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企業名や商品名の認知度や評価を上げるために、販促担当者や経営者の皆さんは、何かしらの広告を活用することを考えるのではないでしょうか。認知度や評価を上げるために「かっこいい広告」「おしゃれな広告」を作りたいと思う方もいるかもしれません。長期的に見ればそれも大切ですが、それだけではすみやかな売上アップにはつながりません。
広告には、ラジオやテレビCM等のマス媒体、チラシや地域情報誌などのSP媒体があります。また、最近では気軽に始めることのできるSNS広告やリスティング広告など、インターネットを活用した広告も増えてきました。
広告はその目的によって、大きく「イメージ広告」と「レスポンス広告」の2種類に分けられます。メディアが変わっても広告の本質に大きな変わりはありませんので、この2つを押さえておけば、売上アップを目指すことができるでしょう。
まずは「イメージ広告」と「レスポンス広告」についてそれぞれの特徴を知り、違いをしっかり認識して、状況に合わせた広告を打ち出してみませんか?
【目次】
1.企業名や商品名を良く知ってもらうためには「イメージ広告」
2.顧客(ユーザー)の行動を促進させるためには「レスポンス広告」
3.まとめ
まずは「イメージ広告」です。
ブランディング広告(ブランド広告)ともいわれる手法で、目的は企業や商品の認知度拡大とイメージアップ。顧客(ユーザー)に企業や商品の「ファンになってもらう」こと、つまり「良く知ってもらうための広告」です。
例えば、テレビCMや雑誌の広告の多くは、イメージ広告です。芸能人を起用したり、面白いストーリー展開で商品を表現したりしながら、企業名や商品名を覚えてもらう手法です。「あ~〇〇が出ているあの商品ね!」「アニメーションが面白いあれね!」等、イメージと結び付けて顧客(ユーザー)に認識させます。
また、車や化粧品などではデザイン性の高い、かっこいい広告やおしゃれな広告をよく見かけます。これらも顧客(ユーザー)に対して「かっこいい!」「おしゃれ!」と印象付けることを目的とした「イメージ広告」です。商品や企業のイメージアップを図り、消費者に「他の商品よりなんか良さそう」と思わせることで購買につなげます。「あのかっこいいCM、見た?」なんて話題になれば、イメージ広告としては成功したといえるでしょう。しかし、デザイン性を重視しすぎるために、顧客(ユーザー)への訴求効果はあまり高くないので注意が必要です。
「この商品買ってね!」という直接的なアピールはなく、「なんか良さそう」と思わせる、というのがポイントです。
しかし、告知期間が短期だと「かっこいい広告だけど、あれって結局なんの商品(会社)?」となってしまい、売上アップどころか「ファンになってもらう」という段階にすらたどり着かない可能性もあります。イメージ広告は中長期的な売上アップを目指す際に、定期的に活用するのが良いでしょう。
次は「レスポンス広告」についてです。
ダイレクトレスポンス広告ともいわれる、顧客(ユーザー)にすぐに購買行動を起こさせることを目的にした広告手法、つまり広告を見た人に「何かをしてもらうための広告」です。直接購入はもちろん、資料請求やサンプル請求、見積依頼などで何かしらのアクションを起こさせることを目的としています。
イメージ広告とは違い、実際に行動を起こさせるための広告ですから、顧客(ユーザー)の動き、広告の反応を計測できることがメリットといえます。
◆顧客(ユーザー)に行動してもらうためには?
「期間限定販売」や「お得な割引」といったテクニックを使うことで、顧客(ユーザー)を購入へと導きます。
・3月末までの限定販売なので、お早めにご来店ください
・期間限定で全品50%OFF
上記は、チラシやテレビCM、インターネット広告などでよく見かける表現です。極端な表現ですが「いま買わないと損をする」と思わせるくらいの情報を広告に盛り込めれば、効果は約束されたようなものです。魅力的な特典を提示することで、アクションまでのハードルを下げましょう。
・100人の合格実績あります!
・顧客満足度98%!
など、実績を数値でアピールするのも効果的。アンケート結果をグラフなどで掲載するのも顧客(ユーザー)を説得できる情報ですのでおすすめです。
すぐにでも売上を上げたいという場合は、顧客(ユーザー)に行動してもらうために、これらを押さえながらレスポンス広告を活用しましょう。
◆レスポンス広告の制作時には何に気を付ければ良いの?
実際に顧客(ユーザー)に起こしてもらうアクションとは、具体的にどのようなものでしょうか。
・お店に来て買ってもらう
・お店に来て商品を見てもらう
・電話をしてもらう
・アンケートに答えてもらう
・商品を試してもらう
などがあります。当然のことですが、これらの「何をしてもらいたいか」が抜けていると、広告としての機能が失われてしまい、効果が激減してしまいます。広告の内容に、顧客(ユーザー)に行動してもらいたい具体的なアクションをわかりやすく盛り込むことがポイントになります。つまり、「期間限定で商品Aが30%OFF」だけではなく、「期間限定で商品Aが30%OFF。お早めにご来店ください」と、具体的に「何をすればいいのか」が分かる一言を必ず入れましょう。
先ほどの例に、訴求内容の文言を加えたものを以下の表にまとめました。
希望アクション | 訴求内容 |
お店に来て買ってもらう | 「先着30名様まで、期間限定で商品Aが30%OFF。お早目にご購入ください」 |
お店に来て商品を見てもらう | 「期間限定で商品Aが30%OFF。まずは一度お店で商品をご覧ください」 |
電話をしてもらう | 「先着30名様まで、期間限定で商品Aが30%OFF。お早目にお電話にてお申込みください。電話番号0123-425-××××」 |
アンケートに答えてもらう | 「アンケートにお答えいただいた方限定で商品Aが30%OFF。インターネットの専用アンケートフォームでご回答ください。『アンケート 商品A』で検索」 |
商品を試してもらう | 「商品Aの無料サンプル提供中。FAXにてお申込みください。FAX番号:0123-456-××××」 |
このように具体的に何をしてほしいのかを書かないと、「この商品いいね。で、何をすればいいのかな?調べるのめんどうだから、またいつか…」となってしまうので気を付けましょう。せっかく興味を持ってもらったのに、機会損失になってしまってはもったいないですよね。レスポンス広告には「何をしてもらいたいのか」を必ず入れましょう。
レスポンス広告作成についてのポイントは
【販促のおススメ図書『確実に販売につなげる驚きのレスポンス広告作成術 なぜ、この広告の反応がよかったのか?』】
上記のコラム内で簡単にご紹介しておりますので、そちらもぜひご一読ください。
イメージ広告は企業名や商品名を「良く知ってもらうための広告」で、中長期的な販売促進のために使う手法。
レスポンス広告は商品の購入など、具体的に「何かをしてもらうための広告」で、短期的な販売促進のために使う手法。
かっこよく宣伝したい!という気持ちが先走りイメージ広告ばかりを作ってしまうと、直近の売上増は期待できません。それぞれの役割を理解した上で、状況に合わせた使い分けをしていきましょう。
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