DMの基本~実施後の効果分析編~

公開

今まで実施したダイレクトメールの効果を、皆さんは把握していますか?

 

「だいだいこのくらいの反応があったな」と感覚値で把握しているだけ、という方はいらっしゃいませんか。

 

今回は、ダイレクトメールの効果分析の方法についてご説明します。

 

実施後に効果分析を行うことで、ダイレクトメールの費用対効果について知ることができます。

 

反響の良かったダイレクトメールはどこが良かったのか。悪かったダイレクトメールはどこを改善すれば良いのか。あらためて内容やクリエイティブを見直す機会にもなりますので、効果分析は必ず行いましょう。

【目次】
1.効果測定の前に考えること「ダイレクトメールの目的」はなに?
2.実施したダイレクトメール成功?失敗?ダイレクトメールの損益分岐点を知りましょう。
3.まとめ

効果測定の前に考えること
「ダイレクトメールの目的」はなに?

効果測定を行う前に、まず明らかにしておくことは「ダイレクトメールの目的」です。

 

ダイレクトメールを実施した後、「届いた方にどのような行動をとってもらいたいのか」が明確になっていなければ、どこをゴールに効果測定を行えばいいのかが曖昧になってしまいます。

 

例えば、BtoB( business to business)の商品に関するセールスダイレクトメールを送るとします。

 

ダイレクトメールがすぐに商品購入に繋がれば嬉しいですが、BtoBの場合はBtoC(business to customer)に比べ、成約までのプロセスが長くなる傾向があり、ダイレクトメールが届いたらすぐに成果、というのは少しハードルが高いです。

 

BtoBの場合は成約までに要する、商談の回数が多く、複数の人が関わる場合も多いので、商品にもよりますが、ダイレクトメールの目的を「成約」ではなく、お客様からの「問い合わせ」にするのも良いでしょう。

 

問い合わせというアクションを起こしてくれたお客様は、それ以外のお客様に比べて商品への興味度合が高い、言わばHOT顧客。問い合わせ数が増えただけでも十分ダイレクトメールを発送した意味があるのです。

 

BtoC向けでも、単価の高い商品の場合はBtoBと同様です。購買までのプロセスが長い商品はダイレクトメールのゴールを変えて、その内容に合わせた見せ方を工夫するようにしましょう。

 

しかし、ダイレクトメール自体のゴールは様々でも、その後の成約金額までしっかりと数値を把握する必要があります。

 

問い合わせ数が多く、成約にも繋がっていればダイレクトメールは成功といえますし、問い合わせ数は少ないけれど、成約に繋がっている割合が高ければ、見込みの高い顧客に商品の良さがきちんと伝わっているということになります。

 

後者の場合、もしかすると問い合わせを促すアクションが目立たなかったり、問い合わせの方法が限られていたのかもしれません(FAXだけなど)。

 

数値に着目することで、クリエイティブや内容を見直すヒントを得ることもできるのです。

 

問い合わせ数、成約数、どちらかに偏った数値のみで判断してしまうと、本当の意味での効果分析ができなくなってしまいますので気をつけましょう。

実施したダイレクトメール成功?失敗?
ダイレクトメールの損益分岐点を知りましょう。

ダイレクトメールのゴールを確認したら、次は実際に発送したダイレクトメールの損益分岐点を把握しましょう。

 

損益分岐点とは、簡単に言うと「ダイレクトメールの成果を判断するための基準」です。実施したダイレクトメールが売上に繋がったか繋がらなかったかが分かります。

 

損益分岐点を出す前に、まずは総ダイレクトメール費を出しましょう。

 

総ダイレクトメール費 = 制作費+印刷費+発送費などダイレクトメールにかかる費用

 

次に、損益分岐点の計算方法です。

 

損益分岐点 = 総ダイレクトメール費÷粗利益額(商品売価-商品原価)

 

意外に簡単ですよね。

 

では、あるジュエリー店を事例にして損益分岐点を計算してみます。

 

【データ】
●ダイレクトメール数 1,500通
●総ダイレクトメール費 300,000円
●ジュエリー単価 40,000円
●ジュエリー原価 25,000円

 

この場合の損益分岐点は

 

300,000÷15,000(40,000-25,000)
=20

 

このジュエリー店の場合、20件より多くの受注があればダイレクトメールは成功といえることになります。では、反応率はどうなのでしょうか。

 

