リピーター化するために必要な回数と期間とは

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新規の顧客がいくら増えても、継続して利用されなければ売上は安定しません。リピーターと呼ばれる人たちは、「あれを買う(する)なら、あのお店」と特定なお店を思い浮かべています。

 

売上を安定させるための方法として、リピーターを獲得することは重要な要素の1つです。

 

【目次】
1.なぜリピーターになってもらう必要があるのか?
2.リピーターになるまでの「利用回数」「利用頻度」と「客単価」の関係
3.次の来店(利用)につなげるために
4.まとめ

なぜリピーターになってもらう必要があるのか?

リピーターとは、「繰り返し何度も利用したり、訪問してくれたりする人」です。何かが必要になったときに「特定のお店」を利用したり、「同じ商品」を買ったりすることが「習慣化」している状態を指します。

 

例えば、

 

 「ヘアスタイルを変えたいな。いつもの美容室に行こう」
 「新しい服が欲しいな。まずはいつものセレクトショップに行こう」
 「がっつりご飯食べたいな。いつものラーメン屋で大盛りを頼もう」

 

など、「いつもの」お店が思い浮かぶ状態の人は、そのお店にとってのリピーター、つまり安定顧客です。

 

と、言葉で説明するのは簡単ですが、新規のお客様に継続して利用してもらうことはそう簡単ではありません。

 

新規顧客にお店へ来てもらうためには、まず「知ってもらう」ことから始めなくてはなりません。初回限定クーポンや新規紹介割引などを用意し、チラシのポスティングや街頭での手配り、その他さまざまな媒体を通して自社を「知ってもらう」ための宣伝を行う必要があります。

 

極端な話になりますが、こういった場合を考えてみましょう。

 

 ・新規顧客獲得のための費用 月 150,000円
 ・新規顧客の人数 月 15人

 

もし、客単価が1人当たり3,000円だった場合、新規顧客全体の売上は月45,000円という計算になります。月に150,000円も新規顧客獲得のための費用がかかっていることを考えると、利益は大幅なマイナスですね。利益をプラスにするためには、客単価が1人当たり10,000円以上なければなりません。

 

「既存顧客に比べて、新規顧客を獲得するには5倍のコストがかかる」という「1:5の法則」からもわかる通り、新規顧客獲得には宣伝費や人的コストが多くかかるため、新規顧客を増やそうとすればするほどコストも増えていきます。

 

また、以前にも「リピーター客の増加につながる ニュースレター活用術」のコラム内で紹介した通り、一般的に新規顧客は全体の40%を占めますが、売上でいうと8%にしかなりません。新規顧客の集客は大切ですが、リピーターと同じだけの売上があったとしても、宣伝費などにかかった費用を考えると、利益は大して上がっていないという結果になります。

 

一方で、リピーターを増やせば、それらのコストやデメリットの心配はなくなります。

 

売上の80%は20%のリピーター客が生み出しているといわれています(パレートの法則)。既にお店の存在を認知している既存顧客を大切にし、売り込みを目的にするような施策ではなく、ニュースレターやダイレクトメール等を通してお店への愛着心を育てて、お店のファンになってもらえるような施策を考えましょう。

 

お店のファンになってくれたリピーター顧客は、知人や友人に広めてくれるだけでなく、SNSや口コミサイトなどを通して新たな顧客を呼び込んでくれる可能性もあります。

 

関連記事:「リピート顧客を集客するポイントとは?

リピーターになるまでの「利用回数」「利用頻度」と「客単価」の関係

日本のトップ経営コンサルタント会社である船井総合研究所によると、リピーターになるには「短期間に3回以上」の来店が必要だそうです。「短期間」というのは客単価によって変わり、その定義は下記のようになります。

 

客単価 来店頻度
1,000円未満 1か月で3回以上
3,000円程度 3か月で3回以上
5,000円程度 6か月で3回以上
10,000円以上 12か月で3回以上

 

客単価に見合った来店頻度を得るためにはどうしたらよいでしょうか。

 

例えば、家の近所にコンビニが1軒しかなければ、周辺地域に大々的に集客するための販促を行わなくても、1か月に3回以上は1,000円未満の購入を見込めるでしょう。しかし、競合店が近隣に複数店ある場合、何かしら手を打たなければ競合店に客を取られてしまう可能性があります。芸能人やアニメ・漫画とのタイアップ、〇円以上の購入でくじが引け当たった賞品は次回来店時に交換できるキャンペーン、有名店とのコラボ商品などの施策は、「次回このお店にきてもらうため」の動機付け、集客のための販促なのです。

 

大切なのは「次の来店(利用)につなげるため」の施策です。

 

次の来店(利用)につなげるために

接客の質や内装の心地良さ、流行のものを取り入れるなどは、集客する上でもちろん大切な要素です。

 

しかし、なかなか固定客・リピーターになってもらえないのは、ただ単純にお客様が「お店の存在を忘れている」という理由が大きいといわれています。

 

★お店の存在を忘れさせない

定期的に利用してもらうためには、「忘れさせないこと」が大切。

 

「新しい服が欲しいな。まずはいつものセレクトショップに行こう。」

 

