販促のおススメ図書 「習慣で買う」のつくり方

公開

お客様にリピーターになってもらうためには、あなたの商品・サービスを購入したり、店舗に通ったりすることを、「習慣化」させる必要があります。

 

派手な告知をして来店や購入を促しても、お客様のリピーター化につながなければ、成功とは言い難いでしょう。

 

脳科学を基に、どうすれば商品購入の習慣化が実現できるかを説いているので、リピーターを増やすことを目的としたマーケティング活動に役立つ一冊です。

販促に使える3つの真実

1.人間の行動の95%は無意識に操られている

 

消費者は「自分が欲しいものは自分で判断して買っている」と思っていますが、脳科学や認知心理学の研究者はそれを否定しています。車の運転のように、一度習慣化した行動は意識しなくても行えるのは、動物としての基本能力なのです。

 

無意識のうちに「とりあえずいつもの」という感じでモノを購入してしまうのは、余計な脳のエネルギー消費を抑えるためでもあります。

 

2.「満足」しても、リピーターになるのはたったの8%

 

多くの企業が「顧客満足度」を追求しています。しかし、いくら商品やサービスに満足しても、それだけではリピーターには繋がりません。本書は「流出した顧客の85%は、離れた会社に『満足している』もしくは『とても満足している』と答えている」と書かれています。

 

満足度は大切ですが、生活習慣やニーズに合った「不満の無い商品」を届けることが重要なのかもしれません。通うことが習慣化した手頃な定食屋さんのように、「考えるのがめんどくさいから、お昼はとりあえずそこに行こう」という行動に変えさせることが、リピーター増につながるのです。

 

3. 1日の45%は同じ時間に同じ行動をとる

 

デューク大学の研究で明らかになったことですが、人の行動は無意識に操られていることが多いのです。この結果「消費者は自分の意思で選択する」と思われていた前提が、大きく崩されました。リピーターを増やすには、商品提供側が消費者の無意識な行動を「促す」工夫が大切。

 

消費者自身が気付かないうちに、同じ商品を買いに来させる仕掛けを、広告や商品案内、さらには顧客対応中にちりばめることが大切なのです。

まとめ

脳は楽をしたがるという「習性」があります。サービスを提供する側にとっては、消費者が考ることなく、購入するように仕向けることができればいいですよね。

 

その方法を、複数の企業の事例を基に学ぶことができる一冊です。

 

商品・サービスや店舗のリピーターを増やす方法をもっと知りたいという方におススメです。興味のある方はぜひ一度手に取ってみてください。

 

 

【詳細】

著書:「習慣で買う」のつくり方

著者:ニール・マーティン

出版社:海と月社

第1刷発行:2011年12月19日

アマゾンの購入はこちら

 

 

 
 

The following two tabs change content below.
販促の大学の企画創立者。地域新聞社在職時代にマーケティング部を発足。WEB集客事業を実施し、問合せ数を前年比約3倍に。さらにマーケティングオートメーションの導入や、インサイドセールス部門立ち上げ支援など、営業組織の効率化に貢献。その後、新規事業開発の部門を経て、2021年独立。現在、PRSJ認定PRプランナーとして、企業の事業開発からプロモーションを手掛ける「喜八屋」の代表を務める。

続きを読む
記事を検索
メルマガ登録者数1万以上 セミナー情報をいち早くお届け
ご提案無料 ウィズコロナ時代に合わせて販促の「見直し」してみませんか?まずはお問い合わせください。
  • 販促のおススメ図書
    『売れる文章術』
    「商品を売る」ための文章を書くのは、普段から文章を書き慣れている人にとっても難しいことです。ただ伝えるだけではなく、「買う」という行動に移してもらわなければなりません。この本では文章を書くのが苦手という人にとって、とても使いやすいテンプレートをご紹介しています。それを参考にして、「売れる」文章を書けるようになってみませんか。
  • 販促のおススメ図書
    小売業・サービス業のための…
    店舗経営をしている人にとって、「来店者数」を増やすことは重要なテーマです。この本は、国内トップクラスの経営コンサルティング企業である株式会社船井総合研究所が、小売業・サービス業向けに長年積み重ねてきた現場集客のノウハウをまとめた一冊。2008年に出版した『「集客」大全』で紹介した販促手法を大きく「集客販促」「店頭・売場販促」「イベント販促」「固定客化販促」に分けて紹介しています。現場の実務改善にこだわった集客手法を身に着けたい方にお勧めです!
  • 販促のおススメ図書
    リピーターになる時期は予測…
    売上がなかなか伸びなかったり低迷したりすると、新規のお客様の集客をしようと考える方は多いと思いますが、一般に売り上げの80%は、20%のリピーター客が生み出しているといわれています。 「顧客管理はするな、顧客はフォローせよ!」。これは、本書の帯に書かれている言葉です。 新規の集客はもちろん大切ですが、売上の上位を占める「既存客」に利用し続けてもらえるような信頼を得るには、管理ではなくフォローをしてアプローチをする。そうすることで、リピーターになってくれるお客様が倍増していくという内容になっています。データをもとに説明されているため、理論がすっと頭に入ってくる、読みやすい一冊です。
  • 販促のおススメ図書
    『’17生活行動カレンダー…
    “買いたい気持ちをデザインする。マーケティングエージェンシー”株式会社クレオが毎年発行している生活行動カレンダー。40年間「生活者」の動向を見続けた経験や知見と、様々な調査データを月ごとにまとめた、日々の販促に役立つ情報が詰まった一冊。 季節の行事や消費者意識の日々の変化が記載されているので、この本を読みながら販促企画を立てれば、季節ごとのビジネスチャンスを逃しにくくなくなるでしょう。最新号では2017年の消費者動向やイベントがまとめられているので、年間販促計画を作成するのに役立つちます。
  • 販促のおススメ図書
    『伝え方が9割』『伝え方が…
    人に仕事をお願いするとき、その頼み方次第で引き受けてもらえたり、断られたりすることはありませんか?「買ってください!」ということを伝える商品広告も同様で、伝え方次第で買ってもらえるかどうかが大きく変わってきます。本書にはキャッチコピーや宣伝文を考える時に役立つ手法が8つ紹介されています。それらを身に付けて、買ってもらえる可能性を上げてみてはいかがでしょうか。