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広告漫画が効果的なことは分かったけれど、漫画ってどうやって頼んだらいいの?広告漫画の依頼から納品までにどのような工程があるのか、実際にあったフルカラー1ページの案件を基に、広告漫画ができるまでの流れをご紹介します。
(協力:株式会社ジェイ・ファーム様)
【目次】
1.ご依頼、受注
2.打ち合わせ
3.ネーム、キャラクターデザイン提案
4.ネーム修正
5.完成原稿納品
6.ご請求、入金、追加作業
7.まとめ
大阪の菓子・食品の商品開発・卸販売会社「株式会社ジェイ・ファーム」様より、サイトのお問い合わせフォームからご連絡を頂きました。
私はサイトに実績はもちろんサービス内容や料金も掲載しているので、ご連絡いただく時は問い合わせというよりすでにご依頼の形であることも多いです。
同社商品の「DEFENSE LINE(ディフェンスライン)のど飴」の開発経緯やそこに込めた想いを漫画にしてサイトやPOPに利用したいというご依頼で、はじめから仕様や予算、納期を具体的に明示して頂いたおかげで話がスムーズに進み、すぐに受注の返信をさせて頂きました。
(もちろん全てが決まっていなくてもご相談の上で提案することが可能です)
私が足を運べる範囲のお客様でしたら初回はできるだけお伺いして直接打ち合わせを行っているのですが、今回は遠隔地であること、比較的まとめやすい1ページの漫画であること、担当の方のコミュニケーションや社内コンセンサスがスムーズだと感じたことなどから、メールのみでやり取りをすることにしました。
すでに広告漫画の利用について社内で十分に検討されていたようで、商品の資料や漫画に入れたい内容などの必要な情報もすぐにお送りいただけました。それらの内容を確認し、追加でこちらからいくつか質問させて頂いてから、いよいよ漫画の制作に入ります。
「ネーム」とは漫画のラフのことで、漫画家が0から1を生み出す最も重要な作業です。私はネームを描く前にまず台詞やストーリーを文字で打つ「プロット」も作成していますが、お客様に提出するのはネームからです。この最初のネームを提出する時が、私の仕事で最も緊張する瞬間。広告漫画としてお客様の希望を満たした上で、それ以上のものを出せるかどうかという勝負の一瞬です(それ以上、というのは、漫画としての面白さだったり、集客の仕組みだったり、依頼者も気づいていなかった本当に伝えたいことをテーマにしたり、いろいろです)。
もちろんネームやラフは本番を描く前に内容を固めるためのものなので、一発勝負ではありません。何度でも作り直しはできますし、修正はあって当たり前です。けれどその最初の一撃が、私の実力に対する印象になるのです。適当なものを出して、あとはすり合わせて行きましょう、というやり方では、絶対的な信頼を得ることはできません。だからこの最初の提案には全力で当たります。
そのネームと併せて、その漫画に合うキャラクターデザインをいくつか提出します。私はお客様や案件に合わせて絵柄を変えられるタイプなので、そういうところは広告漫画に向いていると思っています。
私は私なりに考えて、広告漫画家として「これだ!」と思う作品を提出しますが、お客様は当然私よりその商品やサービスについてずっと考え続けています。自分たちの商品が漫画という形になったことに感動しつつも、ここで「もっとこうしてほしい」「こういうことを伝えたい」という意見が出てくることは想定済みですし、そうあってほしいと思っています。その方がより良い作品になるからです。
今回漫画のテーマとなった商品は、いわゆる健康食品の類であるため表記に関する赤字などもしっかり入りましたが、ストーリーに関して「こういう風に変えたらより説得力があると思うのだが」という相談も受けました。1ページというボリュームの中での変更は大変でしたが、良い案だったのでなんとか対応させていただきました。
2、3回のネーム修正のやり取りを行い内容を固めたあとの作業は、基本的に全てこちらにお任せとなります。
ネームまではいくらでも修正ができますが、そこからあとは本制作となり修正=描き直しとなるからです。彩色済みの最終チェック用原稿をご確認頂き、OKであればお客様のご希望に沿ったデータ形式で納品します。
納品後請求書をお送りし、ご入金頂ければお仕事は完了です。依頼から完成まで3週間とちょっと。
私の方は複数案件を同時に進行しているので3週間ずっとかかりきりだったわけではありませんが、余裕を持ってやり取りや提案ができる平均的な制作ペースかなと思います。
いかがだったでしょうか。
基本的には通常の広告のデザインと変わりませんね。漫画を依頼した経験が無いと、どうやり取りをしていいかわからないという不安があるかもしれませんが、むしろ広告漫画に慣れているお客様なんてほとんどいませんので、分からないことがあればなんでも気軽に聞いてください。
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