この「新しい服が欲しいな」と思う以前に、お店の存在を頭の中に焼き付けておくことが大切なのです。お客様が「新しい服が欲しいな」と思ったときに思い出してもらい、選んでもらわなくてはなりません。

 

新聞折込やポスティングなどを使って定期的にチラシを届けることで、お店の存在を印象付けましょう。1回限りの接触ではなく、定期的に直接お客様とつながれるよう、ダイレクトメールの送付やメルマガ、ツイッター、Instagram、LINE公式アカウントなどのSNSを活用するのも効果的です。

 

関連記事:「リピーターを増やすための、忘れられない努力を」 

     「販促のおススメ図書 「1回きりのお客様」を「100回客」に育てなさい!90日でリピート率を7倍にアップさせる簡単な方法

 

★次の来店(利用)のきっかけづくり

来店頻度に応じた施策を行うことは、次の来店(利用)のきっかけとなります。

 

来店頻度 施策 具体例

1か月で3回以上

クーポン配布 1回目…100円引、2回目…150円引、3回目…200円引
ポイントカード スタンプを3つためると1品無料
3か月で3回以上 チラシ発行

新聞折込やポスティングなどを利用して、

1か月に1回程度のチラシ折込

6か月または
12か月で3回以上
継続特典 新規顧客は、初回~3回目までの利用は●%OFF
ニュースレター 新商品やセール、登録者限定サービスなどのお知らせ
ダイレクトメール 顧客に合わせた最適なタイミングでのご案内

 

 

例えば飲食店の場合は、ポイントカードを活用して「スタンプがたまるとラーメン1杯無料!」などの施策を行えば、「がっつりご飯食べたいな」と思ったときに「ポイントカードがあるから」とお店を選んでもらえる可能性が高くなります。

 

美容院やリラクゼーションサロンの場合は、1回の利用単価が高いので、短期間に複数回来店してもらうのはなかなか難しいかもしれません。「ヘアスタイルを変えたいな」と思わなくても、来店してもらえるようなサービスを考えてみてはいかがでしょうか。

 

<< 例 >>

・施術時

 「前髪カットだけでもできますよ」「10分のフットケアだけでもお気軽にどうぞ」など、「それだけのために来ても良いんだ」と思えるようなサービスのお声がけをする。

・新規来店時

 「次回の予約をすれば利用料金〇%OFF」「炭酸シャンプープレゼント」「マッサージ10分延長」などの特典をつけて、直接次のアクションにつなげる施策をする。

・「ヘアスタイルを変えたいタイミング」「疲れがたまりやすい時期」などを予測し、その少し前のタイミングでダイレクトメールやメルマガなどで接触できるよう、顧客データを整理する。

 

美容院やリラクゼーションサロンは、多くが予約制です。そのため顧客が利用したいと思っても、希望日に予約が取れなければ機会損失につながります。予約制の場合は、お客様のタイミングを考えて、なるべく早くアクションを起こしましょう。

 

★お客様体験の強化(顧客満足度)

先に述べたようにお客様体験の強化として、接客の良さやトイレ・窓などの清潔感、内装の心地良さなど、お客様が肌で感じた経験もまた、リピーターにつなげるための大切な要素です。最近ではポイント還元率も高く設定されている、キャッシュレス決済が使えるお店も増えてきました。

 

 「汚れが気になるんだよな…」
 「あそこのお店は接客がちょっと…」
 「クレジットカードが使えないからやめておこう」

 

などということにならないように、お客様の立場に立って、満足してもらうために何が必要なのか、今一度振り返ってみると良いでしょう。

 

関連記事:「【中小店舗向け】増税後の消費の冷え込み対策 キャッシュレス決済のポイント還元で集客・売上アップ!
     「個人経営の店舗向け お客様のお支払い方法はどうする?

 

 

*****

ちょっと余談ですが。

千葉県の某所に住んでいたころ、近所にとてつもなくおいしいラーメン屋さんがありました。
会社の帰りに、少なくとも10日に1回は通いました。

そこは日替わりで「カレー味」か「季節限定メニュー」を出すので、カレー味を食べた次の日には季節限定を食べたくなり、また店へ。

さらに定番メニューも食べたくなって、またすぐに…。

気づいたときには、月3回どころか…お店のとりこになっていました。

定期的な利用が「習慣化」していたのです。

日替わりを交えた巧妙なリピーター化策にまんまとはまっていたことに、今頃気づきました。

…余談が過ぎました。すみません。でも、また食べたい。

まとめ

店の経営を安定させるために大切なのは、とにかくリピーターを増やすこと。

 

そのためには、上記を参考にしながら、まずは販促企画を立ててみましょう。1回の集客で終わる施策ではなく、「リピーター」にするための集客方法をいままで以上に考えてみてはいかがでしょうか。

 
 

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川上辰夫
株式会社地域新聞社マーケティング部 「販促の大学」の企画責任者。 2011年に入社し、広告の営業として千葉県柏市内を担当。 2015年に発足した広告効果プロジェクトを通して、社内の広告力提案向上のための社員向け勉強会を企画。そのプロジェクトでの経験を生かし、「販促の大学」の立ち上げを行った。

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