繁盛店の販促に迫る、商売繁盛の極意 vol.2

公開

第2回 さかなや道場勝田台駅前店(八千代市勝田台)
産地直送! 全国各地の顔が見える生産者から仕入れるまぐろ居酒屋

 

1日の乗降人員が5万人を超える京成勝田台駅。南口を出ると目の前にあるパチンコ店のビルの4階にその店はある。

 

毎日15時から元気いっぱいに客を迎えてくれる、八千代市民の憩いの場・さかなや道場勝田台駅前店だ。

 

店を切り盛りするオーナーの山田さんは15歳から飲食店で働き始め、その道一筋。

 

飲食というサービスを生業とし、探究し続けた山田さんの考え方を伺った。

そもそも販促とは一体何なのか。“強いお店は販促がいらない”

オーナー 山田さん(左)

オーナー 山田さん(左)

そもそも販促とは何なのか。

話はそこから始まった。山田さんは言う。

 

「例えば看板。当店のようにお店が路面に無い場合、外を歩く人たちにお店の存在に気付いてもらう必要がある。だから看板を出す。それも広い意味では販促。また、お店の明るさ。新規のお客様が入りやすいように照明を明るめにするのも販促の1つだし、店内のお客様の居心地が良くなるように逆に暗めにする。それもまた販促。来ていただいたお客様への接客、声掛け、気遣い、全てが販促だといえます。

 

私たち『チムニー』の企業理念『「心」と「食」と「飲」を通じて地域社会に「出会い」「語らい」「憩い」と「癒し」のサービスを提供し、世界中のお客様から「ありがとう」と言われる企業になろう』は私自身が大切にしている考え方でもあり、販促を行う上での基本的な考え方なのです」。

 

チムニーには外販、内販という考え方があり、外販とはいわゆる「集客」のための販促。客数を増やす販促であり、それに対し内販というのは「体験」、「追客」。つまりご来店いただいたお客様に満足していただき、また来店してもらうための販促と、明確に分けているのだ。そして販促費=割引した金額という考え方で日々管理している。

 

「さらに販促には2つある。1つは『強みをアピール』する販促。これはニーズを作る販促でもあります。そしてもう1つは『弱みを補う』販促。これはニーズに合わせる販促です。老若男女、誰にでも喜んでもらえるお店、サービスが求められる大手飲食店は、お店の色である前者を打ち出しにくく、基本的には後者の販促になる。

 

でも、考えてみて下さい。

 

もし勝田台に当店しか居酒屋が無かったら、そこまで販促は必要ないですよね。でもそうではない。競争相手がいるから販促が必要なんです。だからいつも思うんですけど『強いお店は販促がいらない』。理想は販促しなくて良い状態になることなんです」。究極の販促は“販促をしなくても良い状態を作ること”。その状態を作り上げるために考えを持って販促を行うことが重要なのだ。

 

何よりも大切な分析力。自店、他店、お客様、従業員、そして自分を見ること

お客様からプレゼントされた凧

お客様からプレゼントされた凧

さかなや道場勝田台駅前店が現在行っている “割引サービス”。

 

1つ目は、『ちいき新聞』の紙面掲載や店内掲示で周知している「毎週金曜日限定 お寿司全品半額」。

 

これは自店の弱みを分析した結果、金曜日の集客はもっと増やせるのではないかという仮説を立て実施した販促で、数か月が経ち顧客にも浸透し、以前のように週によって金曜日の集客に差があるということが無くなったという。さらに現在顧客が抱いている3,400円~3,500円の客単価イメージを払拭し、もっと気軽なイメージを植え付けたいという意図もあるという。

 

2つ目は、「予約してくれたお客様限定の割引サービス」。

 

