【初級編】広告の費用対効果に関する考え方
広告は徹底して2種類の「CPA」で選べ

公開

費用対効果の高い広告って何だろう?
広告を出したらお客さんが増えたけど、かかった費用に見合っているのかな?

そんな悩みをお持ちの方にオススメの、広告費を効果的に使うために必要な考え方をご紹介します。

 

広告の費用対効果=「かけた費用に対して、いくら儲かったか」だと思っていませんか?
間違ってはいませんが、それだけでは大きな判断ミスを起こす可能性があります。

広告の費用対効果を考えるためには、「何に対しての」費用対効果が高いのかをしっかりと見極める必要があります。

広告の費用対効果を測りながら、お店や会社に合った広告媒体や手法を探しましょう。

 

【目次】
1.お店や会社に合った広告を見つけるには
2.2種類のCPAとは「新規顧客獲得単価」と「顧客行動単価」のこと
3.「何に対しての」費用対効果が高いのかをしっかり考えよう
4.【まとめ】

お店や会社に合った広告を見つけるには

広告の手法にはWeb・紙媒体・TVCM・看板・チラシなどがあり、選択肢が多すぎて悩んでしまいます。

広告費を効果的に使う方法を知りたい!と思うかもしれませんが、お店のサービスや商品によって効果的な媒体や広告手法は違います。

 

限られた広告費で最上の効果を上げる広告手法を見つけるためには、企画(Plan)→実行(Do)→効果測定(Check)→改善(Action)のサイクル(PDCAサイクル)を回し続けることが重要です。

 

まずは広告を出すことで得たい効果を明確にした上で、広告の費用対効果を測る指標となる2種類のCPA、すなわち「新規顧客獲得単価」と「顧客行動単価」で効果測定(C)をしましょう。

 

2種類のCPAとは「新規顧客獲得単価」と「顧客行動単価」のこと

広告の費用対効果を測る指標となる2種類のCPAとは「新規顧客獲得単価」と「顧客行動単価」のこと。

「CPA」には、次の2種類の意味があります。

 

1.CPA = Cost Per Acquisition(新規顧客獲得単価)

2.CPA = Cost Per Action(顧客行動単価)

 

 

1.Cost Per Acquisition

“Acquisition”という単語に、聞きなれないなぁと感じる方も多いのではないでしょうか。
Acquisitionとは「取得」という意味で、広告にかけた費用に対して獲得した新規顧客の数を意味します。

つまり、新規のお客様を一人呼ぶために、いくらの費用がかかったかという指標です。

初来店のお客様を集めたい時や、新規会員登録を促したい時には、Acquisitionを使ったCPAをもとに、費用対効果を測りましょう。

 

2.CPA = Cost Per Action(顧客行動単価)

Actionとは「行動」という意味で、広告にかけた費用に対して顧客が起こした行動の数を意味します。

つまり、1件の行動(たとえば来店など)をしてもらうために、いくら費用がかかったかという指標です。

「何に対しての」費用対効果が高いのかをしっかり考えよう

広告の費用対効果を考えるにあたって、「何に対しての」費用対効果が高いのかをしっかり考える必要があります。

同じ広告費で2種類の媒体を試した場合の例で、広告の費用対効果を考えてみましょう。

 

 

同じ広告費で媒体Aと媒体Bを使った際の来店数を調べました。
結果は下の表のとおりです。

 

 

媒体A

媒体B

毎月通ってくれているリピーター客の来店者数 7人 1人
新規顧客の来店者数 3人 6人
合計 10人 7人

 

新規顧客の内、毎月通ってくれるリピーター客になった人数 1人 2人

【補足条件】どちらも平均単価は100円

 

得たい効果を“Action”、つまり来店者数で考えると、【媒体A】の方が合計で10人来たので効果が高いと言えるでしょう。

それに対し、得たい効果を“Acquisition”、つまり新規顧客獲得数で考えると、【媒体B】の方が6名来たので効果が高いと言えるでしょう。

 

広告の単発の売上効果としては、
【媒体A】の合計売上 10人 × 平均単価100円 = 1,000円
【媒体B】の合計売上 7人 × 平均単価100円 = 700円
となり、この場合は、【媒体A】が勝ると判断できます。

 

ただ、よ~く結果の表を見てみると、毎月通ってくれるようになったリピーター数が異なることに気が付きます。

【媒体A】で増えたリピーター客 1名
【媒体B】で増えたリピーター客 2名

 

