繁盛店の販促に迫る、商売繁盛の極意 vol.1

公開

第1回 ロス・アンジェルス(八千代市勝田台)

手作りランチ / ピッツァ / ハンバーグ / パスタ / ステーキが美味しい自家農園レストラン

 

お昼時に国道16号を千葉方面から柏方面に向かうと、国道296号と交差する高架線に差し掛かるところで目に飛び込んでくる行列店。

 

今年で40周年を迎える八千代の名店、ロス・アンジェルスだ。

 

熾烈を極める外食業界において、長きにわたり地域の人々に愛され続ける秘訣、商売繁盛の極意を支配人・宇佐見さんに伺った。宇佐見さんが同店で働き始めたのは大学1年生の時。アルバイトとして入店し、26歳の若さで支配人に就任。

 

ロス・アンジェルス40年の歴史のうち、実に37年を知る宇佐見さんは、まさにMr.ロス・アンジェルスなのだ。

月平均380枚回収
集客のフックとなるクーポンは“お客様目線”で内容を決める

支配人 宇佐見さん

支配人 宇佐見さん

現在様々な販促を行っているが、その中でも長きにわたって定期的に利用してきたのが、週刊発行のポスティング型フリーペーパー「ちいき新聞」だ。

 

 

必ず毎月1週目に広告を掲載し、「今月のおススメメニュー」「今月のパスタ」「今月のレディースデー」「今月のイベント(毎月第3金曜日を“ロスの日”としてイベントを開催)」などを地域の方々に発信している。

 

 

1週目にこだわるのは、1か月分のお知らせをまとめてできるということと同時に、「ちいき新聞」をロス・アンジェルスの情報を待ち望む地域の方々とのコミュニケーションツールとして活用しているからだ。

 

 

「毎月1週目のちいき新聞にはロス・アンジェルスの情報が載っている」と認知されているので、地域の方々も情報を得やすく習慣化しやすい。このように定期発行されるフリーペーパーなどへ広告を出稿する場合は、毎月同じタイミングでの掲載が望ましい。決まった頻度で告知する、いわゆる“刷り込み”で地域の方々に認知してもらう手法はとても有効な販促手段なのだ。

 

 

また、掲載する広告には必ず、あるクーポンをつけている。『一品料理の無料お試し券』だ。例えば『鴨のスモークオードブルお試し券』は、1ヶ月で380組もの集客に繋がった大人気クーポンだが、それもそのはず、なんと鴨のスモークが7枚も入り、野菜もたっぷりでボリューム満点の一品なのだ。

 

 

これだけでお腹が一杯になりそうな品を無料で提供してしまって大丈夫なのだろうか。

 

 

宇佐見さんは言う。「お客様は家族連れや主婦同士など、複数名で来店いただくことが多い。その時にみんなでシェアできるような品をサービスすることで、お客様に喜んでいただきたいと思っています。クーポン利用は1組様で1枚。複数名で食べて頂くので原価も抑えられるし、何よりもお客様全員にお得感を感じてほしいのです」。

 

 

クーポン内容を考える時、どうしても“利益”を考えてしまいがちだが、クーポンとは集客するためのフック

 

 

フックしたい相手は当然お客様なのだから、“お客様目線”に立って、お客様が利用するシーンを想像しながら、どんなクーポンなら喜んでもらえるかを考えることが重要なのである。

リピーター率は驚異の75%!そのために何よりも重要なのは“マメさ”
販促は1回やって終わりではない

新規で来店いただき、そのお客様にまた来店いただく。それが商売繁盛の鉄則であるが、新規顧客と既存顧客、それぞれに効果的な販促を行えている店は少ない。

 

ロス・アンジェルスの顧客構成比は現在、新規25%既存75%。40年間続くお店なので当たり前なのかもしれないが、何度でも来店してくれるリピーターや、新規顧客を連れてきてくれるファン顧客を多く獲得できている。

 

そんな状況なので、新規獲得を目的とした販促は前述の「ちいき新聞」や同じく㈱地域新聞社が運営するコミュニティサイト「チイコミ」への広告掲載、さらにHP、「ぐるなび」、「食べログ」、「Googleマイビジネス」など。

 

16号を走行中に見える行列も、新規獲得に絶大な効果があると思われるが、現在注力しているのはリピーターを増やすための販促だ。

 

ロス・アンジェルスでは必ず会計時にくじを引いてもらっている。ハズレはなく、次回使える無料券が4種類入っている。1等から順に紹介すると「ピザ」「きのこのスープ」「デザート」「ドリンク」。

 

