駅商圏分析センター ~五井駅編~

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シリーズ駅商圏分析センター、今回は五井駅周辺の分析です。五井駅は、2社(JR東日本・小湊鐵道)2路線(内房線・小湊鉄道線)が乗り入れており、市原市の中心地に位置しています。西口周辺は商業施設などが集まって市原市街を形成しており、オフィスビルやマンションなどが立ち並んでいます。

 

東口周辺は2007年~2013年の五井駅東口開発により、大型複合商業施設や高層住宅地、総合公園である上総更級公園が建設されました。駅東西にはタクシー乗り場とバスターミナルがあり、利便性も高いです。

 

五井駅の1日の平均乗車客数は20,030人 (JR線2016年、小湊鉄道線2015年2社合算)です。小湊鐵道では一番利用者が多い駅となっております。

 

【目次】
1.円商圏
2.居住人口・人口増減率
3.世帯人員
4.住居
5.収入
6.将来人口
7.昼間人口
8.まとめ

(1)円商圏

前提として五井駅から
① 半径1km圏
② 半径1~2km圏
③ 半径2~3km圏を分析します
※基準値…千葉県平均

 

 

1km圏
圏内にはスーパーやドラッグストアがあるため、生活必需品が揃いやすい環境になっています。また、飲食店や銀行、医療機関もあり、生活環境は良さそうです。その他にも、公民館や図書館をはじめ、保健センターや福祉会館などの公共施設も充実しています。近年では、市原市のバリアフリー化事業において、重点整備地区に選定されているため、多くの公共施設がバリアフリー化していることも特徴です。

 

1~2km圏
館山自動車道の市原ICが含まれるエリア。館山自動車道は京葉道路や富津館山道路などにもつながるため、館山にも船橋・東京方面にもアクセスがしやすい地域です。また、市原市立若葉小学校、若葉中学校、京葉小学校、五井中学校、千葉県立京葉高校など、学校が多い地域です。公園や養老川が近くにあり、自然に触れることができます。さらに病院やスーパーなどがあり、この地域で生活が完結する利便性を兼ね備えています。

 

2~3km圏
小湊鉄道線上総村上駅が含まれています。市原市役所もこの圏内にあります。のどかな街並みでお寺や神社も多い一方、北部には工場が立ち並んでいます。

(2)居住人口・人口増減率

●年代別人口

●人口増減率

1km圏
30歳代の人口が突出して多いエリアです。20・30・40歳代が千葉県の平均値を上回る結果になっています。反対に10歳代と50歳代以上の人口が少ないという結果が出ています。人口増減率は7.05%と千葉県の平均数値(2.64%)を上回る数値となっており、流入が活発な地域となっています。このことから、比較的若い世代のファミリー層や夫婦世帯、また一人暮らしのサラリーマン世帯などで構成されていると考えられます。

 

1~2km圏
30・40歳代が多いエリアです。1km圏ほどではありませんが、千葉県平均を上回っています。ここも10歳代と50歳代以上は少ないという結果が出ました。1km圏と同様で20・30・40歳代が多いという結果です。人口増減率は3.10%とわずかに千葉県平均(2.64%)を上回っています。駅からの距離もさほど遠くはなく、教育施設も充実していることから、若いファミリー層が多く集中していると考えられます。

 

2~3km圏
この商圏も20・30・40歳代が多いエリアです。人口ピラミッドは千葉県平均とほぼ同様の形が見てとれます。60歳代がやや平均より少ない結果になっています。人口増減率は0.27%と千葉県平均をやや下回り、ほとんど流出流入がないようです。

(3)世帯人員

1km圏内
1人世帯が45.34%と、千葉県平均(30.30%)と比較して約15%多い数値となっています。そのため2人世帯以上の割合が千葉県の平均の割合をやや下回っています。一人暮らしの人が駅周辺に集中していると推測されます。

 