 

それぞれ毎月通ってくれるリピーターなので、年間で考えると、

【媒体A】1名 ×11回 ×平均単価100円 = 1,100円
【媒体B】2名 ×11回 ×平均単価100円 = 2,200円
※広告を出した初回の訪問を除いています。(12か月 - 初回訪問の1か月分)

 

 

これを、先ほどの単発の売上と足して年間売り上げを計算すると、

【媒体A】単発売上1,000円 + リピーターによる年間売上1,100円 =2,100円
【媒体B】単発売上700円 + リピーターによる年間売上2,200円 = 2,900円
となり、1年という長期スパンで見ると、【媒体B】の方が優れていることになるのです。

 

つまり、
【媒体A】は、「直近の売上を上げたい!」という時に効果が高い媒体
【媒体B】は、「直近は少なくても、長期的な売上を上げたい!」という時に効果が高い媒体と考えられます。

 

「直近の売上を上げたい!」という希望を叶えてくれる媒体を探すには、“Action”すなわち行動数をベースにしたCPAを使って効果検証しましょう。

「長期的な売り上げを上げたい!」という場合は、新規を増やすことが肝心なので“Acquisition”、つまり新規顧客獲得数をベースにしたCPAを使った効果検証が有効です。

 

【まとめ】

広告の費用対効果を測りながら自社に合った媒体を探す時は、「短期」と「長期」の視点、両方を使って、効果を見定めていきましょう。

「短期」「長期」どちらの方の効果が大事ということではありません。
状況に合わせて賢く広告の打ち出し方や媒体を選びましょう。

 

広告に使える費用は限られています。企画(Plan)→実行(Do)→効果測定(Check)→改善(Action)のサイクル(PDCAサイクル)を回し続け、最適な広告宣伝方法を見つけるために、まずは2種類のCPAを使って効果測定(C)をしてみてはいかがでしょうか?

 

 

企画(P)で必要な、広告宣伝費(販売促進費)にどのくらい費用をかければよいか?お店や会社の売上から簡単に広告予算を立てる方法を、業種別・業界別広告宣伝費(販促費)の売上比率・割合の平均で詳しくご説明しています。

実行(D)で選ぶ広告や販売促進の方法については、販売促進の方法とは?具体的なアイデア・事例をご紹介!をご覧ください。

セミナー情報 セミナー情報

 
 

The following two tabs change content below.
販促の大学の企画創立者。地域新聞社在職時代にマーケティング部を発足。WEB集客事業を実施し、問合せ数を前年比約3倍に。さらにマーケティングオートメーションの導入や、インサイドセールス部門立ち上げ支援など、営業組織の効率化に貢献。その後、新規事業開発の部門を経て、2021年独立。現在、PRSJ認定PRプランナーとして、企業の事業開発からプロモーションを手掛ける「喜八屋」の代表を務める。

■おすすめの関連コラム

  1. 3色の組み合わせパターンを活用!印象(イメージ)を決める配色のコツとは?

    チラシやHPなどをデザインする際、配色のパターンによって相手に与える印象は大きく変わります。 ...
  2. 色の持つイメージが与える心理的効果とは?チラシデザインの広告効果を高めよう!

    色の持つイメージが人の心理に与える効果は、科学的には十分に解明されていません。しかし、さまざまな...
  3. かっこいい広告デザインを目指すな。「40-40-20の法則」とその大切さとは

    ダイレクトメールやチラシといったダイレクトマーケティングで、必ず押さえるべきポイントとは何か、ご...
  4. 世代別の特徴を押さえて、消費のツボを見定めよう

    団塊世代やバブル世代といった世代別のカテゴリーは、実はマーケティングにとっても重要であることをご...
  5. マーケティング4.0とは?自己実現欲求を満たす販売方法を考える

    マーケティングの大家、フィリップ・コトラーが2017年ごろから提唱している「マーケティング4.0...
  6. 紙媒体広告だからこそ出来る!紙媒体広告の活用方法・メリット

    「もう紙メディアの広告は古い」と思われる方も多いでしょう。しかし本当にそうでしょうか。...
  7. 心理術で集客効果アップ!訴求効果の高い広告・セールスコピーを作成しよう
    ~心理術からセールスコピーを考えるためのシート【無料DL】~

    集客効果を高めるために効果的な7つの心理術を集めました。 広告や販売促進の企画をする際には、こ...
  8. 広告表現の基本「PASONA(パソナ)の法則」を使った広告やチラシでお客様を引き込む!
    ~PASONA企画シート~【無料DL】

    チラシの内容を考える際に、どのように進めればいいのか悩んだことはありませんか?広告作成にも様々な...
  9. レスポンス広告を学びたい方におススメの7冊

    レスポンス広告による集客・販促技術を学ぶのにおススメの本をご紹介します。必ず役に立つと思いますの...
  10. 「AIDA」「AIDMA」とは?消費者心理の法則を広告に応用しよう!