反応率 = 反応数÷発送数

 

上記数式で出すことができるので、このジュエリー店の場合

 

20÷1,500×100
=1.3

 

つまり1.3%の反応率があれば良いということ。

 

ダイレクトメールを実施するたびにこの反応率データを蓄積していけば、おおよその反応率が読めるようになるはずです(もちろん打ち出す商品や特典によって反応率は変化します)。

 

反応率が読めるようになると、実施前にある程度結果を予測し、ダイレクトメール費用を抑えたり、よりターゲット絞って発送数を減らすなどの対応が取れるようになるのです。

まとめ

ダイレクトメールは発送して終わりではなく、その後の効果分析が非常に重要です。

 

効果的なダイレクトメールを実施するためにも、まずは「ダイレクトメールの目的」を明らかにすることから始めましょう。

 

▼総ダイレクトメール費 = 制作費+印刷費+発送費などダイレクトメール発送にかかる費用
▼損益分岐点 = 総ダイレクトメール費用÷粗利益額(商品売価-商品原価)
▼反応率 = 反応数÷発送数

 

3つの数式を活用し、ダイレクトメールのデータを蓄積していくことで、費用対効果の高いダイレクトメールを実施しましょう。

 
 

■おすすめの関連コラム

  1. DMの基本~現在の動向編~

    DMを発送する側にとって、生活者がDMにどのような印象を持っているのかは気になりますよね。1週間...
  2. DM用の顧客リストを作るために
    “特典付きアンケート”を活用しよう

    メルマガやLINE公式アカウント(旧 LINE@)の出現で、WEBやデジタルメディアを使ったメッ...
  3. DMの基本 ~ターゲット・リスト作成方法編~

    DMを実施する前に、具体的な戦術があるとないとでは、効果に雲泥の差が生まれてしまいます。...

PAGE NAVI

続きを読む
記事を検索
メルマガ登録者数1万以上 セミナー情報をいち早くお届け
ご提案無料 ウィズコロナ時代に合わせて販促の「見直し」してみませんか?まずはお問い合わせください。
  • 金運や仕事運がアップする
    おすすめのパワースポ…
    パワースポットには、疲れた身体を癒やしたり、リラックス効果や精神を浄化する効果などがあるといわれています。外部のパワーを取り込むことで頭が冴え、新たな発見やアイデアの創造につながるかもしれません。 【目次】 1.華厳の滝(栃木県) 2.三峯神の湯(埼玉県) 3.サンメッセ日南 モアイ像(宮崎県) 4.江の島岩屋(神奈川県) 番外編 ペレの椅子(ハワイ) まとめ
  • ウィズコロナ時代!販促の見直しポイントとは?
    新型コロナ感染症の影響によりマーケットもお客様の意識も大きく変わりました。 企業の広報担当者・販促担当者・店舗経営者にとっては、今までの販促のやり方をいま一度見直す機会といえるでしょう。 そこで今回は、集客力をアップさせるための販促の見直しとして、折込チラシの商圏とオファー(特典)に注目しました。 今回の記事を読むことで「商圏を見直しして販促効果を高めたい」「オファー(特典)をうまく活用してすぐに集客したい」など、販促課題を解決するためのヒントが得られると思います。 また、折込チラシの商圏エリア選定とオファー(特典)についての事例を含んだ詳しい資料のダウンロード先も紹介します。
  • 知ってて当たり前?AISASとは?購買行動モデルを意…
    皆さん、AIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)という言葉を聞いたことはありますか?どちらも、消費者の購入決定プロセスを体系立てるためのマーケティング理論です。
  • 【業界研究】飲食業界のトレンド情報 〜2022年調査…
    ビジネスで適切な判断を下し続けるには、業界のトレンドをつかむことが重要です。 そこで今回は飲食業界の現状と今後の見通しについて調査しました。 おすすめの販促方法もご紹介しますので、飲食業界の方も、それ以外の業界の方も、ぜひご一読ください。
  • 地域新聞社の裏側を公開 ~自己紹介型の名刺について~
    どこの会社にも独自の社内制度やユニークな取り組みがありますよね。今回は地域新聞社が取り入れている自己紹介型の名刺についてご紹介します。名刺を上手く活用して、しっかりと企業アピールや自己PRを行いましょう。
PAGE TOP