根本圭佑(詳しいプロフィールを見る)
根本圭佑の最新記事 (記事一覧を見る)
- SNSの特徴と使い分けとは?SNSを上手に活用した販促方法をご紹介! - 2018年2月7日
- 情報過多?情報薄?枠広告を考える - 2017年10月25日
- 「WEB販促×紙媒体販促」メリットの掛け合わせで広告効果を最大に! - 2017年9月19日
皆さんは『ザイアンスの法則』をご存知でしょうか?
簡単に説明すると『単純接触効果』といって「何度も見たり聞いたりすると次第に良い感情が起こるようになってくる」という法則です。
対人関係においても、何度も会っているうちに仲が深まることってありますよね。
広告においても同じことです。実際に、株式会社地域新聞社の発行する『ちいき新聞』の販促成功事例をもとにご説明しましょう。
1つ目の事例は、まさに職人といった風貌のベテラン棟梁が1人で切り盛りするリフォーム店の事例です。
このお店が広告掲載を始めたのは、ある年の10月のこと。広告では、年内限定で畳表替、障子張替、襖張替を大特価で承る旨を打ち出していましたが、思ったような効果はありませんでした。
その後、リフォームのお悩みQ&Aや店のこだわりを載せてみたり、わかりやすいイラストを入れてみたり、スタイリッシュなデザインにしてみたりと、試行錯誤を繰り返しながら掲載すること7回。しかしお問い合わせがあったのは数件と、散々な結果に…。
棟梁も弊社の営業担当も困り果ててしまいましたが、2人は賭けにでることにしました。
実は、営業担当は初めて棟梁に会った時から、その職人気質、風貌、そして笑った時の素晴らしい笑顔に心を動かされており、棟梁の写真を大きく掲載したい、棟梁の魅力をメインにした広告を作りたいという気持ちを強く抱いていました。
しかし、最初の打ち合わせで棟梁に拒まれ、これまでの広告にも一応棟梁の顔写真を入れたものの、小さく控えめに入っている程度。
営業担当は、8回目の掲載の打ち合わせ時に改めて棟梁を説得し、その人柄が溢れ出ている笑顔の顔写真をメインにした広告デザインで勝負することになったのです。
するとこれが大反響。それまでが嘘のように電話が鳴り続け、あっという間に何件もの受注に繋がりました。
それ以降、その原稿スタイルで掲載。3ヵ月連続で効果が出続け、それまでに費やした広告費を遥かに上回る売上を上げることに成功しました。
2つ目は、地元生まれ地元育ちの若き棟梁が、仲間数名と立ち上げたお店の事例です。
このお店は地域密着を掲げ、認知度UPと新規お問い合わせ増を求めて月に1回の定期掲載を始めました。
地域住民ひとりひとりに語りかけるような広告内容は、自身も現場に立っている棟梁が睡眠時間を削って一生懸命に考えた力作で、塗装についての目からウロコの知識も満載の、塗装を検討していない読者にも1つの読み物としてとても面白い広告でした。
しかし、その出来栄えとは裏腹に広告効果は思わしくなく、お問い合わせは毎回数件。
そのほとんどが電話で終わってしまうか、お見積りまでいっても安い競合他社に負けてしまうということが続きました。
実はこのお店の料金は相場より高く、「安売りはしない。職人らしい最高の仕事をしてそれに見合った料金を戴く」というポリシーを持っていました。
それでもお客様のためにという想いは大きく、仕事に向かう姿勢はどこまでもストイックで、担当した営業担当も深く尊敬していました。
しかし、寝る間を惜しんで広告づくりに心血を注ぎ、苦労してきたがゆえに、効果という結果は心に深い傷を残しました…。
定期掲載も5回目。
ここで広告内容を一新することにします。
10月に地元で開催されるお祭りがあり、そこで「塗装なんでも相談会」と題したイベントでブースを出展することが決まったため、その内容を大きく打ち出した広告を作ることにしたのです。
イベント当日は最悪の雨。ところが結果は数十人が同ブースを訪れ、そのほとんどが受注に繋がりました。
中には以前の広告を握りしめて「毎月読んでいた。とても面白かったからあなたにお願いしようと思ってきた」という方もいたそうです。
「定期掲載を途中で止めなくて良かった」。棟梁は心の底からそう思ったそうです。
2つの事例をご紹介しましたが、これらには共通点がいくつかあります。
1つ目は「定期掲載をしていたが、効果がなかなか出なかった」
2つ目は「原稿を変えたら突然効果が出た」
塗装・リフォームはそもそも効果が出づらい業種。
なぜなら、そもそもそれを必要としている人が少ないからです。
飲食店であれば誰でも1日3回はお腹が空くので、全人類が広告のターゲットとなります。
しかし、塗装・リフォームに関しては、例えどんなに良い広告内容であっても、一軒家を持ち、なおかつ購入してから数年が経過し、塗装・リフォームが必要なタイミングを迎えている人しか関心を持ってくれません。
なかなか効果が出ないのも当たり前です。
では、なぜ原稿を変えたら突然効果が出たのでしょうか。
これは「突然出た」ということではなく「読者から信頼を得た」と考える方が正しいでしょう。
前述のように今が、「タイミング」ではない人は行動をおこしませんが、そんな人たちでも広告は見てくれています。
中には「やろうとは思っているんだけど少し億劫」という心理で、問い合わせの電話をためらった人もいたと思います。
そんな人たちが、広告内容を一新したり、イベントを開催したりと、いつもより強めにアピールされた結果、強く背中を押されてやっと行動にうつしたということなのです。
しかも、効果が出たのは1例目が6月、2例目は10月。
実は塗装の注文が多い月は6・8・10月なのです。
6月なら梅雨、8月ならお盆休み、10月なら年末が迫ることで、それぞれ背中を押される時期だったのです。
まとめると、定期掲載により『ザイアンスの法則』が働き、効果は無かったものの読者にとっては次第に良い感情が生まれ、それが信頼関係作りに繋がっていた。
それが需要の高まるタイミングに合わせて問い合わせを増やす仕掛けを行ったことで、急激な効果UPを呼び込んだ、ということになります。
まさに効果なし期間は大きな効果を生むための『助走期間』でした。
ですから、皆さんも諦めずに、定期的な販促活動を継続し、潜在顧客との信頼関係を築くようにしましょう。
Copyright © 販促の大学で広告・マーケティング・経営を学ぶ All rights reserved.
powered by 地域新聞社