こちらはぐるなびやホットペッパーにクーポンとして掲載中なのだが、これは飲食店、特に居酒屋であればどのお店でも抱える悩みである「予約でお店を埋めたい」という目的を達成するために始めたサービス。毎日限られたスタッフで運営することが求められるため、予約なしで大勢が来店すると嬉しい反面、しっかりとしたサービスを提供できない場合もある。それを防ぐとともに、わざわざ予約をして来店されたお客様に誠心誠意のサービスをお届けしたい、という山田さんの気持ちの表れである。

 

3つ目は、「お友だち登録をしてくれたらその場で500円OFF」。

 

これはちいき新聞とタッグを組んで実施しているLINE@のお友だち登録を増やすための特典でもある。LINE@とはお友だち登録してくれた顧客に対して、LINEメッセージで集客ができたり、ショップカードといわれるポイントカードもLINE@上で管理ができるもので、一度来店してくれたお客様に対して「追客」ができ、リピーターを増やすことに効果的なツールだ。

 

さらに、さかなや道場勝田台駅前店が巧みなのはその場で使える割引サービスがコレしかないこと。

予約なしで来店したお客様が「何か割引ないの?」と聞いてきたとき、「LINE@のお友だち登録をして頂ければ500円引になります」と案内できるのだ。割引でお客様も喜び、お友だち登録数を増やせてお店側も嬉しい。まさにWINWINの販促になっている。

 

“割引サービス”に関しては以上だが、注目したいのは“何となく”で実施している販促が1つも無いということ。

 

山田さんは言う。「販促を考える上で一番重要なのは徹底的に分析するということ。他店を見ること、自店を見ること、お客様、従業員、そして自分を見ることです。分析のために普段の食事も外食を多くして、お店にはすぐに入らずに店の前の人の流れを見たり、どうやってお店に入るかを見たり。お店に入ってもトイレに迷ったフリをして店内を歩き回り、お客様の顔を見たり従業員や厨房を見たりします。そうすることでわかること、勉強になることはたくさんある。自店も常に客観的に見るようにしています」。

 

1年ほど前からタブレット型予約&顧客台帳サービス「TORETA」も導入し、顧客管理にも取り組んでいるという山田さん。先ほどのLINE@も必ず金曜日の12時に配信し、クーポンを毎週変更することで、その反応を分析しているという。

 

販促は何となく行うのではなく、明確な目的を持ってやること。そして、やりっぱなしではなく必ず分析すること。販促のPDCAをまわすことが何よりも大切なのだ。

 

そしてもう一つ、山田さんが販促を行う上で決めているルールがある。

 

それは「従業員が納得しない販促はしない」というものだ。PDCAをまわしていくためには山田さんだけでなく、従業員の協力が不可欠。そのことを理解しているからこそ、必ず従業員に販促の目的や分析結果を共有している。一見、とっても面倒なことだが、山田さんは365日お客様のことを考え、今やそれがライフワークとなっているのだ。

 

さかなや道場勝田台駅前店が考える『商売繁盛の極意』とは

「誠実さです。つまり、人と人としてお客様に接するということです。私たち飲食業界は、キャッチ会社に呼び込みの依頼をすることがあります。割引サービスをフックとして、お客様を呼び込むためです。でも、そうやって来店してもらった時点で、お客様のことをどこか“お金”として見ているような気がします。

 

逆もあります。お客様が来店して「割引サービス無いの?」とおっしゃられる。この時点で私たちはただの“従業員”として見られている。よくお店のアルバイトのメンバーと飲みに行くのですが、彼らは平気で「お通しカット」と言ったりする。そんな時必ず叱るんです。どんな気持ちでお店を経営しているのか、分かっているのかと。

 

お客様と従業員の立場の違いはあれど、結局は人と人。私たちが何のために商売をしているのか。そんな想いを誠意を持って伝え続けていく。飲食店の基本である『QSC』(クオリティ:品質、サービス:接客、クレンリネス:清潔清掃)を日々徹底し続けていく。それが何より大切な販促であり、それが私たちの誠実さです。

 