有効期限は全て2ヶ月後に設定されている。この2ヶ月という期限にも意味がある。実はリピーターの平均的な来店間隔は3ヵ月に1回程度。この間隔を少しでも短くするために、1ヵ月短い2ヶ月の無料券をお渡ししているのだ。

 

また、レストランなら必ずある「キッズプレート」にもこだわりがあり、エビフライにミニハンバーグ、ミニきのこのスープ、ポテトなど計7品の大ボリュームお子様プレートで、さらにドリンクとおもちゃも付いている。

 

これには次のような狙いがある。家族で外食をする際、お店を決める主導権を握っているのは大抵子供。中には奥さんという家庭もあると思うが、大抵は子供に「何を食べたい?」と聞くことで決まるので、子供に良い印象を持ってもらうことが家族連れのリピートに繋がるというわけだ。

 

さらに、子供の頃に食べた物やよく行った場所などは生涯忘れない強い記憶となるので、その子供が大人になって家族を作れば、また来店してくれる。そうやって、世代を超えてリピートされていくサイクルができていくのだ。

 

その他にも各テーブルにアンケート用紙を設置し、寄せられた意見をサービスやメニューに反映させるとともに、協力のお礼のハガキと次回使える3回分の無料券を送っている。

 

とにかく1回来店していただいたお客様には、次回来店時の特典を必ずお渡しすることを徹底しているのだ。

 

これだけでも強力な販促なのだが、それだけではないのがロス・アンジェルスのすごいところである。なんと、「LINE@」や「ツイッター」をはじめとしたSNSでの情報配信を忙しい合間をぬって、毎週火曜日に欠かさず行っているのだ。

 

その会員数はおよそ8,500人。つまり8,500人の既存顧客と毎週欠かさずコミュニケーションを取り続けているということになる。

 

この火曜日というのも様々な試行錯誤のもとに決めた曜日であり、しかもお腹がすいてくる午前11時前後を狙うという徹底ぶり。内容はあくまでタイムリーな情報。今週のおすすめやイベントの情報などを載せ、クーポン等は特に配信していない。

 

来店時に必ず無料券を手渡し、来店後にSNSでの定期的な接触をすることによってお店のこと、無料券のことを思い出してもらう。そしてお客様に無料券を持って来店してもらい、また新たな無料券をお渡しし帰っていただく。

 

この完璧なサイクル、そしてお客様にとにかく喜んでほしいという強い気持ちからくる“マメさ”こそが、高いリピーター率に繋がる理由なのだ。

ロス・アンジェルスが考える『商売繁盛の極意』とは

「来ていただいたお客様に、“+α”を持って帰っていただくことを常に意識しています。それはサービスであったり料理の美味しさであったりと様々ですが、それが伝わったか伝わっていないかは、会計時のお客様の顔でわかるんです。中には『美味しかった』『また来るね』と声をかけて下さるお客様もいらっしゃいますが、伝わったとわかった瞬間、その瞬間が本当に嬉しい。そういうお客様は必ずまた来店してくれます。“+α”を持って帰っていただければ、必ずまた帰ってきてくれる。そう考えています」(宇佐見さん)。

 

常に“+α”を提供しようとする姿勢が前述の徹底したサービスを生み出し、それを長きにわたって継続している。野菜1つにしても“+α”の姿勢を貫き、お客様の健康を考え、ついには自家農園を造り自分たちで野菜を作り始めた。八千代の絶対王者ロス・アンジェルス、“+α”へのあくなき探究心はとどまることを知らない。

 

 

【今回の商売繁盛の極意】

 

“+α”をお客様に持って帰っていただくこと。

そうすればお客様は必ず帰ってきてくれる。

 

 

 

【DATA】
ロス・アンジェルス
千葉県八千代市勝田台南3-1-11
047-484-3388
営業時間 10:30~23:30(ランチ~15:00、L.O.23:00)
年中無休

オープン 1977年
スタッフ数 33人(正社員5人)
メインターゲット ファミリー 女性
人気メニュー 
季節の野菜を使った煮込みハンバーグ 1490円
きのこのスープ 734円

席数 72席
駐車場 有(53台)
客単価 1580円(ランチ1400円、ディナー1700円)
年商 1.6億
原価率 31~32%

 

 

≪ちいき新聞掲載広告≫

 

 

ロス・アンジェルス様HP http://www7a.biglobe.ne.jp/~los-angeles/

 

 
 

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根本圭佑
株式会社地域新聞社 効果向上支援室 室長(社内での名称は“向上長”)2006年に入社。広告企画営業として本社第一営業部(現:八千代支社)に配属となり八千代市エリアを4年半担当した後、2010年9月より千葉支社に異動。市原市エリアを2年半担当し、2013年3月より新設された市原支社の初代支社長に就任。

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