エシカル消費とは?企業のメリットと取り組み事例を解説

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近年、エシカル消費に注目が集まってきています。
持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みが企業に求められる中で、エシカル消費の注目度はさらに上昇しています。
エシカル消費は、企業・行政・消費者など社会全体で実施していく必要がある課題です。
企業は、エシカル消費全体を正しく理解して、ブランディングの向上やマーケティング、新規事業の開発などを考えていく必要があるでしょう。
今回は、エシカル消費の全体像とメリット、取り組み事例を解説します。

【目次】

  1. エシカル消費に取り組むことで、企業の認知度と好感度が上がる!?
  2. エシカル消費とは
  3. エシカル消費のメリット
  4. エシカル消費取り組み事例
  5. まとめ

エシカル消費に取り組むことで、企業の認知度と好感度が上がる!?

エシカル消費は、持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールのうち12番目の「つくる責任 つかう責任」に関連する取り組みです。
持続可能な開発目標(SDGs)は2015年9月に国連の「持続可能な開発サミット」で採択された、2030年までの国際目標です。
つまり、エシカル消費に取り組むことは、世界の未来を変えるために必要なのです。

株式会社クロス・マーケティングによる「SDGsに関する調査」によると、消費者のSDGsという名称の認知度は、「名称も内容も知っている(33.6%)」「内容は知らないが、名称は聞いたことがある(33.0%)」となり、約7割に上ります。

また、SDGsに取組んでいる企業への好感度は「非常に好感を持つ(13.2%)」「やや好感をもつ(34.8%)」となり、約5割となっています。

アンケートの結果から想定すると、持続可能な開発目標(SDGs)に関連するエシカル消費に取り組むことで、企業の認知度と好感度が上がることが期待できるでしょう。

エシカル消費とは

エシカル消費(倫理的消費)とは、地域の活性化や雇用など含む、人や社会、環境に考慮した消費行動のことです
つまり、消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮し、課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行う行動を総称します。

◆エシカル消費の必要性
今社会は、貧困、人権問題、自然破壊などいろいろな問題を抱えています。
エシカル消費に関わる消費活動は、社会の問題解決に役立つ可能性があります。
また、エシカル消費は、人だけでなく、動物や魚、植物といった地球に生きている生き物が暮らしやすい社会を作ることにもつながります。

企業がエシカル消費に取り組むことで、社会的責任を果たす活動を行い、社会の問題解決に役立つことになり、企業の存在価値が高まり、市場における信頼感も向上します。
また、エシカル消費に取り組んでいる企業の商品やサービスを消費することで、消費者はエシカル消費に取り組むことにもなります。

 

◆エシカル消費を実践するには
エシカル消費は、持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、社会的な課題を多く含んでいます。
企業は利益を追求してビジネスを展開しますし、消費者は安さや便利さを基準に消費行動を起こしがちです。

エシカル消費では、地域の活性化や雇用など含む、人や社会、環境への考慮を基準に消費行動を起こす必要があります。
エシカル消費を実践していくためには、企業・行政・消費者が正しく認識し行動していくことが不可欠です。

【企業】
・利益のみを追求するのではなく、社会的責任の重要性を認識する
・製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの流れの透明性を向上させる
・人や社会、環境に考慮したビジネスによる新たな競争力の創出

【行政】
・人権や環境に配慮したまちづくり
・地産地消、消費者教育などの取組
・消費者への場の提供

【消費者】
・エシカル消費を日常活動で実施して社会的課題の解決に貢献する
・商品・サービスの選択基準にエシカル消費を加える

エシカル消費のメリット

エシカル消費のメリットは、以下の4点になります。

◆ブランディングが向上する
食品や製品は、原材料が加工され、消費者に届くまでにたくさんの人が関わっています。
原材料の多くを生産する発展途上国には、貧困に苦しむ人たちがいます。

また、障害者が働く施設では、日用品などが製作されていますが、まだ多くの消費者に浸透しているとはいえません。
その結果、障害者の多くが安い工賃で働いているという実態があります。

企業がエシカル消費を意識して、人・社会に配慮された商品を市場に出し、消費者が選んで購入することで、より多くの人が持続可能な生活を送れるようになります。

エシカル消費によって、社会的な責任を果たし、社会の課題解決に貢献することで、企業は市場の信頼や共感を得て、存在価値を高め他社との差別化を図ることができ、ブランディングが向上します。

 