だから本当は割引サービスのような販促はしたくない。でもまだまだ誠実さが足りていないからやらなくてはならない。そう理解しています。“強いお店は販促がいらない”ですからね」。笑いながらそう言う山田さんの目は、少年のように輝いていた。

 

 

【今回の商売繁盛の極意】

 

誠実さ。

人と人として、お客様に誠意を持って想いを伝え続けていくこと。

 

 

【DATA】
さかなや道場勝田台駅前店
千葉県八千代市勝田台1-9-1勝田台駅前ビル4F
047-405-6088
 営業時間 
月~木・日・祝日 15:00~翌1:00(L.O24:00、ドリンクL.O24:30)
金・土・祝前日 15:00~翌2:00(L.O1:00、ドリンクL.O1:30)
年中無休
オープン 2007年
スタッフ数 23人(正社員4人)
メインターゲット サラリーマン 年配層
人気メニュー 
たっぷり天然生まぐろの大漁盛り 790円
自家製玉子焼き 390円
席数 140席
駐車場 なし
客単価 3,300円
年商 9千万円
原価率 33~34%

 

 

≪ちいき新聞掲載広告≫

さかなや道場勝田台駅前店様HP https://r.gnavi.co.jp/g240146/

 

 

 
 

■おすすめの関連コラム

  1. 【飲食店向け】飲食店のイノベーションについて

    「イノベーション」という言葉は「技術革新」や「経営革新」という意味だけでなく、「新機軸のサービス...
  2. 経営危機に陥っても大逆転できる経営者の性格とは

    「起業と起業意識に関する調査」(日本政策金融公庫実施、2016年度版)によると、起業する人のおよ...
  3. 【サロン向け】〜美容商品が売れるサロンの秘密〜

    美容商品の売り上げを上げるためには?世の中にたくさんある美容商品。「これは良い商品だから、ぜひ使...
  4. 【飲食店向け】時流に乗った飲食店の傾向と対策

    大手チェーン店も乗り出している「現在の飲食店事情」がどのようなものか、ご存じでしょうか?現在、飲...
  5. 効果を引き出すクーポン事例ストーリーvol.4
    ~アイデアクーポン編~

    広告にはクーポンが付いているのが当たり前となった昨今、世の中にはさまざまな種類のクーポンが出回っ...
  6. 集客に効果的なクーポン事例ストーリーvol.3
    ~活用方法編~

    集客にクーポンを効果的に活用したい!と思っているお店や企業のマーケティング担当の方は多いでしょう...
  7. 繁盛店の販促に迫る、商売繁盛の極意 vol.1

    現在様々な販促を行っているが、その中でも長きにわたって定期的に利用してきたのが、週刊発行のポステ...
  8. 販促の工夫事例~美容室編~
    繁盛美容室の顧客リスト活用法

    顧客リストを有効活用していますか。 美容室の顧客リストはお客様のカルテでもありますが、情報の確...
  9. 集客を増やす効果的なクーポン事例ストーリーvol.2
    ~飲食・カフェ編~

    女子会やママ友と利用しやすいカフェは、弊社が発行する『ちいき新聞』の読者アンケートでも、常に「欲...
  10. リピート率を向上させる店内インテリアとは~美容室・サロンの場合

    お店を出せばお客様が足を運んでくれ、リピーターになってくれると思っていませんか?...
  11. 集客を増やす効果的なクーポン事例ストーリーvol.1
    ~飲食・ラーメン編~

    世間に溢れている広告の中でも、つい心動かされてしまうのが飲食店の広告ではないでしょうか。 ...
  12. 店舗販促成功事例ストーリーvol.1
    ~塗装・リフォーム編~

    皆さんは『ザイアンスの法則』をご存知でしょうか?...

