有名フレーズに権利あり!
商標権を知りトラブルを防ごう!

公開

世間や市場で評判の良い商品名や企業名・ブランド名、誰でも一度は見たことのあるようなキャッチフレーズ・ロゴマーク・キャラクターなど…それらを自社の広告に使えば目を引くかも!

 

でも、待ってください。

 

有名フレーズや図形は商標登録され、商標権が付与されていることが多いのです。

 

商標権の知識を得てトラブルを防ぎましょう!

 

【目次】
1.商標権の概要
2.商標権侵害が及ぼすペナルティ
3.広告づくりにおいて気を付けるべきこと
4.広告の商標権に関するQ&A

商標権の概要

商標とは、事業者が自社の商品・サービスを他社のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。

 

消費者は商品を購入したりサービスを利用したりするとき、企業ロゴ(名)や商品・サービスのネーミングである「商標」を、購入の際の判断基準の一つにします。

 

事業者が営業努力によって商品やサービスに対する信用を築くことにより、商標に良いブランドイメージが付いていきます。

 

商標それ自体が営業・販促力を持つものになり、商品やサービスの顔として大きな役割を果たすことになります。

 

商標は、文字・図形・記号・立体的形状や、これらを組み合わせたものなどのタイプがあるものと定義されます。

 

例を挙げれば、商品名や企業名・ブランド名、キャッチフレーズ・ロゴマーク・キャラクターなどが該当します。

 

また、平成27年4月から、動きのある商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標といったものについても、商標登録ができるようになりました。

 

このような商標を財産として守るのが「商標権」という知的財産権です。

 

商標権の取得には、特許庁へ商標を出願して商標登録を受けることが必要です。

 

商標登録を受けずに商標を使用すると、先に他社が同じような商標の登録を受けていれば、その他社の商標権の侵害にあたる可能性があります。

 

商標登録には審査を要しますが、以下のような商標は原則として登録ができません。

 

・普通名称…「パソコン」「ビール」など
・慣用名称…「観光ホテル」「(清酒に付ける)正宗」
・ありふれた苗字に「株式会社」「商会」等を付した名称…「鈴木株式会社」「山田商会」
・簡単過ぎる文字、図形…「あ」「△」
・他人の商標と紛らわしい商標
・公益に反する商標

 

商標登録がされると、権利者は指定商品または指定役務(サービス)について登録商標を独占的に使用できるようになります。

 

権利を侵害する者に対しては、侵害行為の差し止め、損害賠償などを請求できます。

 

商標権の存続期間は、設定登録の日から10年です。
また、更新登録の申請により10年の存続期間を何度でも更新することができます。

商標権侵害が及ぼすペナルティ

商標権の侵害とみなされる行為には、権利者から侵害行為の差し止め、損害賠償などの請求(民事)を受けるリスクがあります。

 

また、刑事罰の適用もありえます。

 

法人の代表者・従業員が業務上で商標権の侵害行為をした場合には、その行為者が罰せられるほか、法人にも3億円以下の罰金刑が科されます(商標法82条)。

 

加えて、侵害行為が業界内やマスコミ、SNSなどで広く伝わることになれば、その損失は計り知れないものになるでしょう。

広告づくりにおいて気を付けるべきこと

それでは、広告づくりの実務上において、広告を構成する個々の素材に対する商標権上の注意点は、どのようなものが挙げられるでしょうか?