◆地域の活性化につながる
近年のインターネット普及にともない、どんなに遠方で生産・製造された食材や商品でも、ネット通販で、いつでもどこでも好きなだけ購入できるネットワークが私たちの生活の中に浸透しています。
「簡単」、「便利」に購入できることは魅力的ですが、「地域の振興」も大事な視点の一つです。

地域に密着した企業にとっても、地域の活性化は社会的責任を負う上で重要です。
エシカル消費を意識して、地元での雇用を確保することや、地元の材料を選ぶこと、地元の業者と連携することは、地域の活性化につながります。
社会的な責任を果たし、地域の活性化に貢献することで、地域に密着したビジネスが成功します。

 

◆エシカル消費に共感する消費者層を獲得できる
地球環境という視点で考えると、多様な動植物と共存しています。
また、日本は多くのエネルギー資源、原材料、食料品などを海外から輸入していますので、地球規模での環境維持は重要です。
持続可能な開発目標(SDGs)の課題は、企業・行政・消費者すべての課題です。
地球環境の現状や問題に目を向けエシカル消費を意識することで環境への配慮につながります。

企業は、環境に配慮した商品やサービスを市場に提案することで、エシカル消費に共感する消費者層を獲得することができ、市場を拡大することができます。

 

◆企業に良いイメージを与える
エシカル消費の実現には、現状を考えるだけでなく、未来絵の影響を考え、日本だけでなく世界で問題になっている持続可能な開発目標(SDGs)の課題などに目を向ける姿勢が必要です。
エシカル消費の考え方に協賛することは、企業に良いイメージを与えます。
消費者の価値観が多様化する中で、全世界的な課題であるエシカル消費は、すべての消費者に共通の課題です。
今後さらに消費者が企業を選ぶ基準になるでしょう。

エシカル消費取り組み事例

エシカル消費は、世界中の企業・行政・消費者によって、さまざまな形で取り組みが開始されています。

◆アパレルファッション業界の取り組み
アパレルファッション業界は、大量に消費して、大量に廃棄するという環境に大きな悪影響を及ぼすビジネスモデルと言われています。

アパレルファッション業界では、エシカル消費の観点から、原材料調達から生産・流通、使用、廃棄に至る各段階での環境負荷やサプライチェーンの改善に努めています。
また、動物福祉に考慮した取り組みでは、毛皮や羽毛などは動物に配慮した環境下で毛刈りし、動物性素材ではなくヴィーガン素材を利用しています。

他にもアパレルファッション業界では様々な取り組みを実施しています。

・再生ポリエステルの利用
・マイクロ・プラスチックが出にくい生地の開発
・リペアサービスの提供
・衣服のシェアリングサービスの展開
・不用な衣服の回収
・売れ残りを最小化するための在庫管理による生産の適正化

 

◆日本マクドナルドの取り組み
日本マクドナルドでは、食品廃棄を可能な限り削減することを目的にエシカル消費に取り組んでいます。
具体的には、顧客が、注文してからバーガー類を調理するメイド・フォー・ユーシステム(MFY)を開発して、全店への導入を2005年に完了しました。
MFYシステム導入することで、導入前と比較して、完成品商品の廃棄は半分以下となり、食品ロスの削減につながっています。
また、廃食油(使用済みのフライオイル)は、主に鶏の配合飼料として、ほぼ100%をリサイクルしています。

 

◆株式会社磐城高箸の取り組み
株式会社磐城高箸では、環境に良くないと言われている割り箸をエシカル消費の観点で周囲の山林から産出する間伐材のみを使用して一貫製造・販売を行っています。
日本発祥の割り箸は300年以上の歴史を持つ日本文化であるとして、純国産割り箸を製造し続けています。

持続可能な林業の復興を目的としており、徹底した環境負荷の低減に取り組むことで、製造中に発生するオガ粉は畜産農家が敷き藁の代わりに使い、端材等は薪ボイラーで燃焼し、発生する熱エネルギーを使い新たな製品の乾燥を行っています。
その結果、乾燥工程では石油系の燃料を全く使用せず、仕入れた丸太からゴミは一切出ません。

 

◆地域新聞社発行の教育CSR活動冊子「発見たんけん」の取り組み
エシカル消費では、地域の活性化や雇用かテーマのひとつです。
地方自治体のとっての大きな悩みが、学生が都市部に流失してしまい、地元に残らないという点です。
学生の地元離れを解決するための取り組みとして、当社地域新聞社が発行しているのが教育CSR活動冊子「発見たんけん」です。