1~2km圏内
このエリアも1人世帯の割合が37.81%と、千葉県の平均を上回っています。2世帯~4世帯の割合は千葉県の平均を下回っていますが、5人以上の割合は6.92%とわずかに上回っています。

 

2~3km圏内
3人世帯の割合が千葉県の平均よりわずかに上回る結果となりましたが、ほとんど千葉県の平均と近い世帯人数の構成比になっています。

(4)住居

●住宅の所有関係別世帯数

●住宅の建て方別世帯数

1km圏内
持ち家比率(40.44%)は千葉県平均値(65.94%)より25%低い数値となっています。住宅の建て方を見ると、共同住宅が61.76%となっており、千葉県平均(44.0%)より17%多い結果となっています。アパートなどの民営の借家が多い傾向があります。

 

1~2km圏
持ち家比率が51.17%と千葉県平均に近づきます。一戸建て比率が54.03%と1km圏よりは増加し、共同住宅比率の42.78%を上回る結果となっています。また長屋建ての比率は3.19%と千葉県平均(1.64%)の約2倍となっています。

 

2~3km圏
持ち家比率が58.73%と千葉県平均を下回り、民営の借家が36.05%と千葉県平均(25.49%)より高い割合になっています。住宅の建て方で見ると、一戸建てと長屋建てが千葉県平均を上回り、共同住宅は35.65%と平均値を下回りました。

(5)収入

1km圏
平均年収は456.3万円。千葉県平均より約67万円低くなっています。

 

1~2km圏
平均年収は472.0万円。千葉県平均より約51万円低くなっています。

 

2~3km圏
平均年収は480.3万円。千葉県平均より約43万円低くなっています。
どの商圏も千葉県平均と比較すると、平均年収は低いという結果が出ました。年齢層が若く一人世帯が多いことからも、そういった傾向が出ているのかもしれません。五井駅に近いほど年収が低いという結果になりました。

(6)昼間人口

夜間に対する人口の割合です。


1km圏
昼間人口は夜間人口の92.48%(千葉県平均83.24%)です。

 

1~2km圏
昼間人口は夜間人口の79.61%です。昼間は他の地域に通勤・通学をする人が多いようです。

 

2~3km圏
昼間人口は夜間人口の105.62%です。他の地域からこのエリアに通勤・通学をする人が多いようです。
1km圏と1~2km圏は流出が流入を上回る結果となりました。

(7)将来人口

1km圏
平成52年には平成22年比+9.19%という予測が出ています。千葉県平均の増加が推測されます。市原市は鉄道駅から1km圏内を、都市の中心拠点および生活拠点に公共交通により比較的容易にアクセスすることができる区域を居住誘導の条件とし、五井駅周辺も居住誘導区域となっています。五井駅周辺の人口密度は平成38年には62.8 人/ha を超過することを目標にしています。この施策により、今後1km圏の人口は増加していくと推測されます。

 

1~2km圏
人口は平成37年まで増加傾向にあります。ここでいったんピークを迎えますが、平成52年では平成22年比+2.36%という予測が出ています。

 

2~3km圏
平成52年では平成22年比-14.19%という予測が出ています。平成37年から減少傾向となり、その後は人口減少が加速する見込みです。

(8) まとめ

将来人口を見てわかる通り、五井駅周辺は人口増加の予測が立てられる数少ないエリアの一つです。五井駅周辺が居住誘導区域とされているからでしょう。また、比較的若い世代が多く居住しているエリアですが、今後は高齢化による影響も視野に入れる必要があります。そのため、駅周辺の公共施設のバリアフリー化も進められており、高齢者も住みやすいエリアになっていくことが予想されます。

 

【分析ソリューション】株式会社パスコ マーケットプランナーGIS
【出典】出典:平成22年国勢調査、平成22年昼間人口、平成27-52年将来推計人口、平成25年年収別推計世帯数、平成24年経済センサス(以上、各500mメッシュ集計)および平成19年商業統計(1kmメッシュ集計)より

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