当シリーズは、広告表現において実際に行政処分(措置命令)を受けた法令違反事例をご紹介しています。
今回は、インターネット上の自社Webサイトを媒体として掲載した表現が景品表示法違反とされた事例をご紹介します。行政処分の対象は紙媒体に限りません。一度、自社のWebサイトをチェックされてみてはいかがでしょうか?
【目次】
1.景品表示法と不実証広告規制
2.インターネット通販サイトにも監視の目が
1.景品表示法と不実証広告規制
あるインターネット通販事業者が自社Webサイトにおいて掲載していた商品について
「着けて寝るだけ!脚がどんどん細くなる魔法のアイテム!」
「着けて寝るだけでカラダが大変身!体の余分な脂肪も勝手にバストに!」
「お腹を『スッキリ』に導く魔法のアイテム!ボンキュッボンのくびれを楽々ゲット♪」
といった表示を行っていました。
行政は、あたかもこれらの商品を着用・使用するだけで容易に「脚が細くなる」「豊胸」「痩身」などの効果が得られるかのように表示しているとし、不実証広告規制を用い、これらの表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、インターネット通販事業者は期間内に資料を提出しなかった。とし、優良誤認による景品表示法違反の措置命令を行いました。
不実証広告規制
消費者庁長官は、商品・サービスの内容(効果、性能)に関する表示についての優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合に、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒事業者が資料を提出しない場合または提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、当該表示は不当表示とみなされる。
2.インターネット通販サイトにも監視の目が
インターネット通販サイトをはじめとしたWebサイト媒体による商品・サービスの訴求表現についても、行政による監視の目が強まっています。
消費者庁による健康食品などの虚偽・誇大表示のインターネット監視が行われており、平成29年10月~平成29年12月の結果として、83事業者(92商品)の表示について健康増進法に違反するおそれのある表示があったとして適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者へも協力を要請しています。
中小企業の広告マーケティングの場合、全国放送でCMを流したり大掛かりな新聞・雑誌広告を打つといったことは予算の関係上難しいですが、インターネット・Webサイトでの宣伝は比較的安く行える上効果も充分に期待できるといったメリットがあります。しかし、ご紹介したようにインターネット通販サイトをはじめとしたインターネット・Webサイト媒体での表現も、景品表示法など各法令の処分の対象となります。
自社のインターネット・Webサイトを一度チェックし、行き過ぎた表現があれば修正を加えることをおすすめします。