 

【冊子サンプル】

「発見たんけん」は、小学生向け、中学生向けに地元・キャリア教育を目的とした仕事紹介冊子で、現在地元に根差した企業56社の賛同を得て、千葉県と埼玉県の小学校生、中学生に無償で配布しています。

教育CSR活動「発見たんけん」の詳細は下記をご覧ください。
https://lp.chiikinews.co.jp/hakken20221124c

 

◆日常生活の中で目にすることができる取り組み
日常生活の中でもエシカル消費の取り組みを目にすることができます。

・衣料品が、農薬や肥料の基準を守って生産されている素材で作られていれば、産地の生態系や働く人々の健康を守ることにつながります。
・国際フェアトレード認証ラベルが表示されている商品は、人権や環境に配慮した一定に基準を守っています。
・森を守るマーク(FSC)が付いたティッシュペーパーなどもエシカル消費に該当します。

また、消費者が生活の中で実践できるエシカル消費も数多くあります。
消費者がエシカル消費に取り組んでいる事例は以下になります。

・エコ商品の購入
・リサイクル商品の購入
・資源保護等に関する認証がある商品の購入
・資源保護の認証がある商品やCO2(二酸化炭素)削減の工夫をしている商品を購入する
・地元で作られた生産物を地元で消費する、地産地消の取り組み
・被災地産品の購入
・障害がある人の支援につながる商品の消費
・売上金の一部が寄付につながる商品の消費
・買物のときにレジ袋の代わりにマイバッグを使う
・マイボトルを利用する
・地域のルールに沿ったごみの分別を行う
・食品ロスにならないように、食べられる分だけ購入する
・電球を省エネLEDに交換する

消費者庁では、エシカル消費の普及と啓発のため以下の取り組みを実施していますので、参考にしましょう。

 

【「わたしのサステナブルファッション宣言」リレー】
環境に大きな悪影響を及ぼすといわれるアパレルファッションの消費において、エシカル消費の観点から消費者が取り組むことができることに一つに環境に考慮したサステナブルファッションがあります。

エシカルとサステナブルの境界・違いは必ずしも明確ではありません。
サステナブルは環境面を中心として意識されるのに対し、エシカルは、環境面、労働条件、動物福祉、地産地消などの各課題が同列で意識される傾向にあるようです。

消費者庁ではサステナブルファッションの実現に向けて、より多くの消費者がサステナブルファッションに関心を持ち、実践する人の輪を広げるため「わたしのサステナブルファッション宣言」リレーを実施しました。

実施方法は、消費者に自身のSNSでサステナブルファッション宣言をしてもらい、知り合いの誰かを指名します。
指名された方は、自身の宣言をSNSに投稿し、1~3名を指名して宣言をつないでいきます。
指名は、動画、写真、イラスト又はコメントで行い、SNSはTwitter、Instagram等ハッシュタグ(#)を付けられるものを利用します。

指名されていなくても「#サステナブルファッション宣言」から「自主宣言」も可能で、消費者だけでなく、企業でも宣言できます。

 

【エシカル・ラボ】
エシカル・ラボは、地域の活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費の意味や必要性などについて、広く消費者に考え方を普及するための情報提供を行うとともに、地方公共団体による主体的な普及・啓発活動の促進を目指すことを目的として開催するシンポジウムです。
エシカル・ラボでは、地域の企業や団体、学校、個人が参加し、エシカル消費の取り組みを公開し情報共有を行っています。

 

【エシカル甲子園】
持続可能な社会づくりに挑戦する若者を育成するため、エシカル消費の推進や実践を行う高校生が、日頃の取組の成果や今後の展望等について発表する場として「エシカル甲子園」を開催しています。
全国の高校の中から、エシカル消費の推進に積極的に取り組んでいる高校を選抜し、その取組に関する発表を行い、特に優れたものについて表彰しています。

まとめ

企業がエシカル消費に取り組むことで、地域の活性化や雇用など含む、人や社会、環境に考慮した経営を実施している企業であることが市場に認められ、ブランディングやイメージの向上につながります。
エシカル消費は世界的な課題である持続可能な開発目標(SDGs)に関連しており、企業の社会的責任を果たすうえでも重要です。
エシカル消費全体を正しく理解し、ブランディングの向上やマーケティング、新規事業の開発などを考えていきましょう。

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