改正薬事法(薬機法)を理解し広告マーケティングに活かそう!③

公開
前回は、改正薬事法(薬機法)における主要な広告規制の一つである「虚偽・誇大広告等の禁止(薬機法第66条)」に関する具体的な事例をご紹介しました。
今回は、同じく主要な広告規制の一つである「承認前医薬品等の広告の禁止(薬機法第68条)」についてご説明します。
これで理解度大幅UPです!ぜひご一読ください!
 
【目次】
1.「インフルエンザウイルスの除去」は広告できる?
2.健康食品で病気の治療や予防を謳える?
3.健康飲料で「飲むだけでダイエット」と広告できる?
4.病気の治療や予防を謳った「ペットフード」は問題ない?

1.「インフルエンザウイルスの除去」は広告できる?

例えば空気活性機の広告で「インフルエンザウイルスも大幅除去」と表記することはできるでしょうか?
 
まず、生活空間における浮遊ウイルスの除去率の度合いや、その効果によりインフルエンザ等に対する予防が期待できるといった実証が確実にできるかというと、非常に難しいという事実があります。そもそものレベルで、広告表現に対する合理的根拠を示すことが、ほぼ不可能に近いと言わざるを得ません。そして空気活性機は、X線撮影装置や心電計といった「医療機器」ではなく、いわゆる雑品と判断されます。
 
医療機器・医薬品と認められていないものが、広告においてあたかも医療機器・医薬品であるかのような効能効果を謳った場合、承認前=未承認の医療機器・医薬品とみなされ「承認前医薬品等の広告の禁止(薬機法第68条)」に抵触するおそれが発生します。
 
「インフルエンザウイルスを除去」「インフルエンザを予防する」といった表現は、インフルエンザという病気の予防を訴求することになるため、医療機器「的」な効能効果の表記とみなされ、薬機法に触れるおそれがあります。

2.健康食品で病気の治療や予防を謳える?

例えばいわゆる健康食品の広告で「肝臓病が治る」「脳卒中の予防」等と謳っても、薬機法はそもそも医薬品や医療機器に関する法律なので薬でもない食品にまで問題が及ぶことはないのでは?という疑問を抱かれるかもしれません。
 
確かに、薬機法が取り締まる対象は
 ①医薬品
 ②医薬部外品
 ③化粧品
 ④医療機器
であり、それ以外はいわゆる雑品とみなされ、規制対象外ではあります。
 
しかし、健康食品を含む雑品の広告表現に関しても「承認前医薬品等の広告の禁止(薬機法第68条)」が関わってくるのです。つまり、健康食品において言えば「医薬品ではないのに」その商品に「肝臓病が治る」といった「疾病の治療」や「脳卒中の予防」といった「疾病の予防」、あるいは「身体の構造や機能に影響を及ぼす」効果を謳った場合は、薬機法第68条に抵触するのです。これらの効能効果は、医薬品としては承認されていても、実際に広告に出ているのは健康食品(雑品)であり、医薬品の承認を得ていないため、未承認の医薬品とみなされ薬機法に抵触することになるのです。
 
このロジックは、薬機法の広告規制を理解する上で非常に重要なことですので、ぜひ覚えていただきたいです。この場合、法に抵触しないためには医薬品等としての承認を得るか、広告表示を改善する以外にありません。薬機法では、規制対象外の雑品でも、法違反を問われることがあり得ますので、くれぐれもご注意ください。

3.健康飲料で「飲むだけでダイエット」と広告できる?

例えば健康飲料の広告で「これを飲んだら体重が10kg以上減少し、ウエストも○cmも細くなりました」と表記することはできるでしょうか?
 
仮に「1日の摂取カロリーは標準以下で」「軽い運動も続けてください」といった注意書きを施していたとしても「承認前医薬品等の広告の禁止(薬機法第68条)」に抵触するおそれがあります。
 
まず、単に健康食品・健康飲料を摂取した「だけ」ではダイエット効果は期待できません。ダイエットをするには、それなりの食事制限と運動も行うことが前提です。ダイエット飲食品の広告は世間で多く見られますが、単にそれを摂取するだけで痩せられるかのように表記することは、あたかもそういった商品に医薬品でなければ得られない効能効果があるかのように思わせるため、薬機法第68条に抵触するおそれが強いのです。
 
上述のような注意書きを施したとしても、推奨する摂取カロリーはいわば「平均的な度合いで」と念を押しているに過ぎず、ダイエットに必要な特段の食事制限を課しているものではありません。また「軽い運動」という注意書きも、いわば日常レベルの運動量を、と謳っているに過ぎません。要するに、ダイエットのための特別の努力をしなくても日常生活を送っていれば、この健康飲料を飲むだけで大幅に痩せますよ…という意味と捉えられてしまいます。
 
いずれにしろ、薬機法第68条に抵触するおそれがあります。

4.病気の治療や予防を謳った「ペットフード」は問題ない?

例えばペットフードの広告で「ペットの内臓疾患に効果的」と表記することはできるでしょうか?
 
薬機法第2条において「医薬品」の定義が記載されており、
「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」(抜粋)とあります。
人間だけでなく、動物(ペット)の疾病の診断、治療または予防に使用することを狙ったペットフードも医薬品に該当します。つまり、上述のペットフードのように、医薬品でないにも関わらず、ペットの病気が治るかのような表現をした場合は「承認前医薬品等の広告の禁止(薬機法第68条)」に抵触するおそれがあります。
 
 
 
以上、改正薬事法(薬機法)における主要な広告規制についてご説明してきました。
まず念頭に置いていただきたいのが「薬の広告じゃなければ関係ない」わけではない!ということです。
すでに述べましたように
 ①医薬品
 ②医薬部外品
 ③化粧品
 ④医療機器以外
の、健康食品を含む雑品でも、法違反を問われることがあり得ますので、くれぐれもご注意ください。
 
ポイントをしっかりとおさえて、ヘルスケア市場のマーケティングにも目を向けていきましょう!

 
 

まとめ

野澤
「ウイルスの除去」という表現は薬機法に触れるおそれあり。また健康食品の広告も薬機法の規制対象になり得ます。ペットフードの広告も同様です。要点をしっかりと押さえて広告づくりに活かしてください!
 
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野澤 宏樹
株式会社地域新聞社制作1部校正校閲課 WEB広告・WEBコンテンツのチェックをメインに担当 2007年に入社。『ちいき新聞』が手掛けるさまざまな業種の広告の校正校閲に従事、また外注化も推し進め部署の生産性向上も果たす。地域新聞社運営のWEB媒体 『チイコミ!』『ちいき新聞web』『販促の大学』の校正校閲のメイン担当となり、広告の規制という観点から情報発信も行う。「校正技能検定上級(旧三級)」「ビジネス実務法務検定2級」「知的財産管理技能士」「認定コンプライアンス・アドバイザー」「色彩検定」「特別会員一種証券外務員」「ファイナンシャル・プランニング技能士」などの資格取得を活かし、攻めと守りを兼ね備えた広告マーケティングの研究を続けている。
野澤 宏樹

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