯人員
4.住居
5.収入
6.昼間人口
7.将来人口
8.まとめ
円商圏
前提としてJR津田沼駅から
① 半径1km圏
② 半径1~2km圏
③ 半径2~3km圏を分析します
※基準値…千葉県平均
1km圏
新京成線新津田沼駅と京成線京成津田沼駅を含むエリア。
駅北口側は、パルコやイトーヨーカドー、イオンモールと大型商業施設が集まっています。またチェーン店や個人経営の居酒屋がひしめく飲み屋街や和洋問わず飲食店も多くグルメ散策も楽しそう。
南口側はショッピングモールとオフィスビルの複合施設「モリシア」があり、こちらも買い物には便利。またすぐ近くに千葉工業大学があるので、学生の姿もよく見かけます。再開発された「奏の杜」はファミリー向けの閑静な住宅街。環境整備と治安に力を入れています。
1~2km圏
JR総武線東船橋駅、京成線谷津駅、新京成線前原駅が含まれます。駅から見て南西の方向には京葉道路花輪IC。この近くには谷津干潟があり、一年を通して渡り鳥が飛来するスポットとして有名。
南東には市役所や警察署、消防本部と、生活基盤となる施設が集中しています。また西側には県内屈指の進学校、県立船橋高校があります。
2~3km圏
JR総武線幕張本郷駅、JR京葉線新習志野駅・南船橋駅、京成線船橋競馬場駅・幕張本郷駅、新京成線薬園台駅、東葉高速線飯山満駅が含まれるエリア。駅から見て南東の方向に京葉道路幕張IC、南側に東関東自動車道谷津船橋ICがあります。また国道14号や357号といった物流には欠かせない幹線道路が通ります。
南船橋駅近隣はららぽーとTOKYO-BAYやイケアといった大型商業施設が立ち並ぶショッピングエリアです。
居住人口・人口増減率
●年代別人口
●人口増減率
1km圏
20歳代から40歳代の人口が極端に多いエリアです。反対に60歳以上は千葉県平均より少ない結果となっています。人口増減率は15.45%と千葉県平均(0.1%)と比較して大きく増加しています。再開発の効果が如実に表れています。
1~2km圏
30歳代・40歳代が多いエリアです。ここも60歳以上は少ないという結果が出ました。人口増減率は1.17%で千葉県平均と比較してやや高くなっています。
2~3km圏
40歳代が多いエリアです。ここも60歳代以上は少ないという結果が出ました。10歳未満・10歳代人口は千葉県平均と同等で、割と小さい子どものいるファミリー世帯も多く居住していることが分かります。増減率は-0.78%。千葉県平均を下回り、人口減少が見てとれます。
津田沼駅周辺は全体的に、比較的若い層で構成されていることが分かりました。
世帯人員
1km圏
総世帯数の約半分(46.33%)が1人世帯となります。利便性の高い駅至近圏によくみられる特徴が出ています。近隣に大学があることも影響していそうです。反対に2人世帯からは、それぞれの項目で千葉県平均を下回っています。
1~2km圏、2~3km圏
1~2km圏と2~3km圏は非常に似た構成になっています。1人世帯は1km圏と比較すると少なくなりますが、千葉県平均からは3%ほど高いという結果となっています。4人世帯が千葉県平均より高い値になっているのが特徴的です。
住居
1km圏
持ち家比率(46.64%)は千葉県平均値(66.56%)より約20%低い数値になっています。住宅の建て方を見ると、共同住宅が79.24%と千葉県平均値(44.28%)よりも約35%高い数値になっています。先ほどの世帯人員も考慮すると、1人世帯・賃貸住宅、という関係性が見えてきます。
1~2km圏
持ち家比率が55.21%と千葉県平均より約11%低いものの、1km圏よりは高くなります。共同世帯が61.52%と多くを占めており、一戸建ての持ち家というよりは、分譲マンションの割合が高いようです。
2~3km圏
1~2km圏とよく似た構成です。
収入
1km圏
平均年収が523.6万円。千葉県平均(523.6万円)とほぼ同じです。1人世帯が多い割には平均年収が高いという結果が出ています。
1~2km圏
平均年収が538.9万円。千葉県平均より約15万円高くなっています。
2~3km圏
平均年収が536.0万円。千葉県平均より約12万円高くなっています。
どの商圏も千葉県平均と比較すると、平均年収は高いという結果が出ました。
年収階層別にみると、3つの商圏とも千葉県平均と似た構成になっています。
※年収→世帯年収
昼間人口
夜間に対する昼間人口の割合です。
1km圏
昼間人口は夜間人口の103.32%(千葉県平均83.16%)。昼間の方が人口が多くなります。通勤通学でこのエリアから外に行く人もいますが、このエリアに通勤通学をする人も多いようです。
1~2km圏
昼間人口は夜間人口の58.41%。ここはベッドタウンの特徴が出ているエリアといえそうです。
2~3km圏
昼間人口は夜間人口の80.88%。千葉県平均と近い結果です。この地区の場合はベッドタウンと商業地域が混在していることから、こうした結果が出たものと推測できます。
将来人口
1km圏
2020年まで減少し、その後増加。2040年には2015年比-0.99%と、ほぼ同じ人口の予測が出ています。
1~2km圏
2020年に人口はピークを迎え、その後は緩やかに減少。しかし減少速度は遅く、2040年には2015年比-2.36%の予測が出ています。
2~3km圏
2020年に人口はピークを迎え、その後は減少。減少速度は遅く、2040年には2015年比-2.03%の予測が出ています。
3つの商圏とも2040年人口は現在とほぼ変わらないという予測が出ています。千葉県平均は右肩下がりなのと比較すると、希少な地区であるといえます。
まとめ
津田沼は「SUUMO住みたい街ランキング」で44位(2017年度)から28位(2018年度)と急上昇。
奏の杜の再開発に続き、その近隣でも住宅開発が進められることになっています。今後も人気は続き、そのため人口増加の予測が立っている地域でもあります。
公共交通機関が充実している一方、道路状況は渋滞ポイントが多く、ここは改善の余地がありそう。いずれにしても今後も注目の街です。
【分析ソリューション】株式会社パスコ マーケットプランナーGIS
【出典】出典:平成27年国勢調査、平成27年昼間人口、平成2015-2040年将来推計人口、平成25年年収別推計世帯数、平成26年経済センサス(以上、各500mメッシュ集計)より