増えるシニアのネット利用 シニア世代が求めるモノ・サービスとは

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インターネットを利用するシニア世代は増加しつつあります。

販売戦略で高齢者をターゲットとするなら、彼らが求めるモノ・サービスを知っておくことが大切です。

今回は、シニア世代のネットの利用状況を紹介し、どのようなニーズがあるのかを解説します。

 

【目次】
1.シニア世代のインターネット利用率は増加傾向
2.シニア世代がネットに求めるモノ
3.まとめ

シニア世代のインターネット利用率は増加傾向

インターネットを利用するシニアは増加しています。

総務省「通信利用動向調査」によると、2018年時点で60〜69歳のインターネット利用率は76.6%(前年73.9%)、70〜79歳は51.0%(同46.7%)でした。

2017年に比べるとそれぞれ伸びていることがわかります。

 

*参考:総務省「インターネットの利用動向」

 

 

◆インターネットの利用目的

ネットの利用目的について、60歳以上は商品・サービスの購入・取引がもっとも多く、シニア世代はネットショッピングを楽しんでいる傾向が見られます。

 

2018年「家計消費状況調査」によると、世帯主の平均年齢が60.7歳の世帯におけるネットショッピングの利用率は39.2%でした。

これは2016年(27.2%)、2017年(34.2%)と比較して上昇傾向にあります。

 

一方、「情報通信白書」によると2018年の60〜69歳のSNS利用率は前年比7.9ポイント増加したものの、38.6%にとどまっています。

 

*参考:総務省統計局「家計消費状況調査年報平成30年 時系列表 インターネットを利用した1世帯当たり1か月間の支出(二人以上の世帯) (エクセル:65KB)」

 

 

◆スマートフォンの利用状況

2018年の、スマートフォンの利用状況は、60〜69歳で56.2%、70〜79歳で27.2%です。

シニア世代はパソコンと携帯電話(ガラケー)を利用する割合も多く、スマートフォンはまだ普及途中にあると言えます。

 

*参考:総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」

シニア世代がネットに求めるモノ

シニア世代がネットで購入しているモノ・サービスの中で上位を占めるのが、旅行、食料品、衣類品です。

このようなデータから、シニア世代がネット利用で求めるモノを考えてみましょう。

 

*参考:総務省統計局「家計消費状況調査2018年インターネットを利用した支出の状況」

 

 

◆生活必需品

シニア世代は、実生活に必要なモノをネットでも求めている傾向があります。

例えば、シニア世代がネットで購入する食料品や衣料品といったモノの多くは生活必需品であり、リアルな店舗でも手に入るモノです。

一方、シニア世代はネットならではのデジタルコンテンツや、eラーニングなどの利用は非常に少ないという特徴があります。

つまり、シニア世代は普段の買い物を補助するためにネットを活用していると考えられるのです。

 

 

◆便利かつ快適な購入体験

モノ以外のポイントとして挙げられるのが、「便利で快適な買い物体験」です。

 

シニア世代が生活必需品を購入する手段としてネットを使う背景には、便利で快適だからという点が挙げられるでしょう。

ネットショッピングなら、車を運転したり公共交通機関を利用したりして店舗まで足を運ぶ必要はありませんし、ECサイトに慣れれば商品選びから決済までの手続きは非常に簡単です。

つまり、シニア世代は実生活で必要な買い物という行為を、便利で快適にする手段としてネットショッピングも利用していると考えられます。

 

 

◆質の高い商品・サービス

商品やサービスの質も重要です。

民間のマーケティング会社による消費者意識に関する調査によると、60〜69歳は「価格に見合う価値があるか吟味する」「話題性があっても、品質の裏打ちがなければ買わない」と回答する割合が他の世代と比べて多いという結果が出ました。

シニア世代は話題性や人気といった理由で衝動買いをするのではなく、慎重に商品・サービスを比較したり調べたりした上で購入する傾向があると見てとれます。

 

冒頭で「シニア世代は旅行関連の支出も多い」と書きました。

旅行サービスは代理店に足を運ぶよりもネットの方が多くの情報を比較検討しやすく、「よい商品を探したい」というニーズにマッチしています。

まとめ

若い世代がWebサービスにお金を払ったりSNSを利用したりするのに対し、シニア世代は堅実なネットショッピングを楽しんでいる傾向があることがわかりました。

販売する側は利便性や質の高さなどを意識することが大切だと言えるでしょう。

 
 

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株式会社ベストエフォートマーケティング 代表取締役。 東京理科大学大学院卒業後、外資系企業にてマーケティング職、国内・海外営業職に従事。2011年4月に株式会社ベストエフォートマーケティング代表取締役就任。 “WEBを起点としてビジネスを発展させる”をキーワードに、WEB製作、WEBマーケティング、営業コストを抑えて売り上げを上げていく効率的なマーケティング手法、 営業手法などを提案。海外のグローバル企業、上場企業、中小企業、ベンチャー企業等500社以上の企業の営業マーケティング支援実績。 ホームページ : https://besteffortmarketing.co.jp/ Facebook : https://www.facebook.com/yushukanemura ベストエフォートオフィス船橋(コワーキングスペース): https://besteffortoffice-funabashi.com/

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