 

・商品名
同業他社の特定商品名を広告に表記することには慎重になるべきです。同業他社の人気商品を、まるで自社が開発・販売しているかのように広告することは、商標権の侵害となる可能性が高いです。

 

・企業名やブランド名
上記の商品名についても言えることですが、他社商品・他社名・他社ブランドの名誉を特に明確な根拠もなく傷つけるような広告表現は厳禁です。

 

また事実に反して、人気企業や人気ブランドと結びつきがあるかのような広告を出すことも、商標権の他、不正競争防止法に抵触するおそれが強いのでNGです。

 

人気企業や人気ブランドを、まるで自社と同列か、自社が開発・販売しているかのように広告することは、商標権の侵害となる可能性が高いです。

 

・キャッチフレーズ
誰もが知っている有名なキャッチフレーズの中には、商標登録されているものもあります。

 

それをそのまま自社の広告に流用したり、明らかにそれを基にしたと分かるように少しだけ改変して使用するような行為は、商標権侵害の他、不正競争防止法違反・著作権侵害といった形でトラブルになるおそれがあります。

 

・ロゴマーク
他社が権利を持つロゴマークを自社の広告に流用する行為は、コンプライアンス上の意識が向かず意外と安易になされてしまっている印象があります。

 

そのロゴマークが商標登録されていれば当然商標権で保護されていますので、むやみに使用することは控えた方がいいでしょう。

 

・キャラクター
使用の仕方にもよるでしょうが、人気キャラクターをそのまま自社の広告に流用したり、明らかにそれを基にしたと分かるように少しだけ改変して使用するような行為は、商標権侵害の他、不正競争防止法違反・著作権侵害といった形でトラブルになるおそれがあります。

 

広告の商標権に関するQ&A

Q.自社広告のキャッチフレーズの構成文言に、他社のキャラクター名などの登録商標を使うことはできますか?

 

例えばそのキャラクターが人気のある他社のお菓子商品のイメージキャラクターであり、自社の広告もお菓子商品を宣伝するものであるとします。

 

その際、他社のキャラクター名をキャッチに表示することによって、自社のお菓子商品がその他社の名前で売り出されているかのように誤認を与える場合は、商標権の侵害にあたると言っていいでしょう。

では、上記のようなケースにあたらなければOKなのかというと、不正競争防止法に抵触する領域であると判断されますので、やはり厳しいと思われます。

商標の権利者の気持ちになってみれば、やはり気分を害する可能性があると容易に想像できますので、控えるべきだと思われます。

 

Q.自社を表現する商標としてのロゴマーク・シンボルマークに外国の国旗を織り交ぜたいのだが、問題はありますか?

 

外国国旗を商標に使用することは商標法や不正競争防止法で禁止されています。

 

Q.キャンペーン広告の賞品に有名ブランド名を出すことは、そのブランドのPRにもなると思うので大丈夫ですよね?

 

一概に大丈夫とは言えません。

その有名ブランドの認知度に「ただ乗り」して、自社広告の効果を上げようとしているとも解釈されますので、商標法に触れないとしても不正競争防止法に抵触する可能性はあります。

 

業態やキャンペーン内容にもよりますが、いずれにしろ権利者の許諾を取ることが望ましいといえます。

 

有名商標にはそれ自体に大きな誘因性がありますが、しっかりと商標権でガードされています。法的トラブルに見舞われないよう、確実に知識をつけておきましょう!

 

 
 

まとめ

野澤
商品名、ブランド名、キャッチフレーズ、ロゴマーク、キャラクターなどは商標登録されているかも。無断使用は禁物です!「有名なもの」は名前だけで価値があり、権利者がいるもの。法的トラブルにご注意を!
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野澤 宏樹
株式会社地域新聞社制作1部校正校閲課 WEB広告・WEBコンテンツのチェックをメインに担当 2007年に入社。『ちいき新聞』が手掛けるさまざまな業種の広告の校正校閲に従事、また外注化も推し進め部署の生産性向上も果たす。地域新聞社運営のWEB媒体 『チイコミ!』『ちいき新聞web』『販促の大学』の校正校閲のメイン担当となり、広告の規制という観点から情報発信も行う。「校正技能検定上級(旧三級)」「ビジネス実務法務検定2級」「知的財産管理技能士」「認定コンプライアンス・アドバイザー」「色彩検定」「特別会員一種証券外務員」「ファイナンシャル・プランニング技能士」などの資格取得を活かし、攻めと守りを兼ね備えた広告マーケティングの研究を続けている。
野澤 宏樹

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