    消費者の行動予測は販促に欠かせません。行動予測とは「購買決定プロセスごとに変化する消費者心理を理...
  11. 顧客利益を考えたキャッチコピーで広告効果を高める!
    ~お客様の利益シートを活用しよう~【無料DL】

    人が1つの広告に関心を向ける時間は1秒あるかないか。短い時間であなたの商品の良さを知ってもらうた...
  12. 売上アップのために「イメージ広告」で刷り込み効果を、「レスポンス広告」で購買意欲を高めよう

    企業名や商品名の認知度や評価を上げるために、販促担当者や経営者の皆さんは、何かしらの広告を活用す...
  13. 販売促進(販促活動)を促すための広告・販促・営業、3つの役割

    そもそも「販売促進」とはなんでしょう。「広告」や「営業」と混同されやすい言葉です。これらはすべて...

PAGE NAVI

続きを読む
記事を検索
メルマガ登録者数1万以上 セミナー情報をいち早くお届け
ご提案無料 ウィズコロナ時代に合わせて販促の「見直し」してみませんか?まずはお問い合わせください。
  • ホームページで集客できない?新規集客のためにはSEO…
    ホームページを作ったのはいいけど、なんだか集客できていない気がする…。そんな方はいませんか?WEBサイトで新規のお客様を集客するにはSEO対策が不可欠です。SEO対策って何?という方はぜひご一読ください。
  • ランディングページを作ってみよう
    最近ではWebやSNSを活用した集客法を取り入れる事業者が増えています。スマホからインターネットにアクセスする率は既にパソコンを上回っており、何かを探したり、情報収集したりするのに欠かせない存在となってきました。将来的に見ても、WebやSNSを使った集客や販売の重要度はさらに増していくと思われます。今回はWeb集客やWeb販売を始めるにあたって必要となるWebサイトの一つ『ランディングページ』についてお伝えします。
  • レスポンス広告を学びたい方におススメの7冊
    レスポンス広告による集客・販促技術を学ぶのにおススメの本をご紹介します。必ず役に立つと思いますので、ぜひご一読ください。
  • 2020年5月の販促計画を立てるときのポイント
    5月は穏やかな日が多く、一年の中でも快適な季節。夏日の日数も各地で増加していきます。新生活が始まって一カ月、少しずつ生活が落ち着いてきた方も多いことでしょう。本来であればゴールデンウィークのレジャーを楽しみ、運動会や遠足など様々な学校行事が行われ、人々が活発に行動するこの時季。しかし、2020年4月1日現在、新型コロナウイルス感染症の流行は拡大を続けています。政府や各地方自治体からは不要不急の外出自粛要請が出され、企業活動や日常生活にも大きな影響が出ています。「コロナ疲れ」という言葉に象徴されるように、いつ自分や家族が感染するか分からない恐怖感と、先行き不透明な不安感を常に持ち続けている状況は、人々を疲弊させています。5月の販促計画作成に役立つポイントをまとめましたので、1か月程前から余裕を持って販促計画を立ていきましょう。ぜひ本記事をご参考にしていただければと思います。
  • 新規顧客を獲得して増やすには?集客方法と販促の手法を…
    新規顧客を安定的に獲得する集客方法についてご説明します。 集客のターゲットには大きく分けて「新規」と「リピーター」の2つがあります。お店の商品やサービスのファンを増やしリピーター化させることはとても重要ですが、同様に新規顧客を獲得し続けることも大切です。 そこでこの記事では、新規顧客を獲得するための集客方法の種類と、その効果をより高めるための対策を解説いたします。 ● 新規顧客の集客のやり方がわからない ● 新規顧客の集客をしているけど、うまくいかない こうしたお悩みをお持ちの方に最適な内容となっています。
PAGE TOP