著作権を守り、独創性のある広告を作ろう!

本文・キャッチコピー・キャプション・写真・イラスト・映像…広告を構成する要素はさまざまです。

 

そして、それらの多くは「著作物」であり「著作権」のあるものです。

 

当然、広告それ自体も「著作物」であり、広告づくりにおいては「著作権法」を意識する必要があります。著作権の知識を身に付け、独創性のある広告づくりを心掛けましょう!

 

【目次】

1.著作権の概要

2.著作権違反が及ぼすペナルティ

3.広告づくりにおいて気を付けるべきこと

4.広告の著作権に関するQ&A

著作権の概要

文芸・学術・美術・音楽など人の思想・感情を創作的に表現したものを「創作物」と呼び、「著作権」は創作物を保護の対象としています。そしてそれらは、「著作権法」で保護されています。

 

著作権法が定める著作物の具体例で、通常広告に関わるものとして、以下が挙げられます。

 

・文字原稿・CMのナレーションなどの言語の著作物

(キャッチコピーなどの短いものも、創作性が認められれば著作物となる)
・CMなどに流れる音楽といった音楽の著作物
・地図・創作的に表現された図、表、グラフなどの図形の著作物
・CM・動画などの映画の著作物
・人物写真・風景写真・商品写真などの写真の著作物

 

著作物を作成した者が「著作者」となります。プロ・アマ・創作物の巧拙や価値は関係ありません。翻訳や編集をした者など、二次的著作物の作者も含まれます。

 

企業の従業員が職務として作成した著作物は法人著作となります。この場合、著作者は企業となり著作権も企業に帰属します。

 

著作権の原則的な保護期間は、著作物を創作した時点で発生し、著作者の死後50年間保護されます。法人著作の場合は、公表後50年間です。

 

著作権と一口に言っても、実際は、著作権とは複数の権利が束になったものです。

 

著作権にはまず「著作者人格権」と「著作財産権」があります。

 

著作者人格権は著作者だけが持っている権利であり、他人に譲渡できない権利です。

 

著作者人格権のうち、広告づくりにおいて特に関わってくるのは「同一性保持権」と呼ばれるもので、著作者の意に反する形で著作物を他人に勝手に改変されない権利です。

 

著作財産権も複数の権利で構成されています。広告づくりで注意しておくべきものとして以下が挙げられます。

 

・複製権

著作物を複写・録画・録音したり、印刷や写真にしたり、スキャナーなどにより電子的に読み取る権利

 

・公衆送信権

著作物を、テレビ・ラジオ・インターネットなどのさまざまなメディアを通して不特定多数の公衆に伝える権利

 

・翻案権

著作物を変形・脚色などする権利

 

まとめると、広告の作成に立った者・企業は、原則として著作権を持ちます。

 

広告やそれを構成する一部のコンテンツを、著作権者に無断で自己の広告に流用したり、ネット広告としてアップしたり、またそれらを参考にした(よく似た)広告(依拠性と類似性があると言います)を発表した場合、著作権法違反となるおそれがあります。

著作権違反が及ぼすペナルティ

著作権違反の事実があるときは、侵害をした者は権利者から次のような請求を受けるおそれがあります(民事上の請求)。

 

・侵害行為の差止請求

・損害賠償の請求

・不当利得の返還請求

・名誉回復などの措置の請求

 

また刑事上の罰則規定として、法人が著作権など(著作者人格権を除く)を侵害した場合は、3億円以下の罰金となります。

 

販促のために広告を打ったものの、SNS・ブログで「自分の作ったコンテンツがこの会社の広告に無断で使われた」などと広まってしまったらどれほどのダメージになるか、理解できるかと思います。

 

広告素材の選定には著作権の観点からも、慎重さが求められるのです。

広告づくりにおいて気を付けるべきこと

それでは、広告づくりの実務上において、広告を構成する個々の素材に対する著作権上の注意点は、どのようなものが挙げられるでしょうか?

 

・写真
有名企業や著名な写真家のHPなどに載っている写真を無断で流用する…といった行為はもちろんNGです。

 

インターネットには写真の素材サイトも数多くありますが、便利だからといってやみくもに流用することは避けるべきです。特定の業種(風俗・出会い系など)の広告には利用不可であったり、商業広告に使用することが禁じられている素材もあります。サイトの利用規約を必ず確認するようにしてください。

 

・イラスト
著名なイラストレーターのイラストを参考にした(似せた)イラストを利用するといった行為は著作権上問題があります。

 

アニメや漫画の有名キャラクターのイラストを無断で流用することも厳禁です。

 

・文字原稿
文字数が短いとはいえ、有名なキャッチコピーを安易に流用すれば、著作権法だけではなく商標法・不正競争防止法といった法律からも違法性を問われる危険性があります。

 

有名ブランド名や有名企業名を箔付けのために十分な正当性もなく無断で広告内容に使用することは、著作権上は問題がなくても不正競争防止法に抵触するおそれがあります。

 

他者のサイトや雑誌などから一定の文章を無断で自己の広告に転載するといった行為は、もちろん著作権侵害となる可能性が高いので厳に慎むべきです。

広告の著作権に関するQ&A

Q.有名な雑誌で表現されているレイアウト・割付をマネするくらいなら大丈夫ですか?

 

レイアウトや割付のアイデアは基本的に著作物とはみなされません。イメージの参考にする程度ならただちに著作権侵害とはならないと思われます。

しかし、その雑誌のレイアウト・割付に長年の評価や名声があり、自己の広告内容や写真などの構成素材までがその雑誌の扱う内容と類似している場合は、編集著作物としての権利を侵害しているとみなされる場合や、不正競争防止法の観点からクレームがつく可能性があります。

 

Q.広告に載せる地図ですが、地図に創作性はないと思うので著作権上気にすることはないですよね?

 

位置情報をまとめ、分かりやすくするためや見た目を良くするために創意工夫をされた地図は図形の著作物・美術の著作物となり得ます。安易な無断転載は著作権侵害です。

 

Q.自分で撮った風景写真を広告に載せる場合、著作権の心配はない?

 

一般的な風景写真でしたら心配はないでしょう。ただし、屋外展示のモニュメントが入っていた場合、それの権利者から所有権・管理権の観点からクレームが入る可能性はゼロではありません。

 

名所や著名な建築物がメインとして写真に入っていると、不正競争防止法の観点からクレームが入るおそれがあります。写真に看板や大型ビジョンが目立って入っている場合はそれらに付随する著作権・商標権などを考慮する必要が出てきます。風景写真を載せる際はそういったことに注意してください。

 

Q.「オリンピック応援セール」「ワールドカップ応援セール」といった表現はOK?

 

オリンピック・ワールドカップというフレーズの広告利用は、公式スポンサー以外認められていません。公式スポンサー以外の企業が上記のような表現を広告で用いることは禁止されています。

 

Q.広告に第三者のサイトのリンクアドレスを載せることは著作権上問題がありますか?

 

基本的にリンクアドレスを載せることは著作権侵害となりません。ただし、リンクに関して許諾を必要とする方針をとっているリンク先の場合は事前の了承が必要でしょう。

 

また、著作権に関わらずとも、どういった意味合いでリンクアドレスを載せるかによって状況が変わってきます。リンクアドレスを載せることでリンク先に迷惑がかかるようなことがあれば、当然トラブルとなるおそれがあります。

 

広告作りは立派な「創作活動」であり、著作権が関わってきます。他人の著作権を侵害しない「権利意識」をしっかりと持ち、独創性のある広告を打ち出していきましょう!

 
 

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