新製品・サービスリリース前の価格設定の注意点

公開
価格設定のイメージ画像

新しく製品・サービスをリリースする前には、いろいろと決めなければならないことがあります。プロモーションや販売チャネルの開拓、製品名、キャッチコピー……。その中でも特に重要なのが価格設定です。最も難しい課題の一つと感じている人も多いのではないでしょうか。

 

新製品の開発にかけた年月や労力、コスト等に見合うかどうか。また、利益を確保しつつ十分な売上げを上げられるか。これらの観点からも価格設定は、非常に大切なポイントになります。

 

今回は価格設定についてご説明します。

価格設定の方法

市場が飽和状態にある昨今、優れた製品をつくったとしても、単に市場にリリースするだけで売上げを確保するのは難しいことです。だからこそ、最初の価格設定は非常に重要な意味を持ちます。

 

価格設定には、主に下記のアプローチ方法があります。

 

①市場が求めているであろう価格に合わせる

市場への浸透やシェア拡大のために有効な手段です。ユーザーに魅力的な価格設定をすることで、一気にシェアを広げることが可能になります。購入のハードルが下がるため、1個あたりの利益は少なくても、たくさん販売することによって、積み上げ式に利益を上げられます。低価格商品などに用いられる方法です。

 

② 確保したい利益を考えた価格にする

価格設定の前段階として、製品・サービスのコスト計算を行い、そこに想定される販促費用、人件費等の関連費用を加えた、いわゆる“原価”に利益分をプラスする方法です。この手法を採用する際は、業種・業態によって目安となる原価率・利益率があるので、それを参考とすることが大事です。

新製品・サービスの開発にかかったコストを早期に回収するために、はじめから高めの価格設定をする手法で、優先順位はあくまでも「確保したい利益はどのくらいか」。

高価格だと購買層は限られますが、売れれば短期間で確実にコストを回収できる強みがあります。

価格設定をする際の注意点

前述した両者とも、新製品・サービスの価格設定における有効な手段です。それぞれのメリット、デメリットを理解した上で、どちらの方法を取るかを考えましょう。

よくある失敗は、明確な根拠もなくお客様・市場ありきで設定して販売を開始し、売れ始めたはいいが利益が全く取れない、というケースです。また、値下げはいつでもできますが、値上げは難しいことを肝に銘じる必要があります

まとめ

・価格の設定方法には、「市場が求めているであろう価格に合わせる」「確保したい利益を考えた価格にする」の2通りがある。

・「市場が求めているであろう価格に合わせる」は、ユーザーの支持を得やすく、一気にシェアを広げることが可能。

・「確保したい利益を考えた価格にする」は購買層は限られてしまうが、売れれば短期間で確実にコストを回収できる。

・最も大切なのは、利益を確保すること。利益が上がらないからと途中で値上げするのは非常に難しいので、初期の価格設定が重要と肝に銘じておくこと。

 
 

The following two tabs change content below.
株式会社ベストエフォートマーケティング 代表取締役。 東京理科大学大学院卒業後、外資系企業にてマーケティング職、国内・海外営業職に従事。2011年4月に株式会社ベストエフォートマーケティング代表取締役就任。 “WEBを起点としてビジネスを発展させる”をキーワードに、WEB製作、WEBマーケティング、営業コストを抑えて売り上げを上げていく効率的なマーケティング手法、 営業手法などを提案。海外のグローバル企業、上場企業、中小企業、ベンチャー企業等500社以上の企業の営業マーケティング支援実績。 ホームページ : https://besteffortmarketing.co.jp/ Facebook : https://www.facebook.com/yushukanemura ベストエフォートオフィス船橋(コワーキングスペース): https://besteffortoffice-funabashi.com/

■おすすめの関連コラム

PAGE NAVI

続きを読む
記事を検索
メルマガ登録者数1万以上 セミナー情報をいち早くお届け
ご提案無料 ウィズコロナ時代に合わせて販促の「見直し」してみませんか?まずはお問い合わせください。
  • 美容室サロンの経営戦略とは?差別化を図って集客をつか…
    美容室サロンは、徹底した経営戦略と差別化を図らなければ集客ができません。 なぜなら、美容室サロンは年々出店数が増えているからです。 厚生労働省の『令和4年度衛生行政報告例』によると、令和4年度の美容所数は26万9,889店と、前年よりも2.1%増えていることがわかります。 同様に、美容師の数も増えています。 この状況のなかでは、集客を図るのは容易ではありません。 そこで、本記事で、美容室サロンが行うべき経営戦略や差別化方法など、集客の方法について解説します。
  • 【フィットネス業界】理想の利益率と利益を上げるための…
    健康意識が高まっている昨今では、フィットネス業界が注目されています。しかし、「需要はあるのに利益が低い」と悩んでいるジムオーナー様もいるのではないでしょうか。その問題点は、利益率や戦略にあるかもしれません。 そこで、本記事ではフィットネス業界の利益率や利益を上げるためのポイントについて解説します。現在フィットネスジムを経営している方も、これからフィットネス業界に参入する方も、ぜひ参考にしてください。
  • 知っておきたい『入管法改正』のこと
    最近あった法令の大改正の背景を、一回目は食品衛生法について、二回目は宿泊業関連の法律について、書かせていただきました。三回目は今年の4月に施行された改正入管法について考えてみます。過去二回もそうですが、直接業務で関わる方に向けてではなく、最近話題の法令改正の考え方を、直接業務に関わらない方向けになるべく分かりやすく解説させていただきます。
  • 【withコロナ】テイクアウト・デリバリーを活用して…
    withコロナの影響で、店内での飲食が避けられるようになったため、飲食店の活路としてデリバリーやテイクアウトが注目されています。 競合相手は同じ飲食店の他にもコンビニやスーパーなど数多く存在しますので、その中で選ばれる店になるためには価格設定や感染症対策など、さまざまな工夫が必要です。 今回は、デリバリーやテイクアウトを行うにあたって、顧客から選ばれる店になるためのポイントや情報発信の手段について紹介します。
  • 飲食店での人材育成に!eラーニングを活用しよう
    飲食店を経営する方の中には、人材育成をしたいと考えているものの、時間や予算が足りずに悩んでいる、というケースもあるでしょう。 そんな方にオススメするのがeラーニングです。 今回はeラーニングとは何かを説明した上で、飲食店が導入することのメリットや成功に必要なポイントについて解説します。
PAGE TOP