PAGE NAVI

The following two tabs change content below.
根本圭佑
株式会社地域新聞社 効果向上支援室 室長(社内での名称は“向上長”)2006年に入社。広告企画営業として本社第一営業部(現:八千代支社)に配属となり八千代市エリアを4年半担当した後、2010年9月より千葉支社に異動。市原市エリアを2年半担当し、2013年3月より新設された市原支社の初代支社長に就任。

続きを読む
記事を検索

お悩み別記事一覧

広告のコト

チラシの反響を上げたい一覧を見る閉じる
販促方法をもっと知りたい一覧を見る閉じる
広告全般について知りたい一覧を見る閉じる
広告作成のテンプレートを知りたい一覧を見る閉じる
WEB集客について一覧を見る閉じる
プロデザイナーのこだわり一覧を見る閉じる
DMに知りたいこと一覧を見る閉じる
販促計画を立てたい一覧を見る閉じる
広告理論や心理を学びたい一覧を見る閉じる
セールスコピーのヒント一覧を見る閉じる
メールマーケティングについて知りたい一覧を見る閉じる
漫画広告について一覧を見る閉じる

経営のコト

リピーターを増やしたい一覧を見る閉じる
他のお店の事例を知りたい一覧を見る閉じる
経営全般について知りたい一覧を見る閉じる
経営のコネタ一覧を見る閉じる
顧客管理方法について知りたい一覧を見る閉じる
新規を増やしたい一覧を見る閉じる
補助金について一覧を見る閉じる
市場調査データを知りたい一覧を見る閉じる
マーケティング全般について知りたい一覧を見る閉じる
人材について知りたい一覧を見る閉じる
営業力を高めたい一覧を見る閉じる
業界研究一覧を見る閉じる
ブランディングを学びたい一覧を見る閉じる

商圏のコト

  • 動画マーケティング
    動画マーケティング基本編(お客様の声、導入事例活用編…
    ここ数年、ビジネスの場で、動画の活用が脚光を浴びています。 ここでは、動画を活用したマーケティング、いわゆる動画マーケティングについて説明します。 関連記事:動画コンテンツを活用した販売促進(動画マーケティング基本編)
  • 2017年8月の販促計画を立てる時のポイント
    8月には夏休みがあり、家族で行動するイベントが多い月。俗にニッパチといわれ、消費が落ち込む時期というイメージが強い月ですが、実は月の家計消費額は年間第5位。食費については第2位であり、家族で集まって食事をとる機会が多いため、消費額も上がっていると考えられます。家族で楽しめるイベントを企画して集客をしてみてはいかがでしょうか。イベントの準備には時間がかかるので、遅くとも1か月前には販促計画を立てましょう。月間の販促計画作成に役立つポイントをまとめましたので、ぜひご参考にしていただければと思います。
  • 「人気や評判を伝える時」すぐに使える
    キャッチ…
    広告を考える際、キャッチコピーが、なかなか思いつかなくて困ったことはありませんか?大事な商品やサービスのアピールを考えることが苦手な方必見!場面や状況に合わせて使えるキャッチコピーのテンプレートをご用意しました。「学ぶは真似ぶ」です。
  • 「PASONAの法則」
    売れる広告作成に使える…
    チラシの内容を考える際に、どのように進めればいいのか悩んだことはありませんか?広告作成にも様々な「型」があり、この基本的な型を覚えることが大切です。
  • 手書きチラシのコツ
    チラシを配布するには、新聞折込、ポスティング、地域情報紙折込、タウン誌折込、DM(ダイレクトメール)、FAX、手渡し等、さまざまな方法があります。 同様に、作成方法もさまざまですが、おもに以下の3つの方法が考えられます。 1.パソコンのワープロソフト(代表的なのは、マイクロソフト・ワード)などを使用して作成する 2.プロのデザイナーに作成を依頼する 3.手書きで作成する 今回は3番目の、手書きでチラシを作成する際のコツについて解説します。
集客や販促方法でお悩みの方へ 販促に関する無料相談実施中! 地域情報に詳しい担当が、御社にご訪問して集客課題を伺います!詳しくはこちら
CRMって何?クロスセル?気になるワードをチェック!販売促進に関する用語集
お役立ち資料 開くお役立ち資料 閉じる
PAGE TOP