商圏設定のキホンとは?

公開

 お店の宣伝はどのくらい遠くまでやればいいのか、迷ったことはありませんか?会員やお客様名簿を見て「電車で1時間ほど」の、かなり遠くに住む客様の名前があった場合、そこまでチラシを配れば新規のお客様はくるかもしれません。

 

しかし遠くから来てくれたお客様は、徒歩5分圏内のお客様と比べて、リピーターになってくれやすいでしょうか?限られた販促費を最大限に活用するため、まずは自社の商圏を考えてみませんか?

 

「リピーター獲得につながる範囲」をまず考えよう。


【目次】

1.商圏はまず「リピーター獲得につながる範囲かどうか」を考えよう
2.商圏範囲の出し方と、おおよその目安とは?
3.まとめ

商圏はまず「リピーター獲得につながる範囲かどうか」を考えよう

国内大手経営コンサルタント会社、株式会社船井総合研究所の調査によると、「最大商圏人口17%となる第1次商圏で、全売上の85~95%を締める」という結果が出ています。

 

※岡 聡『船井流・「数理マーケティング」の極意』同文舘出版より

 

つまり、お店を中心に「来店ができる地理的範囲内に住んでいる人」のエリアです。

 

その範囲の中から近隣人口17%がいる範囲が、1次商圏。306例えば1ヶ月100万円の売上がある店舗の場合、

1次商圏内で85万円~95万円を売り上げているという計算になります。

 

つまりそれ以外の83%の人が住む範囲からは

月5万円~15万円の売上しかたたないということになります。

 

 

「遠くから来ている人もいるから、そこにもチラシを配りたい!」と考える気持ちはわかりますが、売り上げの5%~15%にしかならない範囲に販促費を費やすのはもったいないですよね。

 

とにかくリピーター獲得しやすい「1次商圏」の範囲内に、販促費を集中しましょう。

 

商圏範囲の出し方と、おおよその目安とは?

1番遠くからいらっしゃるお客様が、お店から1km先に住んでいるのであれば、

「最大商圏 = 1km」となります。

その範囲に10,000人住んでいるとして、人口の17%は1,700人。

 

つまり、お店を中心に1,700人が住んでいる範囲のお客様が、売り上げの85~95%を生んでくれている「1次商圏」と言えるのです。

 

均等に住宅が並んでいる場合、最大商圏1kmであれば、おおよそ412mほどの範囲が「第1次商圏」になります。

 

おおよそですが、均等に住宅が並んでいることを仮定すると、

 

「最大商圏(km) x 0.412 = 1次商圏」

 

という式が成り立ちます。

 

つまり、

・1番遠くのお客様が3km先の場合 

最大商圏3km x 0.412 = 1.236km

 

・1番遠くのお客様が5km先の場合 

最大商圏5km x 0.412 = 2.06km

 

・1番遠くのお客様が10km先の場合 

最大商圏3km x 0.412 = 4.12km

 

まずは自社の名簿を見ながら1番遠くのお客様がどこから来るかを調べて、それをもとにリピーター化しやすい「1次商圏」を導き出してみましょう。

 

まとめ

店舗商圏を考える時の基本は、

 

「リピーターが獲得しやすい範囲かどうか」です。

 

なによりまず、売り上げを支えてくれる範囲を把握しましょう。

 

店舗商売の場合、1次商圏で多くの売上が作られるので、まずは近隣のお客様になるべく多く宣伝する仕組みや販促手段を考えてみてはいかがでしょうか。

 

 
 

The following two tabs change content below.
販促の大学の企画創立者。地域新聞社在職時代にマーケティング部を発足。WEB集客事業を実施し、問合せ数を前年比約3倍に。さらにマーケティングオートメーションの導入や、インサイドセールス部門立ち上げ支援など、営業組織の効率化に貢献。その後、新規事業開発の部門を経て、2021年独立。現在、PRSJ認定PRプランナーとして、企業の事業開発からプロモーションを手掛ける「喜八屋」の代表を務める。

■おすすめの関連コラム

  1. 商圏とは? 店舗商圏エリアの設定方法と分析方法 基本の「キ」

    店舗の商圏エリアを把握することは、販促を考える上で重要な要素の一つです。しかし単に商圏エリアとい...

PAGE NAVI

続きを読む
記事を検索
メルマガ登録者数1万以上 セミナー情報をいち早くお届け
ご提案無料 ウィズコロナ時代に合わせて販促の「見直し」してみませんか?まずはお問い合わせください。
  • 商圏とは? 店舗商圏エリアの設定方法と分析方法 基本…
    店舗の商圏エリアを把握することは、販促を考える上で重要な要素の一つです。しかし単に商圏エリアといっても、店舗を取り巻く環境や立地で考え方は様々であり、一概にはいえません。今回は商圏エリアの考え方についての基本の「キ」を解説します。
  • 折込チラシの効果的な配り方を分かりやすく解説
    折込チラシは地域に密着しているため効果が期待できるのではないかという想定のもと、集客や求人のために、折込チラシでの販促をしてみようと考えている経営者や担当者は多いと思います。折込チラシでの販促を検討する際には、「具体的にどのように折込チラシを配るのが効果的なのかわからない」「折込チラシでの販促を実施したがもっと効果を出したい」といった悩みを抱えているケースがあるのではないでしょうか。そこで今回は、折込チラシの効果的な配り方を分かりやすく解説します。
  • 埼玉県VS千葉県のデータ比較で見るライバル対決!
    さまざまなメディアで目にすることが多い「埼玉県vs千葉県」の対決。東京都、神奈川県に続く関東第3位の地位をかけての宿命のライバル対決は、両県民のみならず、皆の関心が高い話題なのでしょう。2000m級の山があるから、埼玉県の勝ち!いや、海があるから千葉県の勝ち!など面白おかしく取り上げられています。この時点で千葉県民からは「埼玉県vs千葉県」ではなく「千葉県vs埼玉県」じゃないの?なんて苦情が来そうですが、都道府県番号では埼玉県が「11」千葉県が「12」ということもあり、本コラムでの表記は「埼玉県vs千葉県」で統一させていただきます。ご了承ください。さて、今回はあまりメディアでは取り上げられないニッチなデータで用いて、埼玉県と千葉県のライバル対決をしてみます。お気軽にお読みください。
  • 駅商圏分析センター ~都賀駅編~
    ○○駅周辺はオシャレなお店が沢山あり、若い人が多い△△駅周辺はビジネスマンの街××駅周辺は学校が多く学生の街等、みなさんそれぞれが「駅のイメージ」というものを持っていることと思います。このシリーズでは、国勢調査や推計年収などの数値データから駅商圏の実態を分析していきます。駅周辺を利用する人(イメージ)と、そこに住んでいる人(実態)、ひょっとしたらその属性は違うかもしれません。
  • 埼玉県VS千葉県のデータ比較で見るライバル対決! <…
    さまざまなメディアで目にすることが多い「埼玉県vs千葉県」。前回好評だったニッチデータ対決の続編です!永遠のライバル、仁義なき戦い、なんていわれますが、とてもよく似た特徴が多くある埼玉県と千葉県。似た者同士、ケンカするほど仲が良い、といった関係かもしれません。そんな両県を勉強とスポーツで比較してみることにしました。ここでも意地と意地のぶつかり合いは必至!?前半戦の今回は勉強対決。みなさん、お気軽にお読みください。
PAGE TOP